著者 : 宮部みゆき
ひとつの嘘があった。柏木卓也の死の真相を知る者が、どうしてもつかなければならなかった嘘。最後の証人、その偽証が明らかになるとき、裁判の風景は根底から覆されるーー。藤野涼子が辿りついた真実。三宅樹理の叫び。法廷が告げる真犯人。作家生活25年の集大成にして、現代ミステリーの最高峰、堂々の完結。20年後の“偽証”事件を描く、書き下ろし中編「負の方程式」を収録。
あたしたちで真相をつかもうよーー。二人の同級生の死。マスコミによる偏向報道。当事者の生徒たちを差し置いて、ただ事態の収束だけを目指す大人。結局、柏井卓也はなぜ死んだのか。なにもわからないままでは、あたしたちは前に進めない。そんな藤野涼子の呼びかけで、中学三年生有志による「学校内裁判」が幕を上げる。求めるはただ一つ、柏木卓也の死の真実。
遂に動き出した「学校内裁判」。検事となった藤野涼子は、大出俊次の“殺人”を立証するため、関係者への聴取に奔走する。一方、弁護を担当する他校生、神原和彦は鮮やかな手腕で証言、証拠を集め、無罪獲得に向けた布石を着々と打っていく。明らかになる柏木卓也の素顔。繰り広げられる検事と弁護人の熱戦。そして、告発状を書いた少女が遂に……。夏。開廷の日は近い。
長靴の戦士ピノとピピが迷い込んだのは、三角錐の頭をした人々が支配する、怖いような怖くないようなホラーゲームのボツの世界!村を脱出した二人が向かうのは、住民がすべて偽者になっている街。大人気“ユルユル系”PRGファンタジー!第4巻もホラーからSFまで、禁断と掟破りのてんこ盛り!巻末ふろく・宮部みゆきのトリセツに逆インタビュー!
クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か、自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行”を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まったーー。ひとつの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意。それに抗し、真実を求める生徒たちを描いた、現代ミステリーの最高峰。
もう一度、事件を調べてください。柏木君を突き落としたのはーー。告発状を報じたHBSの報道番組は、厄災の箱を開いた。止まぬ疑心暗鬼。連鎖する悪意。そして、同級生がまた一人、命を落とす。拡大する事件を前に、術なく屈していく大人達に対し、捜査一課の刑事を父に持つ藤野涼子は、級友の死の真相を知るため、ある決断を下す。それは「学校内裁判」という伝説の始まりだった。
おりんの両親が江戸深川に開いた料理屋「ふね屋」に、抜き身の刀が現れ、暴れ出す。成仏できずにいる亡者・おどろ髪の仕業だった。その姿を見ることができたのは、おりんただ一人。しかもこの屋敷には、おどろ髪以外にも亡者が住み着いていた。▼「あたしは見た。はっきり見たのにーー。だけど、みんなには見えなかった」。あまりの不思議な出来事に衝撃を受けたおりんが、屋敷にまつわる因縁の糸を解きほぐしていくと、三十年前の忌まわしい事件が浮かび上がり…。▼人間の心に巣食う闇を見つめながら成長していくおりんの健気さが胸に迫る。怖く、切なく、心に沁みる、宮部ワールド全開の物語。▼解説は、女優で作家の中江有里氏。巻末に、物語に登場する「ふね屋」の宴席料理のレシピがつく。
月光の下、影踏みをして遊ぶ子どもたちのなかにぽつんと女の子の影が。影の正体とその因縁とは。「ぼんくら」シリーズの政五郎親分とおでこの活躍する表題作をはじめ、全6編のあやしの世界。『ばんば憑き』改題。
日本屈指の本の目利き二人が、古今東西から読まずにはいられない傑作短篇を持ち寄ったアンソロジー。静かに胸をうつ話から、身の毛もよだつ話まで、厳選した18の名短篇。北村・宮部の解説対談収録。
事件の予兆と、恋の予感。これが宮部みゆきの世界ーーー。死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。甦った人物が以前より若返っていると感じた「姉妹屋」のお初は、老奉行の御前さまから紹介された与力見習の右京之介と探索を始めた。だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。人は過去にも家族にも縛られる。霊験お初シリーズ第一弾。 事件の予兆と、恋の予感。 人は狡いし、汚い。だけど優しくて、美しい。 これが宮部みゆきの世界。 「霊験お初」シリーズ第一弾! 死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。甦った人物が以前より若返っていると感じた「姉妹屋」のお初は、老奉行の御前さまから紹介された与力見習の右京之介と探索を始めた。だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。人は過去にも家族にも縛られる。霊験お初シリーズ第一弾。
本所の蕎麦屋に、正月四日、毎年のように来る客。彼の腕にはある彫りものが……/「正月四日の客」池波正太郎ほか、宮部みゆき、松本清張など人気作家がそろい踏み!冬がテーマの時代小説アンソロジー。
ーーこの写真には謎がある。 人の本音はときどき、思いがけない形で姿を見せるから。 家族とともに古い写眞館付き住居に引っ越ししてきた高校生の花菱英一。変わった新居に戸惑う彼に、一枚の写真が持ち込まれる。それはあり得ない場所に女性の顔が浮かぶ心霊写真だった。不動産屋の事務員、垣本順子に見せると「幽霊(そのひと)」は泣いていると言う。謎を解くことになった英一は。待望の現代ミステリー。
ーー今だから、言えるんだ。 ふたをしてきた家族の過去。それに向き合う時がくる。 人の想いは思いもかけない場所に現れることがある。たとえば写真とか。英一の小学生の弟、光(ピカ)の様子がおかしい。友人のテンコによれば、彼は写眞館の元主(もとあるじ)、小暮さんの幽霊に会いたいのだという。そして垣本順子、英一と家族、各々が封印してきた過去が明らかになる。読書の喜びがここにある。感動の結末へ。
ボツの世界「ボツコニアン」では、三国志も二軍!?おなじみ三国志のメンバーに、小説やゲームで軽視されがちなキャラたち、そしてなぜか怪獣やロボットも入り乱れる、誰も見たことのない「赤壁バトル」!!脱力系ファンタジー、シリーズ最高潮!!
新作3篇をひっさげて、茂七親分が帰ってきた! 茂七とは、手下の糸吉、権三とともに江戸の下町で起こる難事件に立ち向かう岡っ引き。▼謎の稲荷寿司屋、超能力をもつ拝み屋の少年など、気になる登場人物も目白押し。鰹、白魚、柿、菜の花など、季節を彩る「初もの」を巧みに織り込んだ物語は、ときに妖しく、哀しく、優しく艶やかに人々の心に忍び寄る。▼ミヤベ・ワールド全開の人情捕物ばなし。
不思議で切ない「三島屋」シリーズ、待望の第三巻 江戸は神田。叔父の三島屋へ行儀見習いとして身を寄せるおちかは、叔父の提案で百物語を聞き集めるが。人気時代小説、待望の第三巻。
清張さんは自身を素材に小説を書くことはなかったのか。……ありました。本巻に集めた作品は、その代表的なものですーー宮部みゆき。巨匠、社会派、コワモテ。「作家・松本清張」のイメージとはひと味違う、「人間・松本清張」の素顔。残酷で衝撃的な結末が用意された「月」、新聞記者による書簡体サスペンス「暗線」ほか、私小説的でありながらも謎と仕掛けに満ちた十二編を収録。
舞台は江戸深川。主人公は、22歳の古橋笙之介。上総国搗根藩で小納戸役を仰せつかる古橋家の次男坊。大好きだった父が賄賂を受け取った疑いをかけられて自刃。兄が蟄居の身となったため、江戸へやって来た笙之介は、父の汚名をそそぎたい、という思いを胸に秘め、深川の富勘長屋に住み、写本の仕事で生計をたてながら事件の真相究明にあたる。父の自刃には搗根藩の御家騒動がからんでいた。▼ミステリアスな事件が次々と起きるなか、傷ついた笙之介は思いを遂げることができるのか。「家族は万能薬ではありません」と語る著者が用意した思いがけない結末とは。▼厳しい現実を心の奥底にしまい、貸本屋・治兵衛が持ってきたくれた仕事に目を開かれ、「桜の精」との淡い恋にやきもきする笙之介の姿が微笑ましく、思わず応援したくなる人も多いはず。▼人生の切なさ、ほろ苦さ、そして長屋の人々の温かさが心に沁みる物語。ストーリーテラー・宮部みゆきの新境地!
17歳のおちかは、実家で起きたある事件をきっかけに心を閉ざした。今は江戸で袋物屋・三島屋を営む叔父夫婦の元で暮らしている。三島屋を訪れる人々の不思議話がおちかの心を溶かし始める。百物語、開幕!