著者 : 富田美智子
純潔を捧げたのは、本気だったから。 でも本気なのは、わたしだけだった。 “永遠に君を愛する”--繰り返される口づけ。18歳の切ない誓い。 義兄ジェイクと結ばれたジェイミーは幸せの輝きに包まれていた。 だがその日、ジェイクがほかの女性と抱きあう姿を見て、 彼女はすべてに絶望し、無言のまま家を去ったのだった。 6年がたち、義兄との思いもよらぬ突然の再会が、 あの日の苦痛よりはるかに酷な傷をジェイミーに刻みつけた。 すでに婚約者がいる、大企業社長となったジェイクが唇を歪め、 辛辣な言葉を浴びせてきたのだ。「あれから何人の男を知ったんだ?」 ああ、なぜそんなことを。わたしは……あなたしか知らないのに。 ジェイミーは心の中でつぶやき、胸に巣くう孤独感にもだえた。 波瀾万丈の展開を圧巻の筆力で描く大スター作家による、血のつながらない兄と妹の切ない恋物語です。再会後、ジェイクの情熱的なキスに応えてしまったジェイミーは、求め求められることを望んでいる自分に気づきますが、彼の非情な言葉に心の傷をえぐられ……。
捨てられたのに、愛してる。 嫌いになりたいのに、愛してる。 ジェニスがこの世でいちばん会いたくない男性、ルーク・ラスビー。 8年前、外科医のルークはジェニスと婚約していながら、 突然一方的に婚約を解消してほかの女性と結婚してしまったのだ。 いま故郷に戻り、親友の結婚式に出席したジェニスは、 目を疑うような光景に出合い、胸がつぶれそうになったーー 昔と変わらぬ、黒髪に深い緑色の美しい瞳をしたルーク。 あのとき結婚した妻を失い、かわいらしい幼い娘を連れている……。 ルークと別れて8年も経つのにジェニスにいまだ恋人がいないのは、 じつは、いまもまだ彼を忘れられないから。愛しているから。 その事実がつらくて、その場を逃げようとするジェニスだったが……。 心は純粋なのに素直になれないヒロインを描き、共感を誘う名作家ペニー・ジョーダン。本作でもルークへの愛の深さと、失恋の深手ゆえ、8年も立ち止まったままのジェニスの切ない心情が巧みに描かれます。そしてやがて明かされる、ルークの結婚の真相とはーー?
こんなにも胸が切ないなんてーー 恋をしても。恋をあきらめても。 ヨットで航海中に父が急逝し、天涯孤独になった18歳のクレシダ。 ただひとり気丈に荒波と闘う彼女を救ったのは、 目をみはるほどの美貌とたくましさを併せ持つ大人の男性ルークだった。 ためらいもせず救助船から海に飛び込んで助けてくれた彼はまさに、 クレシダのヒーロー、そして密かに想いを寄せる初恋の人となった。 その後、裕福なルークに引き取られたクレシダは、 これはたんなる思春期の恋心にすぎないと自分に言い聞かせた。 けれど、ルークとヨットで出かけて嵐に見舞われた夜、 島陰で急接近したふたりは、ついに結ばれるーー 家に帰れば、ルークと親しくしている美女が、 妊娠の知らせを持って待っているなど夢にも思わずに……。 ルークに身を投げかけた美女がもたらした衝撃告白。失意のクレシダはその夜のうちにルークの家を出るのでした。ハーレクイン黎明期から活躍した名作家ロビン・ドナルドのクラシックな年の差ロマンスをお贈りします。うら若きヒロインの切ない初恋の行方は?
妹の忘れ形見を守るために、 冷たい富豪に仕えるしかなくて……。 ケリーンの18歳になる妹が亡くなった── 生まれたばかりの我が子の父親の名を言い残して。 富も名声も手に入れた著名人、トリスタン・ロスが父親だなんて! つい最近まで、妹はトリスタンの秘書として働いていた。 妹の訃報を知っているはずなのに、連絡ひとつよこさない男。 ケリーンの胸に怒りがふつふつと沸きあがった。 矢も楯もたまらず、ケリーンはトリスタンの邸宅を訪ねるが、 驚いたことに、彼は即座に子どもの父親ではないと断言したうえで、 聞くに堪えない妹への侮辱の言葉を並べたてた。 ケリーンは衝撃に打ちのめされた。いったい何が真実なの? トリスタンは赤ん坊を自分の子とは認めないながらも、ケリーンが住み込みの秘書になるなら、彼の家に赤ん坊を連れてきてもいいと言います。甥と一緒にいるにはほかに道はないと考えたケリーンは、妹のように弄ばれるのではと怖れながらもその提案を受け入れ……。
地味で内気な私だけれど、 あなたの愛人になれますか? 小さな村の学校で事務員を務めるマーシーは、 親友の結婚式で誤ってお酒の入ったジュースを飲み、気絶する。 気づいたときには自分の部屋にいて、隣には男性が寝ていた。 彼は……結婚式で会った、会社経営をしているというクロフト! そこへ間の悪いことに、心配した知人が訪ねてきた。 二人の噂は小さな村であっという間に広まってしまい、 マーシーは貞操観念の強い家主から部屋を追われてしまう。 行き場をなくした彼女に、クロフトは僕の別荘に来いと言った。 あの夜二人に何があったかきけないまま、マーシーは頷き……。 ジェシカ・スティールは、HQロマンスとイマージュで長く活躍した大御所作家。うぶでけなげなヒロインと、無口で強引なヒーローのクラシックな作風が人気です。来月はエマ・ダーシーの『愛を望まない恋人』。失読症のヒロインが予期せぬ妊娠をしてしまい……。
ギリシア富豪の甘く技巧的なキスーー つい演技だと忘れ、溺れそうになる。 モデルのレクシーは、深刻な悩みを抱えていた。 根も葉もない嘘が書かれた暴露本を出すと脅されているのだ。 レクシーは兄の助言に従い、偽の婚約者を仕立てることにした。 世間の目を、華やかなラブストーリーに向けさせるのだ。 だが、兄に引き合わされた実業家のゲオルグ・ニコラオスは、 自信たっぷりで強引で、レクシーの最も苦手なタイプだった。 あの魅惑的な瞳とセクシーな唇に抗える女性はいないだろう。 彼を相手に、情熱的な恋人の役を演じるなんて……。 激しい戸惑いと裏腹に、レクシーの背筋は甘く震えた。 トップ作家として長いキャリアを誇るH・ビアンチンの名作です。世慣れたギリシア富豪のキスや抱擁に、演技だとわかっていても全身が喜びに震えてしまい……。
もう引き返せない。たとえこの結婚が、 愚かだったと思い知ることになっても。 かつて、ローラはみじめな思春期を過ごした。 当時、顔の吹き出物のせいで、誰も友達になってくれなかったのだ。 だから、遥か昔に母が“落伍者”と決めつけて離婚した実の父に同情し、 画家だった父が遺した一枚の絵に、深い感慨をそそられたーー 落日を背に、苦悩に満ちた表情を浮かべる美しい女が描かれている。 ある日、その絵を途方もない高値で買いたいという男が現れた。 ダイアモンド鉱山を所有する若き億万長者、ジャレッド・イースタン。 長身でたくましく、周囲を圧倒するようなその存在感に、心が乱される。 だが父の形見は売れないと断るローラに、彼は驚くべき申し出をした! “この絵といつも一緒にいたいなら、ぼくの妻になればいい”と。 ハーレクイン・イマージュ〜至福の名作選〜に、名筆エマ・ダーシーが登場。“第一級の面白さ”と翻訳者がメモを残したほどの珠玉作をお贈りします。結婚式当日、ローラはジャレッドの母ナオミが、絵の中の美女であることに気づき……。
世界でただ一人愛した男性ーー それは遠い昔別れた、愛娘の父親。 18歳のとき、レイシーの幸せな結婚生活はあえなく破綻した。 以来、富豪の元夫ルイスとは一度も顔を合わせていないのに、 これほど長い月日が流れても、いまだに彼の夢を見てしまう。 あの情熱の夜を生々しく再現する、甘美な夢を。 “もう愛していない”と、突然離婚を言い渡して家を出た彼は、 私が赤ちゃんを授かったとは知るよしもない。 なのにそのルイスが今、再び目の前に現れるなんて……。 「ジェシカはぼくの娘だね?」かつて冷たく自分を捨てた、 忘れえぬ元夫の問いかけに、レイシーは凍りついた。 HQロマンスが誇る数々の逸作を厳選!“伝説の名作選”第1弾を飾るのは、イギリスが生んだロマンスの女王ペニー・ジョーダンです。孤独な魂を抱えた男女が長い時を越えてもう一度結ばれる、切ないシークレットベビー物語をご堪能ください。
レイチェルは18歳のとき、父の借金の形として、マルカムという親子ほど年の離れた腹黒い男に泣く泣く嫁いだ。牢獄のような暮らしが始まって3年がたったある日のこと、マルティネス侯爵と名乗る魅力的な男性が突然訪ねてくる。彼の母と旧知の仲であるマルカムに侯爵邸で静養してもらうため、わざわざポルトガルから迎えにやってきたという。だが、レイチェルが妻だと知った侯爵は、なぜか顔色を変えた。どうしてそんな軽蔑のまなざしで私を見るの?底知れぬ不安を抱え、彼女は病弱の夫につき添って旅立った。
教師のレイナは休暇で訪れた南の島で、海賊を思わせる老人と出会った。 聞けば、島の半分は老人の、もう半分は大富豪トールのもので、 トールは再三、島をすべて売り渡すよう老人に迫ってくるという。 大事な島を、虎の目を持つ“悪党富豪”にみすみす渡したくはないと、 老人は自分の死後に所有権をレイナに移すよう手配りして逝った。 後日、その事情を知ったレイナが戸惑っているところへ、 さっそくトールから島を売るよう迫る手紙が送りつけられる。 あのご老人の気持ちを考えれば、絶対に手放すわけにはいかないわ! だが島を再訪したとき、トールの豪華な別荘へ招かれ、レイナは震えた。 美しき悪魔と二人きり。身も心も、無事で帰れる気がしなくて……。 大スター作家リン・グレアムが愛読してきたと公言する作家、アン・ハンプソンの秀作をお贈りします。風光明媚な島、そして冷酷だが底知れぬ魅力を持つ大富豪に魅了され、運悪く帰りの船を逃してしまったレイナ。つれないトールの手を借りざるをえなくなり……。
12歳のとき、マーリンは父を亡くし、大富豪スタンホープ一族に引き取られた。15歳のとき、その子息ブレイズにキスをされて、愛し合うようになった。そして17歳のとき、彼への想いは無残に打ち砕かれたのだ。ブレイズのいとこに、泥棒の濡れ衣を着せられたうえに、マーリンと関係があったと嘘をつかれ、それがブレイズの逆鱗に触れた。ただの一言も信じてくれず、執拗に苛まれる苦痛に耐えかねて、マーリンは彼から逃げ出した。身ごもっているとブレイズに告げられないまま…。
永遠に君を愛するー繰り返される口づけ。18歳の切ない誓い。義兄ジェイクと結ばれたジェイミーは輝きのなかにいた。だが、その日、義兄がほかの女性と抱きあう姿を見て、少女はすべてに絶望し、無言のまま家を去ったのだ。それから6年がたち、思いもよらぬ義兄との突然の再会が、あの日の苦痛よりもっと酷な傷をジェイミーに刻みつけた。既に婚約者がいる、大企業の社長となった義兄が唇を歪め、辛辣な言葉を浴びせたのだ。あれから何人の男を知った、と。あなたしか知らないわ…ジェイミーは寂しい心でつぶやいた。
大企業に重役の秘書として派遣されたトリシアは、 オフィスに入った瞬間、息をのんだ。リー・スミスーー 3年前、ふたりは休暇中の豪華客船で、熱く燃え上がる3日間を過ごした。 だが彼は、トリシアをーーエマという偽名を使い、 自由奔放なブロンド娘を演じていた彼女のことを、覚えてはいなかった。 短い恋が胸に深い傷を残して終わりを告げて以来、 トリシアは二度と恋などしないと心に誓い、仕事に打ち込んできた。 それなのに、まさかこんなところで彼とまた会うなんて! リーは淡々とトリシアに翌週の出張旅行への同行を命じてきたが、 やがて彼女が何者かに気づくと……。 再会をテーマに〈忘れえぬ記憶〉と銘打ちお贈りする企画第2弾は、ドラマチックなストーリーで人気のケイ・ソープ。ボス&秘書のスリリングな恋物語をお楽しみください。
またあの人だわ……。図書館司書のフェインは密かに胸を躍らせた。今朝、花屋の店先で偶然出会った、目も覚めるようなハンサムな男性。貸し出しカードの名前は……バーク・ハーディング!経済界に彗星のごとく現れた気鋭の実業家が本を借りに来たの?そして数日後、フェインはバークからデートに誘われ、1カ月後にはプロポーズを受けていた。豪奢な新居の鍵とともに。友人からは羨ましがられ、家族も手放しで祝福しているというのに、フェインは胸の奥に巣くう微かな不安を払うことができなかった。なぜ、バークは私に“愛している”と言ってくれな