著者 : 佐藤良明
今度のピンチョンは9・11+家族小説!? 76歳にして新境地開拓の超話題作。ITバブルは弾けたが新世紀の余韻さめやらぬニューヨークで、子育てに奮闘する元不正検査士の女性。知人の仕事を手伝い覗いたネットの深部で見つけたのは、不穏なテロの予兆だった。NYの、そして世界の運命は肝っ玉母さんの手にーーオタク的こだわりと陰謀論にあふれる、謎に満ちたアメリカ文学の巨人が放つビッグバン。
世界文学史上に空前の伝説を刻んだ33万語、100万字超の巨篇ーー新訳成る! 耳をつんざく叫びとともに、V2ロケット爆弾が空を切り裂き飛んでくる。ロンドン、一九四四年。情報局から調査の命を受けたスロースロップ中尉はーー。 ピューリッツァー賞が「卑猥」「通読不能」と審査を拒否した超危険作にして、今なお現代文学の最先端に屹立する金字塔がついに新訳。詳細な註と膝を打つ解説、索引を付す。
世界文学史上に空前の伝説を刻んだ33万語、100万字超の巨篇ーー新訳成る! 耳をつんざく叫びとともに、V2ロケット爆弾が空を切り裂き飛んでくる。ロンドン、一九四四年。情報局から調査の命を受けたスロースロップ中尉はーー。 ピューリッツァー賞が「卑猥」「通読不能」と審査を拒否した超危険作にして、今なお現代文学の最先端に屹立する金字塔がついに新訳。詳細な註と膝を打つ解説、索引を付す。
目覚めればそこに死体。LAPDの警官の群れ。顔見知りの刑事。んでーおいおいオレが逮捕なの?60年代も終わった直後、街にサーフ・ロックが鳴り響くなか、ロスのラリッ放し私立探偵ドックが巻き込まれた殺人事件。かつて愛した女の面影を胸に、調査を進めるドックが彷徨うは怪しげな土地開発の闇に拉致とドラッグ、洗脳の影。しかも、えーと、“黄金の牙”って?なに?ドックが辿り着いた真実とはー。
1984年、夏。別れた妻をいまだ忘れられぬゾイド・ホイーラーは、今年もヴァインランドの町で生活保護目当てに窓ガラスへと突撃する。金もなく、身動きもならず、たゆたうだけの日々。娘のプレーリーはすでに14歳、60年代のあの熱く激しい季節から、どれほど遠くまで来てしまったことかー。だが、日常は過去の亡霊の登場で一変する。昔なじみの麻薬捜査官が示唆したあの闇の男、異様なまでの権能を誇り、かつて妻を、母を、奪い去ったあの男の、再びの蠢動。失われた母を求める少女の、封印された“時”をめぐる旅が始まった。超ポップなのに、この破壊力。作品の真価を示す改訳決定版。
闇の世界史の随所に現れる謎の女、V.。その謎に取り憑かれた“探求者”ハーバート・ステンシルと、そこらはどうでもよい“木偶の坊”ベニー・プロフェインの二人は出会い、やがて運命の地へと吸い寄せられる…。V.とは誰か?いや、V.とはいったい何なのか?謎がさらなる謎を呼ぶ。手がかり多数、解釈無数、読むものすべてが暗号解読へと駆り立てられるー。天才の登場を告げた記念碑的名作、ついに新訳成る。
闇の?現代史の?随所に?痕跡を残す?謎の女?V.。19世紀末、スパイ蠢くエジプト・アレクサンドリア。『ヴィーナスの誕生』強奪が企まれるフィレンツェ。大不況期のNY下水道で神父を慰めたのは?第二次世界大戦末期、包囲爆撃下のヴァレッタに現れた司祭は。あるいは秘境の暗号名か?もしや絵画の頭文字?単に地名のヴェネズエラ?ヴィクトリア?ヴェロニカ?ヴェラ?…V.とはいったい誰なのか。そもそもいったい何なのか?次々と現れる手がかりが空前の謎を編み上げてゆくー。そしてステンシルとプロフェインはマルタ島へと吸い寄せられる。すべての始まりであり、すべての終わりであるその地へと。V、それは命。謎が謎を呼び、解釈が解釈を呼ぶ。読む者すべてが語りたくなる。天才の登場と評され、百科全書的と呼ばれ、無数の解釈が幾多の論文と研究書を生み、著者をポストモダン文学の旗頭に押し上げた衝撃のデビュー作。怪物の登場を刻む、記念碑的傑作。
華氏37度で変わらぬ外気、階下では終わらぬパーティ。温室のような部屋でひそやかに暮らす男と女は終末の予感のなかでー鮮烈な結末と強靱な知性がアメリカ文学界に衝撃を与えた名篇「エントロピー」。“革命”を夢見る少年たちの秋を描く、詩情溢れる「シークレット・インテグレーション」、年間最優秀短篇として『O・ヘンリー賞作品集』に収録され、デビュー長篇『V.』の一章へと発展してゆくスパイ小説「アンダー・ザ・ローズ」など、眩いほどの才能に満ちた全五篇、著者唯一の短篇集を新訳。ダメキャラに熱力学、ゴミに機械に帝国主義、スパイ、神話、ポップ・カルチャー…。のちのピンチョン作品の萌芽を見るもよし、一篇たりとも読み逃せない作品群に加え、作家本人による仰天のこき下ろし自作解説、訳者による目から鱗の解説・訳註を収録。
主人「どうだ、私の裁きは公正であろう?」女中「アァ、ゴショーデス!御主人さま!」ポストモダンの代表作家クーヴァーのキワドク大胆なケッ作。どちらがSでどちらがMかわからない、螺旋状に昇りつめるエンドレス・プレイ。