著者 : 堀内静子
嵐は突然襲ってきた。安定した仕事につき、子供たちと幸せな家庭を築いていた夫婦ダンカンとメガンは、過去からの復讐者によって地獄に引き戻された。ある日、メガンの父親の老判事と息子のトミーが忽然と姿を消した。そして長い間恐れていた女、オリヴィアからの誘拐を告げる電話。かつて学生運動のさなか、ダンカンとメガンは女闘士オリヴィアが率いる過激派に属していたが、銀行襲撃の折に逃走したために彼女は逮捕されてしまった。それから20年あまり、ついにオリヴィアが出所し、復讐に乗り出したのだ。夫婦は反撃に立ち上がる。ティーンエイジャーの娘たちも、祖父と弟のために銃をとった。息づまる対決の時は迫る!ストーリーテラー、カッツェンバックのサスペンス巨篇。
小道具部屋は惨憺たる有様だった。棚が落ち、そこらじゅうに小道具が散らばっているのだ。と、その時、妙なものが目に飛びこんできた。急いでがらくたをどけてみると、下からは新進女優シッピーの死体が…。ずっこけ警官役のパリスが死体を発見するまえから、名探偵ブレイドを主人公とするテレビ・ドラマの撮影は暗礁にのりあげていた。いちばんの原因は、名探偵の娘役のシッピーだった。主役のテレビ・スターは、こんな大根女優が相手では嫌だとへそを曲げるし、原作者の老女流作家とその妹は、シッピーが原作のイメージとちがうと文句をいうしで、彼女の死は番組にとっては天の恵みのようなものだった。だが、誰にとってもこんなに都合のいい事故などありうるだろうか?撮影が順調に進みだしたのを尻目に、パリスはグラス片手に犯人探しにのりだすが…!テレビ界の内幕を才気溢れる筆致で描くユーモア本格。
波乱の半生を送り、ペリーの麻薬王にのし上がった男、カルロス・オルテガ。今、組織の暗殺団に追われ、逃亡の身である彼の手中には、重大な秘密が明かす日記があった…。一方、ボストンで新聞社を営むドーソンは、ドライブ中、死体を埋葬する男たちと遭遇、銃弾をうけ失神する。だが、翌日現場で発見された死体は唇と鼻を切りとられ、彼が目撃した白髪の男とは別人であった…。-南米とボストンを舞台に展開する麻薬軍団の恐るべき陰謀。
娘は、後ろ手に手錠を掛けられ、ひざまずいた姿勢で後ろから犯された後、首にまいたチェーンで絞殺されていた。そんな無残な姿で発見されたのは、フィラデルフィアの街から次々と失踪を遂げていた少女のひとり、テリ・ディフランコだった。警察は連続殺人事件として捜査を開始し、やがて、ピーターという謎の男の存在を突き止めた。だが、彼の所在を示す手がかりは何ひとつ見つからず、捜査は暗礁に乗りあげた。警察の不首尾を嘲るかのように、ピーターは残忍な犯行を重ねていくが…。はたしてピーターの正体とは?そしてその異常な行為の裏に隠された秘密とは?歴史に彩られた街フィラデルフィアを舞台に期待の大型作家が放つ、官能とサスペンス溢れるサイコスリラー。
探偵社の若き女調査員アンナは、人気絶頂のロック歌手、ショーナ・ユーナの身辺警護をすることになった。ショーナの家のまわりをうろつく不審な男、うるさくつまきまとう昔のバンド仲間の麻薬中毒者、脅迫状など、気がかりなことはたくさんあったが、ショーナの取り巻きは排他的だし、他の警備会社の警備員たちの協力もまったく得られなかった。そして不穏な空気の票うなかで始まったコンサート・ツアーの初日、ショーナの愛猫が惨殺された…麻薬とセックスづけのロック・ミュージシャンの世界にアンナが見た悲しい事件を描くシリーズ第2弾!
シルヴィアはバルセロナの空港近くの草叢で突然意識を回復した。全身血にまみれ、パスポートと金、そして数日間の記憶も失われている。ラスヴェガスでショウに出演するはずの彼女がなぜそこにいるのか。単なる事故、それともスペイン人の愛人の妻を嫉妬に駆られ殺してしまったのか。ナイフが腹を切り裂くイメージにつきまとわれ、過去と現在に等しく翻弄されるシルヴィアを待ちうける衝撃の事実とは?異色エロティック・スリラー。
1年前、あろうことか、ゴーテは殺人事件をもみ消していた。場所は、彼が一時的に指揮をとるよう命じられたヴィガトポーア警察署。そして、加害者は、ゴーテが敬愛するケルカー副監察長官だった。あまりにも怠惰な警官に腹を立てた長官がインク壷を投げつけたところ、当り所が悪くて相手が死んでしまったのだ。が、目撃者のいないのを幸い、警察の将来のためとゴーテは長官を説得し、溺死に見せかけるため、二人で死体を湖に沈めた。その“溺死”事件に疑問が投げかけられたのは、10カ月後のことだった。水泳の達人だった兄が溺死するはずないという、被害者の妹の訴えがきっかけだった。こうしてゴーテは警察本部長に呼ばれ、査問委員会にかけられることになったのだ。…人間味あふれる東洋の探偵ガネシ・ゴーテが最大の危機を迎える話題のシリーズ最新作!