著者 : 君嶋彼方
一番の恋人一番の恋人
道沢一番という名前は「何事にも一番になれるように」と父が付けた。父の期待に応えることで一番の人生はうまくいってきたのだが、恋人の千凪にプロポーズしたとき、「好きだけど、愛したことは一度もない」との返事に一番はショックを受ける。千凪はアロマンティック・アセクシャル(恋愛感情も性的欲求も抱くことがない性質)で、ずっと「普通」になろうともがいてきたのだった。思いを断ち切れない一番と普通になりたい千凪は、そのまま結婚することを選ぶのだがー。
夜がうたた寝してる間に夜がうたた寝してる間に
他人と違っても、俺ならうまくやっていけると思っていた。-あの事件が起きるまでは。余計な“力”を持ったせいで、こんなにも一人ぼっちだ。必死でみっともなく生きるすべての人の背中を押す青春小説。
君の顔では泣けない君の顔では泣けない
高校1年の坂平陸は、プールに一緒に落ちたことがきっかけで同級生の水村まなみと体が入れ替わってしまう。いつか元に戻ると信じ、入れ替わったことは二人だけの秘密にすると決めた陸だったが、“坂平陸”としてそつなく生きるまなみとは異なり、うまく“水村まなみ”になりきれず戸惑ううちに時が流れていく。もう元には戻れないのだろうか。男として生きることを諦め、新たな人生を歩み出すべきかー。迷いを抱えながら、陸は高校卒業と上京、結婚、水村まなみとして人生の転機を経験していくことになる。
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