著者 : 原田マハ
「不謹慎」「不健全」「奇怪」「退廃的」…世紀末、すべては賛辞の裏返し。その悪徳とスキャンダルで時代の寵児となった作家オスカー・ワイルドと、イギリス画壇に彗星のごとく現れた夭折の天才画家、ビアズリーの愛憎を描く。
終戦後の沖縄。米軍の若き軍医・エドワードはある日、沖縄の画家たちが暮らす集落ーニシムイ美術村に行きつく。警戒心を抱く画家たちだったが、自らもアートを愛するエドは、言葉、文化、何よりも立場の壁を越え、彼らと交流を深める。だがそんな美しい日々に影が忍び寄るー。実話をもとにした感動作。
日本の美を愛し続けた英国人陶芸家、バーナード・リーチ。明治42年、22歳で芸術の道を志して来日。柳宗悦、濱田庄司ら若き日本人芸術家との邂逅と友情が彼の人生を大きく突き動かしていく。明治、大正、昭和にわたり東洋と西洋の架け橋となった生涯を描く感動の“アートフィクション”
1995年、神戸市長田区。震災で両親を失った少女・丹華は、兄妹とともに医師のゼロ先生に助けられる。復興へと歩む町で、少しずつ絆を育む一家を待ち受けていたのは、思いがけない出来事だったー。『楽園のカンヴァス』の著者が、絶望の先にある希望を温かく謳いあげる感動作。
反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの“ゲルニカ”。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、忽然と姿を消した…。大戦前夜のパリと現代のNY、スペインが交錯する、華麗でスリリングな美術小説。
「響き合う幸せを、音楽を愛する人々と分かち合うために。ふたりはチェロを弾き続けていたんだね」。世界的な指揮者の父とふたりで暮らす、和音十六歳。そこへ型破りな“新しい母”がやってきてー。親子の愛情、友情、初恋、そして実母との奇跡の再会。音楽を通して描くドラマチックな感動物語。
いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから?人生は四年ぶりに外へ!祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていたー。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。
モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。19世紀から20世紀にかけて活躍した美の巨匠たちは何と闘い、何を夢見たのか。彼らとともに生きた女性たちの視点から色鮮やかに描き出す短編集。(解説/馬渕明子)
学生時代の恋人と二人で歩く夜に、祖父と同居しはじめた春休みに、2021年の皆既月食に、時をつなぐ邂逅に、音信不通だった母親と巡りあった日にー人気作家陣が紡ぐ東京の新たな“原風景”。切なく温かな涙がこぼれる5つの「再会」の物語。
たかむら画廊の青年専務・篁一輝と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、出産を控えて東京を離れ、京都に長期逗留していた。妊婦としての生活に鬱々とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗の画廊で、一毎の絵に心を奪われる。画廊の奥で、強い磁力を放つその絵を描いたのは、まだ無名の若き女性画家。深く、冷たい瞳を持つ彼女は、声を失くしていたー。京都の移ろう四季を背景に描かれる、若き画家の才能をめぐる人々の「業」。『楽園のカンヴァス』の著者、新境地の衝撃作。
暁星新聞の記者である青山翔子は、社内の資料室で一枚の写真を見つけた。それは、1939年に世界初の世界一周を成し遂げた「ニッポン号」の写真だった。翔子は当時、暁星新聞社が社運をかけて取り組んでいたプロジェクトにカメラマンとして参加していた男を追って、カンザス州アチソンへと飛ぶ。老人ホームで暮らす山田は、翔子から渡された古い写真を見て、重い口を開いた。そこには、ある米国人女性パイロットの姿がー。
カンザス州の田舎町に生まれ育ったエイミー・イーグルウィングは、女性として初めて大西洋横断飛行に成功するなど、数々の記録を打ち立てていた。大空を自由に駆けることに魅了されたエイミーは、空から見た地平には国境が存在しないことに気づく。世界平和のために、自分は飛ぶのだ、と。その強い信念はやがて彼女を、世界一周に挑む「ニッポン号」との邂逅へとみちびく。数奇な真実に彩られた、感動のヒューマンストーリー。
旧幕臣の娘である去場安は、岩倉使節団の留学生として渡米した。帰国後、日本にも女子教育を広めたいと理想に燃える安のもとに、伊藤博文から手紙が届く。「盲目で、耳が聞こえず、口も利けない少女」が青森県弘前の名家にいるという。明治二十年、教育係として招かれた安はその少女、介良れんに出会った。使用人たちに「けものの子」のように扱われ、暗い蔵に閉じ込められていたが、れんは強烈な光を放っていた。彼女に眠っている才能をなんとしても開花させたい。使命感に駆られた安は「最初の授業」を行う。ふたりの長い闘いが始まったー。
一九八〇年、岡山。佐々岡鮎子は東京から引っ越してきたばかり。無理に「でーれー(すごい)」と方言を連発して同じクラスの武美に馬鹿にされていた。ところが、恋人との恋愛を自ら描いた漫画を偶然、武美に読まれたことから、二人は急速に仲良しに。漫画に夢中になる武美に鮎子はどうしても言えないことがあって…。大切な友だちに会いたくなる、感涙の青春小説。
あなたの旅、代行します!売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だったー。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く先々で出会った人々を笑顔に変えていく。感涙必至の“旅”物語。
ほんとうにあった夢物語契約社員から女社長にーー実話を基に描いたサクセス・ストーリー。琉球アイコム沖縄支店総務部勤務、28歳。純沖縄産のラム酒を造るという夢は叶うか!風の酒を造りたい!まじむの事業計画は南大東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。持ち前の体当たり精神で島に渡り、工場には飛行場の跡地を借り受け、伝説の醸造家を口説き落としてーー。 ほんとうにあった夢物語 契約社員から女社長にーー 実話を基に描いたサクセス・ストーリー。琉球アイコム沖縄支店総務部勤務、28歳。純沖縄産のラム酒を造るという夢は叶うか! 風の酒を造りたい! まじむの事業計画は南大東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。持ち前の体当たり精神で島に渡り、工場には飛行場の跡地を借り受け、伝説の醸造家を口説き落としてーー。
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに篭めた想いとはー。山本周五郎賞受賞作。
道ばたでないていた子犬の「ぼく」を、みくちゃんって女の子が拾ってくれた。ぼくの新しい生活がはじまった。みんな一緒の楽しいくらしは、ずっと続くと思ってた。でも、家族はだんだん離ればなれになって、ぼくは一人取りのこされたおとうさんと「旅」に出ることになったんだー日本中が涙した大ヒットコミック、その感動が小説になって蘇る!