小説むすび | 著者 : 古沢絵里

著者 : 古沢絵里

子爵の理想の花嫁選び子爵の理想の花嫁選び

孤独で貧しく、不器量で従順ーー 彼女こそ、私の理想の花嫁だ! 両親を失い、天涯孤独となったメアリーは、 遠縁の家で息を潜めて生きていた。 誰にも望まれず、必要とされることのない日々。 そんな彼女に、ある夜、手を差し伸べたのはハヴロック卿。 まばゆい美貌の子爵は、出会ってすぐ結婚を申し込んだ。 なぜ私に? 戸惑うメアリーに、彼は静かに語った。 異母妹を引き取るため、形式的な妻が必要なのだと。 冷静なその言葉の裏に、一抹の誠実さを感じ、彼女は承諾する。 誰かの役に立てることが、少しだけ心を温かくしたから。 “孤独で貧しく、不器量で従順な娘”--まさかそれが、 子爵の望む花嫁だとは知らず……! 内気で冴えないヒロインが、寂しさばかりの人生に別れを告げられるかもしれないと、一縷の望みを託した結婚。でも夢のような結婚式の夜、見つけた紙切れに書かれていたのは、子爵の信じ難い〈花嫁の条件〉。さて、彼女がお返しにしたためた“夫の条件”とは?

伯爵との一夜伯爵との一夜

伯爵を愛したい。たとえ片想いでも。 涙の波瀾万丈リージェンシー! 颯爽とした軍服に身を包んだ美貌のアレックスをひと目見ただけで、 ヒービーはなぜかひどく落ち着かない気分にさせられた。 はじめこそアレックスは彼女に対して無口で冷淡だったが、 たがいを知るほどに親しくなっていき、舞踏会の夜に急接近。 器量が十人並みで恋愛に縁のなかったヒービーは幸せの絶頂を味わう。 だが翌日、アレックスがついに結婚の申し出をしようとしたそのとき、 一通の手紙がーー彼がかつて求婚した女性からの承諾の返事が届いた! そんな……アレックスに、故郷に愛する人がいたなんて……。 ヒービーの中で何かが壊れた。もう限界。「おめでとう。よかったわね」 今にも流れ落ちそうな涙をこらえ、彼女は祝福の言葉を贈ったーー。 今まで大勢の士官が来ては去っていくのを見てきたけれど、あなたは特別だったーーそう伝えるのが精一杯で、身を引いたヒービー。ところが、ほどなく思いもよらない事態に見舞われ、アレックスと二人きりで極限状態に置かれた彼女は、予期せぬ妊娠をして……。

薔薇のレディと醜聞薔薇のレディと醜聞

愛されないなら婚約を解消したい。 でも私はもう、彼を愛している……。 愛し愛される結婚を夢見るグレースは社交シーズンのロンドンへの道中、 宿屋で公爵家出身の美男子ルシアン・セントクレア卿と居合わせた。 放蕩者の彼は夜遅くに、酔ってグレースの部屋に間違えて入ってきて、 寝乱れた彼女を熱っぽく眺めると、いたずら心でキスを求めてきた。 そしてグレースが唇を奪われたまさにそのとき、部屋の扉が開き、 彼女の後見人にあられもない姿を見られて誤解されてしまう! 思ってもみなかった事態に青ざめるグレースに、 こうなった以上、僕たちは結婚するしかない、とルシアンが告げた。 だが、人と深く関わりたくない彼には心に決めていることがあったーー もちろん、妻になる女性とも他人行儀な関係を保とうと。 相思相愛の結婚と、他人行儀な結婚。真逆の結婚像を思い描く二人の愛なき婚約から始まるラブストーリー。故エリザベス女王も認めた英国を代表するロマンス小説家キャロル・モーティマーによる、リージェンシー・ロマンスの大ヒット作をお贈りします!

鷹の公爵とシンデレラ鷹の公爵とシンデレラ

両親も、すてきな服も、住む家も……。 何もない私に、幸せは訪れるの? 後見人の母娘に疎まれ、使用人も同然の生活に耐えるジェーンは、 幸せな結婚など夢のまた夢と、将来を悲観していた。 ある日、屋敷でハウスパーティが開かれることになり、 このうえなく優雅なスタワーブリッジ公爵が招待客としてやってきた。 遠くから見つめるだけで、ジェーンの心は躍った。 晩餐前のひととき、すさまじい色のドレスを着せられた彼女に 公爵が興味を示したことで、事態は一変するーージェーンは後見人から、 公爵の気を引こうとしたと責められ、屋敷を追い出されてしまったのだ! 困った彼女は公爵に請うた。「ロンドン行きの馬車にお乗せください」 あえなく拒まれたジェーンは、ならばと密かに荷車に乗り込んだ! 名門貴族スタワーブリッジ公爵と天涯孤独なシンデレラの身分違いの恋を描いた、キャロル・モーティマーの大ヒット・リージェンシー! ジェーンの必死の頼みを断った公爵の真意とは?

悩める伯爵悩める伯爵

私を鳥籠に閉じ込めた張本人に、 ふたたび心を奪われるなんて。 かつて憧れだった10歳年上のドラムが、伯爵となって帰ってくる。 レベッカはその知らせに動揺した。今や彼は誰より憎らしい相手。 7年前、出征を明日に控えたドラムが別れを告げに来たとき、 無断で彼の愛馬を駆ったレベッカはひどく叱られ、お仕置きされた。 そして彼の提案によって、牢獄のような寄宿学校へやられたのだった。 いよいよ再会の瞬間、昔とは違う熱いまなざしを向けられて戸惑うが、 あの時の仕打ちを忘れられず、レベッカはよそよそしくふるまった。 ところが後日、親代わりの祖父が旅で不在にすることになり、 ドラムの後見のもと、伯爵邸での同居を余儀なくされる! レベッカは震えた。大嫌いな彼にまた惹かれてしまうのが怖くて……。 子供の頃、兄と慕うドラムにお尻を叩かれたことを根に持っているレベッカ。大好きの裏返しで、ドラムなんて大嫌いと意地を張りますが、彼に魅了されるのも時間の問題でーー。元気いっぱいで天真爛漫なヒロイン像に定評のあるアン・アシュリーの名作です!

道化師は恋の語りべ道化師は恋の語りべ

“下っ端の少年”に扮した娘は、 切ない恋心までは隠しきれなくて……。 荘園の娘エリザベスは独り、必死に宮廷を目指していた。 父の急死につけこんで結婚を迫る不気味な婚約者から逃れるには、 名付け親である女王陛下に助けを求めるしかないのだ。 その途中、彼女は宮廷道化師のタールトンと巡りあった。 まさに水も滴るいい男といった風情の彼は、美しい歌声に、 陽気な性格、そして鋭い頭脳を持つ魅力あふれる人物だった。 心細かったエリザベスが思わず宮廷までの護衛を頼むと、 彼は追っ手の目をくらますため、弟子になりすますよう彼女に提案した。 戸惑うエリザベスだったが、美しい金髪を切り捨て、少年を装ったーー 厳しくも優しいタールトンを、愛してしまうことになるとも知らず。 男性的、そして人間的魅力を放つヒーローが印象深い伝説的名作! いかにも世事に通じた不埒者の雰囲気を醸すヒーローに対し、慣れない男装から始まり、初めてづくしの旅路に健気に耐えるヒロイン。読みどころ満載の本作は、最後の最後まで飽きさせない展開です。

麗しの貴婦人と介添えの娘麗しの貴婦人と介添えの娘

目の見えないあなたに、純潔を捧げた。 かつてあなたの許嫁でしたと言えぬまま。 エリザベスは夜会で魅力的なサー・リチャードに再会し、言葉を失った。 親に決められて、少女の頃から密かに憧れる彼の許嫁となったが、 16歳のとき、彼に愛されていないことを知って結婚を断ったのだ。 今、麗しい淑女に変身したエリザベスに、彼は目を奪われている。 けれど、彼女の心は喜びよりも、不安でいっぱいだった。 じつは1年前、軍人の看護をしていたとき、偶然彼と出会っていた。 傷ついて一時的に視力を失ったリチャードに素性を隠したまま尽くし、 救いを求める彼の腕を拒めず枕を交わしたのだったーー ああ、どうか今あなたの目の前にいる私が、 あの愚かな看護師“メアリー”だと、気づかないでください……。 引っ込み思案で冴えない少女だったエリザベスは、かつてリチャードが自分よりも美しい姉のほうに惹かれているのを知って傷つき、身を引いたのでした。それでも彼への愛は消えず、誰に知られることなく想いを遂げたはずが……まさか再会する運命だったとは!

消えた子爵夫人消えた子爵夫人

人形を抱えた16歳の新妻には、 夫も知らない、壮絶な過去が……。 子爵のドミニクは亡き父が作った借金を清算するため、 裕福な商人の娘レイチェルを、ほぼ面識のないまま花嫁に迎えた。 結婚後は、不器量で幼い妻を田舎に置いて、彼は上京したが、 妻はそのあいだに忽然と姿を消してしまった。 6年たった今も、レイチェルの消息はいっこうにわからないが、 跡継ぎが欲しいドミニクは、妻の生死を確認し、 夫婦のよりを戻すなり、別の女性と結婚するなりしたいと思っていた。 そんな折、ドミニクは叔母の紹介で謎めいたレディと知り合い、 見目麗しく、知的な会話のできる彼女の魅力にとらわれていく。 まさか夢にも思わなかったーーそのレディこそが、失踪中の妻だとは! リージェンシーの旗手A・アシュリーの珠玉作をリバイバル! 行方知れずの妻の件に決着をつけるまでは、再婚することもできないドミニク。けれども、魅惑のレディに恋してしまった彼は、たまらず彼女に求愛することにしますが、けんもほろろに拒絶されて……。

裏切りののちに裏切りののちに

この胸が痛いのは、捨てられた記憶と、 あの頃のままの、あなたのせい……。 シドニーのさる裕福な実業家が隣の屋敷を買ったと聞いたキャシー。 屋敷内の品々が競売にかけられるというので行ってみると、 新しい主としてそこにいたのは、なんとダン・マッケイだったーー 9年前、妻の存在を隠し、二十歳のキャシーに甘い恋を経験させながら、 突然〈ぼくのことは忘れてくれ〉という手紙一つで彼女を捨てた男! でも、精悍な黒い瞳も、長身の体も、胸が痛くなるほど昔のままだ。 思わぬ再会に動揺するキャシーをもてあそぶように、ダンが唇を奪う。 だめよ、二度と彼を信じたり、近づけたりしては。 私には守るべき者がーーダンに知らせずに産んだ子がいるのだから。 するとそこへ、父親譲りの漆黒の目をした息子が駆けてきた。「ママ!」 大ベテラン作家ミランダ・リーによる、シークレットベビー物語。裏切られた心の傷はまだ癒えていないと、ダンを遠ざけようとするキャシーですが、たった一度のキスであの頃の感覚がいっきに目覚めてしまい……。ダンが彼女のもとを去った理由とは、いったい?

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP