著者 : 南英男
厚労省元官僚の車が、キャバクラ嬢を助手席に乗せたまま陸橋の橋脚に激突した。だが事故には不自然な点が多出。ドアはロックされておらず、アクセルにはコンクリートの擦り痕があった。さらに即死した二人は麻酔注射をされていた。事故死に見せかけて殺害されたに違いない。極秘捜査班の剣持直樹はメンバーと共に調査に乗り出すが、背後に潜む黒幕の影がちらつき始める。長篇サスペンス。
剣持直樹は、警視庁が非公式に組織した極秘捜査班の主任だ。ある朝、彼は代々木公園をジョギング中に若い女性の全裸死体を発見する。十日前にも花園神社で同様の事件が起きていた。ふたつの事件の遺留精液は同一人物のものと判明。その男は十一年前にも強姦殺人を犯し、服役後出所していた。だが容疑者にはアリバイがあった。練達の捜査班が迷宮入り寸前の難事件に挑む長篇サスペンス。
網膜剥離でボクサーを引退した椎名啓輔。八百長試合で治療費を稼いでまで救おうとした妹にも先立たれ、元東洋チャンピオンは裏仕事で食いつなぐ「便利屋探偵」になった。恩人の頼みで、銀行支店長が持ち逃げした四億七千万円の行方を追う椎名。しかし関係者は次々に殺されていく。黒幕はいったい誰なのか。孤独な闘いの果てに、驚愕の真相が明らかになる!
新宿署一の嫌われ者百面鬼竜一は、管内の暴力団から金品をたかり、押収品の麻薬や銃を横流しする小悪党の刑事だった。だが、捜査で知り合い、関係を結んだ能塚亜由を拉致され、犯人に難民救援活動家の暗殺を命じられる。百面鬼は五輪の候補に選ばれるほどのライフルの名手だった。苦悩の末に狙撃を実行した百面鬼。ところが、見えざる敵はさらなる暗殺を要求し…。
硬派のニュースキャスターが浴室で変死した。自殺と思われたが、奇妙な遺留品が現場から発見され、他殺の線が強くなる。臨場した加門昌也警部補率いる警視庁捜査一課第五係は、彼に裏献金を糾弾された大物政治家に疑いの目を向けるが…。捜査一課、組織犯罪対策部第二課ーそれぞれの刑事たちが、足を棒にする捜査の先に辿り着く真実とは!熱血の警察小説集。
「警察の警察」と呼ばれる警視庁監察係の係長刺殺事件。その容疑者も銃殺されて二年近くが過ぎ、捜査は早くも迷宮入りの様相を呈していた。そこで刑事部長は捜査一課特命捜査対策室の秘密別働隊“シャドー”を投入する。岩城譲司警部の許、癖のある連中が、偽造、脅迫、なりすましと違法捜査で警察の暗部に切り込むが…。権力の腐敗を痛快に暴いた、野心的な警察小説。
不破竜次は、元新宿署刑事課強行犯係の刑事だった。硬骨な正義感の刑事だった不破は警察内部の不正に安易に妥協しないので、“はぐれ刑事”として、凶悪な犯罪者たちを追い詰めつづけた。ある時、上司の不正を許せず、殴りつけ、辞職した。新宿歌舞伎町のカラオケ店のオーナーとなった不破には、隠れた別の顔があった。卑劣な罠にはまった不運な人たちの代理人として、復讐請負人を裏稼業にしていたのだ。そんな不破のもとに、美しい依頼人が訪れた。夫の仇討だったー長篇ネオ・クライム・サスペンス!!
画廊の女社長が殺された。赤坂署に捜査本部が設置され、警視庁捜査一課で加門昌也警部補が率いる第五係に捜査指令がでた。第一発見者で被害者との関係も噂される画家の広瀬が疑われるが、決め手がない。そんな中、関係者の何気ない仕種に、加門は注目する(「炎の代償」)。捜査一課、生活安全課…警視庁の各課の刑事たちが、靴底をすり減らしながら、とことん犯人を追う!
ジャーナリストの尾木昌也が刺殺された。取材中の事案から、中東の過激派に疑いが向けられる。だが、特命を受けた渋谷署生活安全課の三上謙は、過激派への容疑に異和感を抱く。尾木が調べていた様々なネタを追ううちに、おぞましき癒着の構造に行き着く。そして、鍵を握る元代議士の拉致現場に居合わせると、三上は自らも銃撃を受け…。巨悪に迫る圧巻の警察小説。
四谷署管内で男性フリージャーナリストが何者かに金属バットで撲殺された。捜査は難航し、特務武装班に極秘捜査の指令が下る。ジャーナリストが追っていたのはカジノ解禁法案推進派国会議員の収賄事件だ。海外視察の推進派議員五人に金と女の甘い蜜を吸わせたカジノ会社の存在が浮上するが、情報提供者も謎の死を遂げていた。浅倉悠輔率いる特命チームの活躍を描く書下し長篇サスペンス。
取り逃がしそうになった宝石強盗を、警部補尾津航平が無事に取り押さえられたのは、伝説のSP深町杏奈のおかげだった。彼女に一目惚れする尾津。その直後、迷宮捜査班に、男が猛毒クラーレを塗った傘で殺された事件の捜査指令が下る。被害者は強盗殺人犯にされた冤罪の過去があった。尾津と相棒の白戸恭太は、再捜査を始めるが、指揮した刑事課長の疑惑が浮上する。
違法捜査を厭わない尾津航平と、ヤマザとの癒着が噂される荒くれ者の白戸恭太。迷宮事件を扱う捜査一課強行犯捜査第二係の分室の二人に、再捜査の指令が出た。四年前、関東誠和会傘下の稲葉組組長が新宿で射殺された事件だ。被害者に怨みを持つ者が次々と浮上する中、警察内部にも容疑者がいると分かるのだが…。最強コンビが辿り着いた真相は!?好評シリーズ第二弾。
東京地検の検事が停職中に撲殺された!警視庁極秘捜査班の剣持直樹は恋人の女性弁護士を通じて、検事の妻から事件の調査を依頼される。検事は、暴力団によるゼネコンの恐喝、警察庁と警視庁の監察官による不祥事揉み消し、そして入国管理局職員による偽装国際結婚の内偵中だった。殺害の鍵を握っているのは誰か!?剣持と極秘捜査班の活躍を描く好評シリーズ第四弾!
本庁捜査一課で腕を磨いた剣持直樹ひきいる極秘捜査班の面々は、倒産したITベンチャー企業の元社長が惨殺された事件を追っていた。被害者は多額の負債を抱えており、暴力団や裏社会とも関係があった。地道な聞き込み捜査は空振りが続き混迷を深めたが、やがて高学歴の美女ばかりが失踪する不可解な事件にぶちあたった…。大好評の書下ろしシリーズ第三弾。
羽賀組はかつて博徒集団だったが、今は鳶職や家屋解体工を抱える会社だ。四代目組長を継いだ羽賀亮は、刑事を本業としているため、元博徒の彦坂成昭に会社を仕切らせ、堅気として生きている。が、父が事故死と見せかけて殺されたかもしれないという疑念を持ち始めた羽賀は違法と知りながら、裏社会の人脈を持つ彦坂を使って真相を探るが…。
四谷署刑事課勤務時代に誤認逮捕の責めを負わされてからというもの、勝手気ままに生きることを決意した土門岳人警部補が、いまだに警視庁捜査四課の暴力団係刑事を務められるのは、有資格者の醜聞や不正の証拠を握っているからだ。むろん、闇社会の猛者たちも、ヤリたい放題の土門に対しては、「触らぬ神に祟りなし」と、見て見ぬフリを決め込んでいる。その“狂犬”に、美人フリー・ジャーナリストの久世沙里奈から電話があった。聞けば、同棲している銅版画家の轟麻衣が三日前から行方不明という。どうやら、いま沙里奈が取材中のインターネット犯罪集団“報復屋”が絡んでいるらしい-。
成瀬和樹はスナックからの帰り道、暴力団風の男に拉致されかけた美女を救った。彼女は大手食品メーカーの常務秘書だった。襲われた理由は、勤務先の食肉不正にからんだ内部告発をめぐってのトラブルのようだった。金づるになるとにらんだ成瀬は、元全共闘の活動家だった磯村と調査を開始する。二人は、不正をかぎつけては口止め料をせしめるのを生業としていたのだ。だが、その食品メーカーが突然倒産してしまった…。
土門岳人は警視庁捜査四課の暴力団係刑事だ。職階は警部補だが、四谷署刑事課勤務時代に誤認逮捕の責任を負わされてからというもの、傍若無人に生き抜いているため、未だに主任にもなっていない。しかし、凶暴な性格で、まるで協調性のない土門が警察に籍を置けるのは、有資格者たちの不正やスキャンダルの証拠を押さえているからだ。その、職場でも裏社会でも“狂犬刑事”と恐れられている土門の情報提供者のひとり、関東仁友会の首藤正邦理事が射殺されたという。半年以上も前から揉めていた奥州連合会の仕業なのか…。