著者 : 山本翔子
お願い、嘘だと言って! わたしが次期国王の妻だなんて。 仕事で異国を訪れたアビーは、突如現れた盗賊団にさらわれた。 砂漠の真ん中で服を裂かれ、絶体絶命のピンチに陥る。 口々に喚く男たち。どうやら競りにかけられているらしい。 万事休すと諦めかけたとき、麗しい馬が駆けこんできた。 馬上には長衣姿の世にも美しい男性が。 ザインと名乗る彼が現れてすぐに、アビーは解放された。 この人は何者? どうやって盗賊と話をつけたの? 10カ月後、突然呼び出された彼女は驚愕の事実を告げられる。 ザインは一国の王位継承者で、あなたは彼の妻なのだ、と。 早急に妻が必要となったザインに“1年半だけ宮殿で夫婦のふりをしてほしい”と頼まれ、戸惑いながらも承諾したアビー。報われぬ愛と知りながら、あまりにも強烈な彼の魅力を前になすすべもなく純潔を捧げて……。甘く切ない魅惑のロマンスをご堪能ください。
生後まもなく盗まれた息子を捜したい。 その一心で、彼女は契約結婚に同意した。 雇い主の誕生日パーティに現れたゴージャスな紳士を見て、 家政婦のカーリは絶句した。スタヴロス! それは紛れもなく、先だって屋敷のプールの改修を手がけ、 甘いキスと抱擁で彼女をとりこにした修理工だった。 彼が世界的に有名な大富豪? じゃあいったいあれは……? 混乱するカーリに、スタヴロスはさらなる衝撃を与えた。 「ぼくと期限付きの結婚をして、ニューヨークに来てほしい」 愛のない結婚なんてまっぴらよ。でも、あの街には ひと目会いたい息子がいる──カーリは苦渋の決断をした。 悲しい秘密を抱えた家政婦カーリと、富も名声もすべてを手に入れたかに見える大富豪スタヴロス。便宜結婚から始まるせつないロマンスをお楽しみください。『シンデレラは二度傷つく』関連作!
私は500万ドルの契約花嫁。 愛を求めてはいけない。 カリブ海の島で慈善事業団の一員として働くエヴァは、 たった二度しか会ったことのない大富豪ダニエレから求婚され、 驚愕した。彼は臆面もなく、こう告げたのだ。 「妻が必要なんだ。交換条件として年500万ドルの寄付をする」 愛のない結婚。名ばかりの妻。ばかげているわ。 だが被災地の悲惨な現状に日々心を痛めているエヴァは、 悩んだ末、この申し出を受けることに決めた。 暮らし始めてすぐにダニエレとベッドをともにした彼女は、 思いがけない真実に気づいて動揺する……私は夫を愛している! 人気急上昇中のM・スマートが描く、契約結婚から始まるピュアな恋物語をお楽しみください。こちらは『十八歳の白き結婚』の関連作。名門一族ペレグリーニ家に巻き起こる愛憎劇のゆくえは……?
あの夜、天使を授けてくれた彼が 血も涙もない大富豪だったなんて。 「子供の父親が僕だと言い続けるなら、君を名誉毀損で訴える」 1年ぶりに会ったコルテスの瞳の冷たさに、エリンは凍りついた。 迷うことなく純潔を捧げた魅惑の恋人はどこへ行ったの? 私は彼への想いを胸に、必死に息子を産み育ててきたのに……。 相変わらず強烈な彼の魅力に心乱されるエリンをよそに、 コルテスはDNA鑑定で親子関係が証明されると 母子をプライベートジェットでスペインの屋敷へ連れ去った。 ひたむきに息子を愛するエリンの素顔を見ようともせず、 金目当ての俗悪な女と決めつけたまま。 大金と引き換えに息子を置いて去れという要求をエリンが拒絶すると、コルテスは結婚を迫ります。別人のように優しくなった彼とのめくるめく蜜月の果て、ある出来事を機に再び愛は壊れだして……。繊細かつドラマチックなシンデレラ・ロマンスをご堪能ください。
「弟を破滅させた君と、僕は結婚しようと考えている」義兄クルスの蔑むような眼差しに、トリニティは凍りついた。2年前、スペイン大富豪である彼のメイドだったトリニティは彼の異母弟リオから、息子たちの世話をしてくれと頼まれた。双子の惨状を見かねて自堕落なリオと便宜上の結婚をしたが、いま名ばかりの夫は急死し、彼女が双子の後見人となった。彼は私が弟をたぶらかしたと信じ、悪女を監視する気なのだ…。愛する双子を奪われたくない一心で、彼女はクルスに従った。千々な乱れる胸の奥で、彼への恋心をもてあましながら。
初めての目眩く一夜は 朝の光とともに悪夢と化した。 ゴールディは仕事の面接を受けた帰り道、路地で強盗に襲われた。 バッグを盗られ、ショックで呆然としていると、男性が通りかかった。 彼はゴールディの怪我を応急処置してくれたばかりか、 ガエル・アギラルと名乗り、仕事まで紹介してくれるという。 スペイン人の大富豪が、なぜ私なんかに優しくしてくれるの? ガエルのリムジンに乗り込んだときには、彼女はすでに彼に夢中で、 まるで魔法にかけられたかのように、純潔を差しだしてしまった。 だが翌朝、ガエルの姿は消えていた。枕元の1万ドルと引き替えに。 私は娼婦じゃないわ! 憤るゴールディは後日妊娠に気づき……。 R-3259『愛なき億万長者の嫉妬』関連作をお贈りします。前作ヒーローの異母弟ガエルもまた、愛を知らずに育ちました。ゴールディの妊娠を知って、ビジネスライクな提案をしますが……。
日々厳しい訓練を積む18歳のバレリーナ、アーニャの前に、初恋の人ローマンが現れた。燃えあがる情熱に身を任せ、純潔を捧げた彼女は、翌朝彼の姿がないことに気づいて絶望する。14年後、今やプリマとなったアーニャは、楽屋を訪ねて来たゴージャスな実業家の正体に気づいて固まった。ローマン!今ごろ私に何の用があるの?だが、冷たい態度とは裏腹にアーニャの心は乱れていた。ローマンが纏う、かつてはなかった秘密の匂いに煽られて。
リビーは父親に仕事を託され、経営コンサルタントで億万長者のダニールに会いに行く。養護施設で育ち、イギリスの名家の養子となった彼は、なぜか両親の結婚40周年記念パーティへの出席を拒んでいた。彼を説得し、パーティに参加させることがリビーの役目だった。ところが彼女はひと目でダニールに魅了され、一夜の誘いに応じてしまう。ちょうど夢を諦めたばかりで、新しい自分を見いだしたかったのかもしれない。その無邪気な思いつきが、のちに残酷な結末を招くとは、予想すらしなかった。
これは道ならぬ恋だったの?リリーは愕然とした。ずっと憧れていたベンと結ばれ、幸せいっぱいで迎えた朝、彼が別の女性と婚約したという記事を読んだのだ。ベン・ウォーレンダーは由緒ある領主館の跡取りで、わたしはその使用人の娘。もともと叶わぬ恋だったのよーリリーは彼がまだ眠っている間に、部屋から逃げだした。そして3年後。国外にいたリリーの前に、突然ベンが現れる。「ぼくたちの娘をほったらかしてバカンスか?」どうして娘のことを知っているの?リリーは恐怖に凍りついた。
ヴァレンティーナは、幼いころからずっと、兄の親友でシチリア名家の御曹司、ジオ・コレッティに夢中だった。彼の所有する馬から落ちた兄が、不慮の死を遂げるまでは…。ジオへの愛と、兄を失った深い悲しみに引き裂かれ、心のやり場を失くしたヴァレンティーナは、ひたすらジオを憎悪した。7年後。ヴァレンティーナはコレッティ家主催のパーティーで、年齢を重ね、いちだんとゴージャスさを増したジオと再会する。「あなたの顔なんか見たくもないわ!」震える声で突き放したが、ジオはふたりの間に飛び散る火花を見て見ぬふりはしなかった。「ぼくに惹かれる自分を恨むな。憎むなら、ぼくを憎め」そう言うと、ジオはヴァレンティーナに激しく口づけた。豪華作家競作8部作。第3話。最愛の人の死を境に、互いへの想いを封じたふたり。思いがけず再会したあとの、切なく狂おしい愛の軌跡。