著者 : 大沢在昌
映画産業が隆盛を誇る一方、ネットワークと呼ばれるテレビ産業が人々の生活を支配するようになった近未来、新東京。ネットワークで、視聴率のために殺人予告が横行するなか、引退した私立探偵のヨヨギ・ケンはかつての友人の依頼を受け、東京に舞い戻る。予告された殺人は仕組まれた陰謀なのか?パンドラの匣を開けたケンを容赦ない運命が待ち受ける。深まる謎、鮮烈なアクション。一気読み冒険エンターテインメント!
近未来の東京。急増した身寄りのない少年たちは「ホープレス・チャイルド」と呼ばれ、彼らが巣食う東新宿はスラムと化した。「B・D・T」と呼ばれるようになった無法の街で、私立探偵ヨヨギ・ケンが依頼された仕事は失踪したホープレス出身の女性歌手の捜索だったー。彼女の足跡を追うケンの行く手に立ち塞がる、謎の殺し屋たち。やがてケンの前に、巨大な組織が正体を現す。圧倒的なスピード感で描く、冒険アクション!
ドラッグとして日本の若者に流れた『ナイトメア90』。それは米軍が極秘に開発した、人間の戦闘能力を極限まで高める新薬だった。しかしその薬にはある作用が。服用すると人ならざる姿に変態してしまうのだ。薬を巡り工作員が暗躍するなか、フリーランスの軍事顧問・牧原は当局から事態収拾の依頼を受け、情報収集のために高校に教師として潜入する。しかし、「悪夢」はすでに牧原のすぐそこにまで迫っていた…。
闇に葬られた三年前の組長誘拐事件。身代金は八千万円。身代金をうけとった李は、事件から間もなく、白骨となって東京湾に浮かんだという。李の恋人Kの調査をはじめた裏の探偵・木。謎の女Kは、恋人を殺しカネを独り占めした悪女なのか、それとも、亡き恋人を今も思いつづける聖女なのか!?逆転、また逆転、手に汗を握る長編ミステリー!
北海道の麻薬取締官・大塚に、ロシアマフィアとやくざの取引の情報が入る。現場をおさえブツを押収するが、運び屋のロシア人は銃弾を体に受けながら警官2名を素手で殺害、逃亡してしまう。あり得ない現実に新種の薬物の存在が疑われるなか、男が1枚の絵を抱えていたことがわかる。不審に思った大塚はロシア人ホステス・ジャンナの力を借り、それが封印されていたイコン(聖人の肖像)であることを突き止めるがー。
イコンに描かれていた「カシアン」は、聖人でありながら、心に強い憎しみを抱えた人間にとりついて欲望を満たす力を与える「魔物」だという。その伝説ゆえ、100年にわたって封じられてきたのだ。とりつく相手を変えながら東京に向かうカシアン。そこで乗り移った相手は、大塚がかつて恐怖を感じ、憎しみを抱いた因縁の男、飯田だった。カシアンを止めるため、大塚は心の奥底に澱んでいた過去の傷と対峙することを決意する。
警視庁捜査一課の“お荷物”志麻由子は、連続殺人犯の捜査中に、何者かに首を絞められ気を失う。目覚めたのは異次元の「光和26年のアジア連邦・日本本共和国・東京市」だった。もう一人の自分は異例の出世をした“東京市警のエリート警視”。闇組織からは命を狙われ、警察内部でも汚職警官の摘発など、非情な捜査方法が非難を浴び、孤立無援であることを知る。戸惑いながらも彼女は、“エリート警視・志麻由子”となって捜査を継続するしか方法がなかった…。
特殊能力を活かし、裏のコンサルタントとして生きる女・水原は、旧知の湯浅に堂上という男の調査を依頼される。実は堂上の正体は新種の頂点捕食者ー人のエネルギーを摂取して生きるーであることが判明し、さらに中国で要人暗殺に係わった頂捕が日本に潜入しているという。そんな折、水原と接触した堂上が行方を絶つ。
水原は、自分の存在意義や能力を知らされた中国人の頂点捕食者が、ある目的をもって日本にやってきたと推測する。彼らの参謀は誰か、そして目的とはー。堂上は殺され、水原は中国人頂捕たちの行方を追うが、逆に中国安全部に拉致される。その裏では、国家的な陰謀が蠢いていた。「魔女」シリーズ第3弾。
二〇二二年、雪と氷に閉ざされた北方領土の離島。日中露合弁のレアアース生産会社「オロテック」で働く日本人技術者が、死体となって発見された。凍てつく海岸に横たわる体。何者かに抉りとられていた両目。捜査権がなく、武器も持てない土地に送り込まれたのは、ロシア系クォーターで中国語とロシア語が堪能な警視庁の石上だった。元KGBの施設長、美貌の女医、国境警備隊の若き将校、ナイトクラブのボス…敵か、味方か?信じられるのは、いったい誰だ?日中露三ヵ国の思惑が交錯し、人間たちの欲望が渦を巻く!
妻に去られ職も失った64歳の尾津君男の元に、一本の電話がかかってきた。水川と名乗る青年は、恐るべき機能の故に秘されたソフトウェア「ヒミコ」の「鍵」が、尾津と佐藤かおるという女性に預けられたという。一笑に付した尾津だが、水川が謎の自殺を遂げたことで、かおるを捜すべく動きだす。ヒミコを巡って対立する2つの組織の間で翻弄されながら、培った交渉術を武器に立ち上がるがー。一気読み必至、極限サスペンス!
組織人としての苦悩を抱えながらも、ひとたび事件が起これば矜持を胸に執念の捜査で犯人を追い詰めていく。鮫島警部、黒マメコンビ、相良刑事、庄司部長刑事、朝霧警部、加賀美捜査一課長といった名刑事たちの活躍を、たっぷりお楽しみあれー。歴史ある日本推理作家協会賞を受賞し、ミステリー界が誇る作家六名による、珠玉作短編集シリーズ第七弾。
裏社会の大物を祖父に持つ俺は、ヤンチャが過ぎた代償に、奇妙なマンションに管理人助手として送り込まれる。そこは武器でも毒物でも持ち込み自由、死体が出たら管理人が処分するという、入居者全員極悪人のマンションだった!命がけで業務をこなし、俺はシャバに戻れるのか?ノワール×コメディの怪作。
謎の人体発火は呪殺!?本名、年齢不詳。凄腕のボディガード・キリ。警護を依頼されたニュージーランド在住のフィッシングガイドが目前で爆死した。生前「自分は呪われている」という言葉を残して。謎のフィクサー・睦月の依頼でキリは事件の真相を追うことになるが…。
恋人を交通事故で失ったシンガーソングライターの堀河優美。恋人の国夫は深夜の首都高速で大型トレーラーと接触、車はそのまま逃亡した。遺品の中から「SHADOW GAME」というタイルの楽譜を見つけた優美は、音楽活動再開にあたり、この曲を使うことを決めた。だが国夫の足跡を辿るうち、彼に楽譜を渡した人物も謎の事故死を遂げていたことを知る。この楽譜に何が隠されているのか?
「めぐりあい」をキーワードに編まれた短編アンソロジー。人と人とが出会うときに生まれる、ときに感動的な、ときに意外な、ときに不思議なドラマを、作品の数だけ味わえます。これまで触れたことのなかった作家や、好きな作家のまだ見ぬ名品との「めぐりあい」が、この本にあるはず。ふだん本をあまり読まない方は日本の文学の底力を感じ、読書好きはきっと納得。自信を持ってお届けする13編。
新宿のキャバクラで、不動産会社の社長が射殺された。捜査本部に駆り出された新宿署の佐江が組まされたのは、警視庁捜査一課の谷神。短髪を七三に分け、どこか人を寄せつけない雰囲気をもつ細身の谷神との捜査は、やがて事件の背後に日本最大の暴力団・高河連合が潜むことを突き止める。高河連合の狙いとは何か?人気シリーズ、待望の第四弾!
佐江と谷神は高河連合が推し進める驚くべき開発事業の存在を暴き出した。だが、ヒットマンらしき男に命を狙われる佐江。死をも覚悟したその時、ライダースーツ姿の謎の人物が殺し屋の前に立ちはだかった…。高河連合の「Kプロジェクト」とは何か?佐江の「守護神」とは誰なのか?白熱のエンターテインメント巨編、圧巻の大団円!