著者 : 堀内静子
注意することだーポアロのもとに届けられた挑戦状。その予告通り、Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺された。現場には不気味にABC鉄道案内が残されていた。まもなく第二、第三の挑戦状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が殺され…。新訳でおくる著者全盛期の代表作。
ちょっといいかい?あたしは顔も頭も良くない。だけど悪役女子プロレスラーとしてはうまくやってる。それなのにある夜、警察の手入れを受けたクラブから若い娘を救いだし、家に連れ帰ったときから不審な男たちに追い回されるようになってしまった。あの娘が原因らしいけど、だからって見捨てるなんてできない。あたしがカタをつけてやる!正義感と人情味溢れるヒロイン、エヴァの奮闘を描く英国推理作家協会賞受賞作。
1944年、アメリカ南部。ある黒人の少年が、白人の少女を殺した罪で史上最年少の14歳で死刑になった。数十年後、少年の甥で元記者のウィロップは、叔父が本当に殺人を犯したのかどうか真相を探り始める。やがて彼が接触した人々が謎の死を遂げ、ウィロップに殺人の疑いが!史実に基づく衝撃のサスペンス。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀処女長篇賞受賞作。
警察官になりたい一心で、アビーは警察学校の厳しい訓練を経て卒業にこぎつけた。だが、新人警察官に実地研修は苛酷で、性差別主義の教官に泣き、緊迫のパトロールに胃が痛んだ。ある日、彼女の同期で親友のモレリに暴行の疑いがかけられる。事件はやがてアビーをも絶体絶命の窮地に陥れ、予想外の結末へ…現役女性警察官がリアルな描写で放つデビュー作。
テレサは、以前に上司ブライスからセクハラを受けたので、彼女を訴えようとしていた。現在のブライスは、連邦最高裁判事ホーナーの首席調査官。裁判になれば、高い地位についていて、大きな組織の後ろ盾もあるホーナーまでも相手にしなければならない。だが、被告となるべきブライスは何者かに殺害され、訴訟準備の調査をしていた私立探偵も殺されてしまう…裁判の関係者に迫る連続殺人の恐怖を描く、話題のサスペンス。
マイアミ市警の女刑事バレンのもとに悲報が届いたのは、深夜だった。最愛の姪スーザンが惨殺されたのだ。犯行手口は女子学生ばかり狙う連続殺人犯のものと一致する。警察は以前からマークしていたアラブ人学生宅で動かぬ証拠を発見、男も一連の凶行を認めた。だがバレンは、残された犯人の唾液に飲酒の形跡があったことを思い出した。イスラム教は飲酒を禁じているー真犯人は別にいるのだ。彼女は単独捜査を開始した
報道カメラマンの顔の下に殺人の衝動を秘めた男、ダグラス・ジェファーズ。彼は、罪もない女子学生アンを記録役にして、かつて自分が殺人を犯した場所を再訪する旅を続けていた。一方バレン刑事は、ジェファーズの弟である精神科医マーティンを訪ね、協力を求めるが…。姪の復讐を誓う女刑事、兄を自首させようとする精神科医、凶行の総決算を目論む殺人者、彼の虜となった女子学生ー大陸を縦断する追跡劇の結末は。
精神科医ケイレブの患者が謎の死を遂げた。警察は自殺と発表するが、そんなはずはないと直観した彼は、独自に調査をはじめる。一方、捜査にあたったシネス刑事はじつはケイレブに殺人の容疑をかけていた。人間を犬型と猫型に分類し、超然と生きる精神科医と、たたき上げの実直な刑事。ふたりはいつしか立場を超えて理解しあうが、時すでに遅く、第二の殺人が…マリス・ドメスティック・コンテスト最優秀作に輝く話題作。
心理療法士アランとダイアンの診療所が拳銃を持った男に押し入られ、患者クレアが射殺された。つづいて彼女と同じ大陪審の証人ローレンスが不審な爆発で死亡してしまった。アランは事件の調査をはじめるが、真相の究明もままならないうちに、こんどは診療所に泥棒が入り、カルテや本棚などが荒らされた。やがて、アランとダイアンの身辺に危険な出来事が起こりはじめる…『凍りついた告白』につづく精神医学サスペンス。
あたしの名前はエヴァ・ワイリー。新米の女子プロレスラーだ。ブスで大女だからとうぜん悪役だけど、プロレスが大好きだから文句はない。ふだんは自動車置場の整備員や、ミスタ・チェンていうちょっとヤバそうな実業家の使い走りをしている。トラブルに巻きこまれたのは、ミスタ・チェンのお使い先のクラブでガードマンのアルバイトを引き受けたりしたからだ。新しいバンドの出演で客が大勢いるところへ、警察の手入れがあるわ、どこかの馬鹿が催涙ガスを投げこむわで、クラブは大混乱。騒ぎのなかからバックコーラスの若い娘を救いだしたのまではよかったけれど、それからというもの、変な奴らにつきまとわれたり生命を狙われたり。どうやらクラブで救った娘が原因らしいんだけど…。タフな外見の下にやさしさを隠しもつ女子プロレスラーが、つぎつぎ襲いくる悪党どもから若い娘を守ろうと、孤軍奮闘の大活躍。英国推理作家協会賞受賞作。
心理療法士アランの治療していた患者カレンが自殺した。ある日、彼は新聞を見て愕然とする。自分と彼女の性的関係を示唆する事実無根の記事が載っていたのだ。身の証を立てるにはカレンの診療記録が必要だが、医師の守秘義務のためそれは公開できない。そんな折、女性患者二人が次々と奇怪な死を遂げる。患者の中に犯人がいると考えたアランは調査を開始するが、危険は彼の身辺に迫っていた。新鋭の精神医学サスペンス。
後悔なんかしていない。その気持ちに嘘はなかった。夫のもとを去ったわたしは、今日からは恋人ピートの家で暮らし始めるのだ。ところが、そんな大切な日なのに殺人事件のニュースが飛びこんできた。さっそくわたしは取材に行ったが、やがてピートの前妻の再婚相手が容疑者として浮かび、事件は思わぬ展開を見せはじめた。前作から一年、記者クリスのその後と新たな事件を描く注目の第二弾。
パージェター夫人にとっては、拷問にもひとしい旅だった。ロンドンを発つ飛行機は遅れるし、パック旅行のメンバーときたら、つまらない冗談ばかりとばす男に、やかましい赤ん坊づれの家族、等々…。だが、それだけではすまなかった。目的地ギリシアの村に着くそうそう、一緒にパック旅行に参加していた親友ジョイスが一見自殺と思われる死をとげたのである。そもそも今回の旅行は、夫をなくしたばかりで落ち込んでいるジョイスを元気づけるのが目的で、酒びたりのジョイスは、いつ自殺してもおかしくはなかった。だが、手首を切るのに、手近にあるナイフを無視してわざわざウーゾの瓶を割り、その破片を使うだろうか?疑問を感じたパージェータ夫人は自殺説に固執する地元警察に対抗して独自の調査を開始した。人生をエンジョイする未亡人パージェター夫人が異国の地で起きた難事件に挑む、英国ミステリの好篇。
子供は手を離れたし、夫は今夜もクリケット。これまでは家事に追われてきたけれど、わたしも自分の生きがいを見つけなければー。一念発起した専業主婦のクリスは地元の新聞社に就職した。ところが仕事を始めて早々、取材先のホテルで男の首吊り死体を発見してしまい、彼女は思いがけない事件の渦中に…。等身大の主人公が直面する殺人事件とちょっぴり危険な恋をウィットたっぷりに描く、英国推理作家協会賞新人賞受賞作。
“少し話しませんか”-突然コンピュータ画面に現れる謎のメッセージ。それは殺人者の罠だった。パソコン通信で若い独身女性にアクセスし、次々と殺人を重ねながらまるで証拠を残さない犯人の正体とは?被害者の父に請われ、元刑事のハニガンは見えない犯人を追って調査を始めるが…。映画的カットバックを駆使して描く、ノンストップ・サスペンス。
パリに現われたロシア人の少年は医師たちを驚かせた。少年は驚異的な筋力と知力を備え、しかも急速に老化する遺伝病に冒されていて、わずか八歳なのに老人の顔をしていたからだ。どうしてこんな少年が生まれ、なぜ死をもたらす奇病に冒されたのか?謎に挑む生化学者マリガンと遺伝学者セヤンは、いつしか産軍複合体の非情な策謀に巻き込まれていくー。最先端の科学情報を駆使し、遺伝子工学の陥穽を描く医学スリラー。