著者 : 勝目梓
銀座のクラブに勤める萩原涼子は、行きつけのバー「ソルティ」のマスター・塩川から奇妙な誘いをうけた。ある金持ちの夫人のレズプレイの相手になってくれというのだ。謝礼につられ話に乗った涼子は、後日、偶然見た週刊誌から、相手が「伊東の妖怪」と呼ばれる政界の黒幕・土井壮司の妻・朋子だとわかった。土井は、異常な性的嗜好の持ち主で、朋子は夫に密かな殺意を。涼子が朋子と組んで土井の莫大な財産を手にしようと謀ったその時、何者からか一千万円を要求する脅迫電話が…。息をもつかせぬ緊迫感と意表をつく結末!ひさびさに官能味横溢するサスペンス珠玉作。
東京・東品川のスイミングコーチ・沼田信三は、メンバーのクラブホステス・杉野弘子に誘われ、肉体関係を持つようになる。半年ほどしたある日、沼田は弘子を通して大物政治家の変態的なセックスの相手をさせられる。金と妹への暴力をちらつかされて無理矢理、関係を続けさせられる沼田だったが、スキャンダルを逆手にとって、屈辱を強いた男たちに復讐を開始する。命を賭けた男の戦いと奇妙な愛の行方は。
幼いころに両親を亡くし、施設で育った小料理屋の板前・楠木谷純一郎。彼は、女性に接すると狂乱状態になり、性的不能に陥るという奇妙な病いを持っていた。そんな彼が、通っていた歯医者の受付をしている佐々木千織に声をかけられ、生まれて初めて恋におちた。彼の心の病いを治そうと、千織の献身的な努力が始まる。純一郎の閉ざされた心の殻が、千織によって一枚一枚はがされたとき、ある衝撃の事実が浮かび上がった。少年時代の戦慄の記憶。謎の女・千織の真の目的は。謎と恐怖を孕んだ著者会心のロマン・サイコ・サスペンス、全力の書下ろし長編野心作。
私の名は秋津慎平、48歳。モデルガンの解体・組立てと“気楽さ”を何より愛している私立探偵だ。その依頼人は、49歳になる歯科技工士の夫を探してくれという。情報も少なく、この手の仕事は気が重い。が、同じ病院に勤める、男と同郷の独身看護婦が同じ頃休職しているのを知る。私はふたりの郷里へ飛んだ。そこは17年前忌わしい大火に襲われた酒田市だった。
エロティシズムの極限の形が、あるいは破滅への道であったとしても、一度踏み出した歩みを止めることはできない。愛と死の幻想の果てに行き着いた官能のステージで繰り広げられる情念のドラマが、いま始まる…。鬼才が描く性愛文学の極北。
便利屋・芳賀連太郎が帰って来た。刑事を辞めて便利屋稼業を始めた俺だったが、ろくな仕事の依頼がない。今回も懲りない俺は、美女の甘い罠にまんまと引っ掛かって、殺人の片棒まで担がされてしまった。セクシーな悪女が勢揃いする、大好評“便利屋シリーズ”第2弾。
小出達夫・39歳・塗装工として、川崎の工務店に勤めている。深夜、ホステスをしている愛人宅に向う途中、2人組の男と諍いになり、元プロボクサーの彼は2人をあっけなく倒してしまう。そのとき手に入れた挙銃が彼の人生を変えてしまった。殺戳と陵辱の限り、性と暴力の魔性にとり憑かれた男を描く。勝目文学の極み。
ハワイのホテルのベッドで、女が男の耳に囁いた。「大きな仕事をして、おいしい暮らしをしようよ」女は高級クラブのホステス、男は未収金の取立屋。女が店の金を持ち逃げし、男が女を追いかけるふりをする。ほとぼりがさめた後、女を訪ねた男を待っていた意外な罠…。男と女のだまし合いを描いたハード・バイオレンス・ロマン。
店の金を持ち逃げした銀座のホステスを追って、鹿児島へ飛んだ取立て屋。やっと見つけた女は、取立て屋をネグリジェ姿のまま迎えた。男はホステスの色仕掛けを甘んじて受け、その夜にもう一度集金に来ることを約束した。ところが、男を部屋で待っていたのは!男女の性と暴力をテーマに、官能とサスペンスで描く傑作集。
美人宝石デザイナーの死を、警察は自殺と断定したが、義理の息子・俊彦は死因に疑問を持ち、独自に調査を始める。俊彦は義母と不義の関係があった。嫉妬に狂った父の犯行か?調査を進めると、義母が莫大な借金をしていたことや有名俳優との不倫の関係が明らかになる。バイオレンス・エロスの輪舞劇。
かつて父とともに坑夫として働いていた炭坑を、22年ぶりに訪れた沖田隆明。そこで出会った末原和枝から、意外な事実を知らされる。沖田の父の死は、坑内事故ではなく、仕組まれた殺人だったというのだ。怒りに燃えて、沖田は復讐を開始する-凄絶なハード・アクション。