著者 : 佐伯泰英
師走も半ば、金座裏では総出で大掃除を終えた後、差し入れの河豚料理に、皆で舌鼓をうっていた。その席で、八百亀は定廻り同心・寺坂毅一郎についての八丁堀での“うわさ話”を持ち出すが…。金座裏にとって家族同然の寺坂に降りかかる難儀、そしてついに殺人事件が起きる。政次たちが、「北町奉行所」にはびこる悪と戦う、大人気書き下ろしシリーズ、待望の第二十六弾!
八代将軍吉宗の側近が次々と暗殺された!脱藩しておだやかな長屋暮らしを送っていた金杉惣三郎は、南町奉行大岡忠相の密命を帯びて探索に乗り出す。徳川を脅かす妖刀「村正」を振るい、樒の一枝を残していく皺だらけの老武芸者・石動奇嶽…。次第に明らかになる、その驚くべき正体とは?そして惣三郎は、強敵をおびき寄せるべく、一世一代の大舞台に立つ!
天下の悪法「生類憐みの令」やゆがんだ将軍継承方針など五代将軍綱吉の大義なき政の専横ぶりに御三家定府水戸光圀は憤怒を募らせる。綱吉の背後には、隆光権僧正の影がちらつく。家康との約定により、表の顔は古着問屋、裏の貌は隠れ旗本として徳川守護を五代百年に亘って精勤してきた鳶沢一族。将軍家か大義か、狭間に揺れる若き総兵衛勝頼を描く、新潮文庫百年特別書き下ろし作品。
豊後相良藩二万石の徒士組・金杉惣三郎は、固い絆で結ばれた藩主・斎木高玖から密命を帯びる。何者かによって奪われた相良藩の蔵書の中に、幕府ご禁制の切支丹本が混ざっていたという。事が明るみに出れば藩の取り潰しは免れない!真相を探るべく江戸に潜入した惣三郎は、藩主の分家・斎木丹波の企みを嗅ぎつけ…。相良藩の龍虎が激突する一大剣豪小説!
御家騒動から七年後。相良藩の江戸留守居役となった金杉惣三郎は、財政の建て直しに忙しく、我が子とゆっくり向き合う暇もない。そんな折り、藩の下屋敷が黒装束の一団に襲撃された!普請奉行・大岡忠相らとともに探索に乗り出した惣三郎は、やがて将軍家をおびやかす遠大な陰謀を突き止める。将軍宣下を控えた徳川吉宗にかかわる、驚愕の秘密とは…!?
新シリーズ、ますます好調の第二弾! 研ぎ仕事中の小籐次を拝む人が続出。小籐次は困惑するが、その裏で糸を引く者がいるようだ。誰が、なんの目的で? シリーズ第二弾!
城中で十代家治の御不例が囁かれ、水面下で十一代就位への準備が進められる中、雨上がりの小梅村には嫡男空也に稽古をつける坂崎磐音の姿があった。その日の夕暮れ、尚武館の住み込み門弟の一人が突如行方をくらます。翌日内藤新宿に姿を現したその門弟は食売旅篭の店先に立っていた。一方、八月朔日、金龍山浅草寺の門前に新たな紅屋が店開きし…。超人気書き下ろし長編時代小説第四十八弾。
江戸城中を揺るがした佐野善左衛門の刀傷騒ぎのあと、尚武館から姿を消した松浦弥助は、自らが手にかけた薮之助の遺髪を懐に忍ばせ、伊賀泉下寺を目指していた。一方江戸では、坂崎磐音が月に一度の墓参のため忍ヶ岡の寒松院を訪れていた。その帰路、竹屋ノ渡し場に立った磐音は、向こう岸から近付く乗合船に思わぬ人物の姿を認め…。超人気書き下ろし長編時代小説第四十七弾。
総兵衛は大目付本庄義親邸で喜多川歌麿なる稀代の浮世絵師と出会い、その絵と人物に不思議な魅力を感じさせられた。一方、私財を投じて掛け替えることとなった橋普請が進む中、強大な野分によって江戸の町は大打撃を受ける。折しも復旧に奔走する総兵衛の元に、歌麿が極秘裏に徳川政権の禁令に触れる絵を描いているという報がもたらされた。総兵衛は手を尽くして歌麿を追うのだが。
「最後の始末旅」から七年。穏やかな日常に戻った夏目影二郎の元へ、国定忠治の子分・蝮の幸助が現われた。久しぶりに上州の縄張りに戻った忠治が中気で倒れたという報せに、影二郎は幸助とともに再び上州へ向かう。もはや捕縛寸前ながら逃げまどう忠治、それを追う八州廻りや捕り方たちー。そして、最期の時が訪れる!感動を超えた最終巻。「狩り」シリーズ堂々完結。長編時代小説。文庫書下ろし。
夏目影二郎の住む長屋に、国定忠治の使いという男が現われた。子分のほとんどを失い、孤高の逃避行を続ける忠治からの伝言だというこの男に従って、影二郎は忠治のあとを追う。やがて、影二郎の前に忠治の姿と捕り方である八州廻りの姿が。忠治の運命は、そして、父から忠治を討つ命を受けた影二郎の決断は…。手に汗握る展開が詰まった決定版シリーズ第十三弾。
将軍の御社参を前に緊迫する日光で、死んだはずの国定忠治が目撃された。大目付の父の命で、その真偽の確認に日光へ向かう夏目影二郎。しかし、影二郎の首にも奨金がかけられていた!目の前に次々と現れる凄腕の刺客。そして、ついには妖しき京からの使いまで現れる。忠治は生きているのか。そして、影二郎の運命はいかにー。決定版シリーズ、大詰めの第十四弾。
父である大目付の常磐豊後守秀信から珍しく伊豆の遍路旅に誘われた夏目影二郎。あてどもなく遍路を続ける影二郎たちの前に「闇の刺客」が突如現われた。刺客との闘いを続けながらも、父・秀信が影二郎と目指した伊豆の「最終目的地」とはいったいどこか。そして、彼らを待っていたとんでもない人物とはー。息を呑む展開に衝撃のラスト。決定版シリーズ第十二弾。長編時代小説。
書き下ろし時代小説の巨星、ついに文春文庫登場! 背は低く額は禿げ上がった老侍で、なにより無類の大酒飲み。だが、ひとたび剣を抜けば来島水軍流の達人である赤目小籐次が、次々に難敵を打ち破る痛快シリーズ登場。
夏目影二郎の元に、旧知の韮山代官・江川太郎左衛門からの依頼がきた。砲術の名手として知られる高島秋帆を警固してほしいとのこと。自らが捕縛されるまでに弟子たちに「砲術稽古」をつけんとする高島の熱意に、「稽古場」豆州に同行することにした影二郎だが、それを阻もうと追う南町奉行・鳥居耀蔵一派との死闘が待っていたー。ますます絶好調の決定版第十一弾。
天明四年(1784)弥生二十四日未明、麹町の佐野善左衛門邸を見張る霧子は、屋敷内の不穏な気配に胸騒ぎを覚えていた。意を決し邸内に潜入した霧子は、佐野善左衛門が松平定信に借り受けた刀を携え登城することを耳にする。小梅村に舞い戻った霧子から報告を受けた坂崎磐音は、急遽、奏者番速水左近への書状を認め、霧子に託すが…。超人気書き下ろし長編時代小説第四十六弾。
吉原会所の頭取・四郎兵衛の傷がようやく癒えた折り、またも吉原が「脅威」にさらされた。吉原裏同心の神守幹次郎は、いまだ復調ならぬ四郎兵衛に伴って、吉原の秘された過去の「遺文」があるとされる鎌倉へ。そこで彼らを待ち受けていたのは過去最強の刺客たちと衝撃の「秘密」だった。シリーズ史上最高傑作!吉原、鎌倉を舞台に壮大なドラマが繰り広げられる第二十一弾。
天保の改革の一環で贅沢が禁止されるなか、歌舞伎の名題役者、七代目市川團十郎が襲われた。北町奉行の遠山金四郎から依頼された夏目影二郎は、團十郎を警固することとなった。はたして、影二郎たちの前に現れたのは謎の「猿面冠者」だった。猿面冠者の正体、そして、それを操る「影の人物」とはー。「狩りシリーズ」決定版、騒然の第十弾。巻末に佐伯泰英外伝を特別収録。
七カ月振りに総兵衛一行が江戸へ帰ってきた。古着大市の準備に忙しい大黒屋の面々だったが、主人の無事の戻りを歓喜の声を以て迎えた。帰着後すぐ総兵衛は入堀向かいの破産寸前の炭問屋の家屋敷の購入を決め、また大市での大勢の客の食事や手洗いの用意に知恵を絞る…。そんな大黒屋を遠くから執拗に監視する目があった。新たな強敵がやってきた。総兵衛す愛刀葵典太を静かに抜いた。