著者 : 島村洋子
私は彼を好きだったわけではないが、彼に性欲を感じていた。有り体に言えば、私は彼と「やりたかった」のだ。(「しようよ。」)不倫が流行らしいけど、この世には夫のことしか考えていない女もいる、ということをわかってほしいもんだわ、と私はワイドショーの人生相談を見ながら考えている。(「シンデレラ」)島村洋子の描く8つの情景。
浅沼はるかは、クラスで一番太っている女の子。そして、クラスで一番カッコいい柴田くんに恋していた…。「がんばるのよ、はるか」親友の真由美は、そうはげましてくれるけれど、引っこみ思案のはるかは、彼を見ているだけでよかった。でも、調理実習で作ったクッキーを、彼に体当たりしながら渡してからはるかの恋は、急展開!そのうち、まわりの女の子の視線もキビシくなってきて…!?
沢田竜司ことボビー・沢田ー失踪していたレイラの父が突然帰ってきた。“トレジャータイムス”のボーカリストとしてバイトしていることが学校にバレ、処分されそうだというのに。あんな男が父親だなんて、一度も思ったことないのに…。父親に反発して、家を出て潤哉のアパートに転がりこんだレイラだったが、父とレイラには、忘れていた意外な過去が!大好評「いとしのレイラ」完結編。
女の子であることを隠しながらも、ロックグループ“トレジャータイムス”のリードボーカルとして、人気急上昇のレイラ。そんな彼女の前に、ひとりの少女が現れる。レイラを男の子だと信じ、彼女になりたいというその少女は、以前にレイラをふった男、今泉雪則とつきあっているはずの菜々絵だった。かつての恋敵の出現におどろき、雪則との苦い別れを思い出して動様するレイラだが…。
ほたるのまわりで起こった不思議な事件のはじまりは、「幕末同好会」の三好先輩が手に入れた、130年前の着物だった。着物に縫いこまれていたブキミな丸薬と、「声なきせみ」と名のる女の子の手紙…。それによると丸薬を飲めば130年前の過去に行けるのだという。薬を飲み、眠りつづける三好先輩は、過去へ旅立ってしまった!先輩のあとを追って過去へ行く決心をしたほたるとBFの裕一だが。
かすみと美和子は、親友同士。ふたりともまだ恋は知らないけれど。でも、ある日、美和子がクラスも名前も知らないヒトに、ひと目ぼれしてしまったの。なんとか彼を探しだしたい。ふたりは、おたがいの思いをつづった交換日記をはじめるけれど…。一方、他の学年の写真を借りて、幻の彼を見つけようと、かすみは近所で不良と評判の幼なじみ、和泉伸吾の家を訪ねることを決心して。
「ち、千津ちゃーん、大変だよおー」朝子が、息をはずませて走ってきた。でもこやつ、本当に大変だったことなんて、一度もない。でも、今度は私たちのクラスに転入生が来るというのだ。しかもその娘は、正真正銘の「お姫さま」!彼女の名まえは吉野さつき。去年の夏、海辺で恋した彼を探しに東京へ出てきた。そして、その彼は松本くんのいる聖徒学院の生徒らしいのだけど…。
私(洋子)、ゆかり、千絵の3人は、赤坂のホテルにデデ〜ンと、チェック・インした。目的はもちろん、あこがれのマイケル・ジャクスンに会うため。彼は同じホテルの10階に泊まっているの。3人で知恵をしぼって、地下のプールエレベーターから、いざ10階へ!ところが、着いてみるとちょっと様子が変…。なんとそこには、マイケルじゃなくて、20年以上も前のビートルズがいたの…!