著者 : 山本やよい
過去をなくした美貌の貴公子を巡る、 煌びやかなダイナミック・リージェンシー! アマンダは見慣れない部屋のベッドで目を覚ました。 隣には緑色の瞳をした長身の見知らぬ男性が横たわっている。 うっとりするほどハンサムなその男性は笑みを浮かべ、 こちらに身を乗りだしてきたーー。いったい、何が起こったの? アマンダはびっくりしてベッドから落ちた瞬間、すべてを悟った。 この美しい男性と乗り合わせた馬車が横倒しになって 地面に激突したとき、彼はわたしを抱き締めてくれていた……。 大変! そのまま気絶したわたしたちは、夫婦と勘違いされたのだわ。 評判に傷がつくことを恐れ、アマンダは男性の妻を装い、 宿を出ようとした。ところがーー彼は記憶喪失に陥っていたのだ! Jと刻まれた金の指輪をはめた、優美な物腰の男性をジェイと名づけ、仕事を見つけてあげたヒロイン。ある日ジェイは、彼女に劣情を抱く男が襲いかかり間一髪のところを助けようとして頭を殴られた拍子に記憶を取り戻しますがーーその正体は驚くべきものでした!
1926年12月3日、『アクロイド殺し』などで注目を集める気鋭の作家アガサ・クリスティーが失踪した。ときにアガサ、36歳。最愛の母親を亡くし、夫のアーチーは年若い下流階級の娘ナンと愛人関係にあって、ひどく落ち込んでいたという。そして失踪当日の朝、離婚を切り出した夫と大喧嘩をしたアガサは、夫と幼い娘テディの乳母に手紙を残して、煙のように姿を消した。捜索には延べ数千人の警官が動員されたが、アガサは一向に見つらず、夫による殺害と遺体遺棄まで疑われたー11日後、ホテル滞在中に発見されるまでは。一方、アガサからアーチーを略奪したナンは、ある秘密を抱えていた…不可解な失踪のあいだ、アガサとナンに何が起こったのか?世界で最も有名ナミステリ作家の実際の失踪事件をもとに描かれた衝撃のサスペンス。
公爵夫人のコンパニオンを務めるクロエ。夫人が孫のベリック伯爵に結婚するよう説得しているところに偶然居合わせ、伯爵が乗り気でないことを知る。彼は戦場での経験から心を閉ざしていて……愛の癒しを描く《サバイバーズ・クラブ》第5弾!
イスラエル諜報機関と英国MI6の極秘作戦がリークされたー。西側の貴重な情報源だったロシア人工作員が英国へ亡命直前、暗殺されたのだ。組織内部に潜むロシアの二重スパイ“モグラ”をめぐり、MI6上層部にまで疑惑の目が向けられるなか、やがてガブリエルは敵の真の狙いに気づくが…。同じ頃、アンダルシアでは“赤い女”と呼ばれる老女が事件の鍵となる回想録を綴っていた。
“赤い女”の存在に行き着いたガブリエルはついに裏切り者の正体を知る。思いもよらぬ人物の後継者がロシアのスパイとして、西側情報機関の中枢に潜入していたのだ。冷戦時代の悪夢が蘇る危機的状況にMI6長官から事態収束を託されたガブリエルは、その背後にいる狡猾な敵を欺くべく、決死の一手を繰り出すー。クレムリン最深部で、ひそかに育まれた世紀を超えた策謀とは!?
仕事を辞め田舎暮らしを始めたミス・シートン。スケッチブックと傘を手に散歩をする毎日を気に入っていた。目下の悩みは、頼まれて描いている少女の肖像画が、何度描き直しても不吉な雰囲気になること。そんなふうに描きたくないのに・・・・・・一方、ロンドンでは子供ばかりを狙る事件が発生。捜査に行き詰った警察は少しでも手がかりになればとミス・シートンの力を借りようと決めた。しかし村では、ミス・シートンが逮捕されたといううわさが駆け巡ることになり!?
1959年英国。フローレンスには夢があった。それはこの海辺の町に本屋を開くこと。しかし時代はまだ事業を始めようとする女性に優しくなく、住人や町の権力者からは反対の声が。それでも本への情熱を胸に、フローレンスはついに“オールド・ハウス書店”を開店させるー。人と本との、心揺さぶる物語。
ロンドンで美術教師をしているミス・シートンは、名付け親が遺してくれた田舎のコテージでの休暇を楽しみにしていた。いよいよ出発という日の前の晩、女性に手を上げている男を見かけ、持っていた傘でみごとに撃退。ちらりと見えた男の似顔絵を描いて警察の捜査に協力した。この事件に新聞記者は、勇敢なヒロイン誕生と大喜び!「戦うこうもり傘」と名づけて大々的に記事にした。おかげでミス・シートンは初めて訪れた村でも有名人に。歓迎の品が玄関先に溢れたり、あれこれと噂が飛び交ったり、助けてほしいという少年が訪れたり、さらには逃走中の犯人がミス・シートンを狙ってこの村にやってきて…!?傘が導くミステリ。
アグネスは田舎のコテージで姉と二人、ひっそりと暮らしている。そんな日常が、親友の結婚祝いの席で、息をのむほど美しいポンソンビー子爵フラヴィアンからダンスを申し込まれてから一変した。 フラヴィアンは英仏戦争に出征した際に負った怪我の後遺症で、記憶と発話に障害がある。会った人のこともよく忘れてしまうのだが、アグネスのことはなぜか印象深く、忘れられなかった。 心をおしかくして生きてきた二人が出会い、互いをかけがえのない存在と思うようになっていくが、アグネスは心に素直にはなれない。それは、彼があまりに世慣れていることと、ときおり皮肉な笑みをうかべるせいでもあった。フラヴィアンはかつて信頼する人に裏切られて以来、厭世的にふるまう癖があったのだ。 ある日、フラヴィアンの古い知人ヴェルマが村を訪ねてきた。実は彼女はフラヴィアンの元婚約者で……
サマンサは家族の事情で長い間家から出ることなく生活をしていた。一大決心をして戸外に出たところで、馬にぶつかられそうになる。馬上の男性は心にも傷を抱えたナポレオン戦争の帰還兵ベネディクト。最悪な出会いをした二人だったが、少しずつ距離が縮まってゆく。そして二人でウェールズへと旅に出ることになるのだが、それは別れを前提とした約束の下の出発で・・・・・・傷ついた人々の救済を描く感動作。
ロンドン中心部で死者千名を超える無差別テロが発生。首謀者は、数カ月前にワシントンDCで大規模な爆破テロを起こしたISISの大物テロリストだった。MI6から秘密裏に協力を要請されたイスラエル諜報機関のトップ、ガブリエルは、あるフランス人実業家とテロリストの接点に注目し、姿なき敵をあぶりだすため、南仏プロヴァンスでCIA、フランス当局を巻き込んだ合同作戦を始動させるー。
作戦の標的はフランス人実業家の愛人で、元モデルのオリヴィア。ガブリエルは彼女に接近すべく南仏の社交界を舞台に大胆不敵なスパイゲームを仕掛け、テロリストがモロッコに潜伏していることを掴む。そんななか、モロッコの密輸船から化学兵器物質が見つかり、新たな攻撃の予感に各国が戦慄する。カサブランカ、サハラ砂漠…知略躍る攻防の果て、灼熱の地で惨劇の連鎖は食い止められるのか!?
傷ついた心の癒しと再生を描く《サバイバーズ・クラブ》第2巻!戦地で負傷して盲目になったダーリー子爵ヴィンセントを、家族は過保護なまでに気遣うが、同時に早く結婚させようと躍起になっていた。跡継ぎができなければ、爵位も財産もいずれ失うことになるからだ。生き方を指図されることに嫌気がさしたヴィンセントは家出を決意し、従者を一人だけ連れて、田舎にある自分が生まれた家に行く。村の人々はヴィンセントの帰省を歓迎する。 爵位を継いだ大金持ちのヴィンセントに自分の娘を嫁がせようと企むクラレンス夫妻は、悪だくみをするが、クラレンス家の居候で孤児のソフィアがヴィンセントを助けてくれた。しかし夫妻は激怒してソフィアを家から追い出してしまう。 責任を感じたヴィンセントはソフィアに求婚するのだが!?
傷ついた魂の癒しと再生を描く、メアリ・バログの新シリーズ〈サバイバーズ・クラブ〉始動! 初春のある日、トレンサム卿ヒューゴ・イームズはコーンウォールの海岸近くにあるスタンブルック公爵の屋敷で、年に一度の〈サバイバーズ・クラブ〉の集いの時間を楽しんでいた。〈サバイバーズ・クラブ〉はかつてナポレオン戦争をともに戦った元士官たちの集まりで、彼らは深い絆で結ばれていた。 朝食後に海岸へ散歩に出かけたヒューゴは、岩場で転倒して動けずにいた美しい貴婦人グウェンドレンを助ける。彼女は友人宅に滞在していたのだが、怪我が治るまで動かしてはならないという医者の指示により、運び込まれたスタンブルック邸に留まることになった。 軍隊では貴族と平民とのあいだに時として諍いがあったため、新興富裕層だが平民であるヒューゴは、貴族の女性など鼻持ちならないと思い込んでいた。それゆえ、はじめは反発しあっていた二人だったが、共に時間を過ごすうち、どうしようもなく惹かれ合ってゆき……。
パリで大規模な爆弾テロが発生。監視カメラは瀕死の人々を冷酷に撃ち殺す女の姿をとらえていた。実行犯は黒衣の未亡人と呼ばれるフランス出身の女ー西側に殺されたISIS戦闘員の恋人だった。さらにアムステルダムでも凄惨なテロが起き、この連続爆破事件で友人を失ったイスラエル諜報局のガブリエルはフランス当局と極秘に捜査を開始。やがて姿なき黒幕サラディンの存在が判明し…。
連続爆弾テロ事件の首謀者、ISISのサラディンに迫るため、ガブリエルは大胆不敵な策に打って出た。若きフランス系ユダヤ人の女医を“黒衣の未亡人”に仕立てラッカに潜入させたのだ。それまでの人生を消し去り、復讐に燃えるパレスチナ人となった女は、暗黒の地で斬首より恐ろしい選択を迫られる…。世界の諜報機関をも巻きこむ危険なミッションの先には、未曾有の惨劇が待ち受けていたー!