著者 : 島田一男
組織人としての苦悩を抱えながらも、ひとたび事件が起これば矜持を胸に執念の捜査で犯人を追い詰めていく。鮫島警部、黒マメコンビ、相良刑事、庄司部長刑事、朝霧警部、加賀美捜査一課長といった名刑事たちの活躍を、たっぷりお楽しみあれー。歴史ある日本推理作家協会賞を受賞し、ミステリー界が誇る作家六名による、珠玉作短編集シリーズ第七弾。
戦後間もない1947年、探偵作家クラブは設立された。その後、関西探偵作家クラブとの合併や法人化に伴う名称変更を経て“日本推理作家協会”となった作家団体は、今年で70周年を迎える。初代会長の江戸川乱歩から現代表理事の今野敏まで。協会の歴代理事長を務めた14人の作家が夢の競演!日本ミステリー界の第一線で傑作を生みだしてきた作家に脈々と受け継がれる妙技を綴じ込めた究極の一冊。
おれの名は松平利春。不幸な死体を解剖、検死する監察医だ。死体の声なき声を聞き、事件解決へ導くてぇんで、刑事(デカ)チョウ達に頼りにされている。熱海へ到着すると、寝台特急あさかぜ2号で男女ふたりが死体で発見されたという。男は久野産業総帥、女は熱海の高級クラブのママ。女を殺して後追い自殺かと考えていた矢先、駅前広場で女の死体が発見された。手掛かりは死体のみ、おれのメスの出番だ。長篇推理。
八王子分署におかしな二人が誕生した。一人は元演歌歌手で能天気な男、百瀬刑事。相棒は本署から配属された仕事一筋の若き才女、小池奈美子部長刑事。二人の初仕事はある通報から始まった。ウイルス研究の小川博士宅で夫人七重の不倫相手が殺された。犯人は七重のもう一人の愛人で、しかも夫人はその男と逃亡中だという。捜査中に、相模湖から胴体だけの女の死体が浮かび上がったが…。書下し長篇ミステリー。
おれは松平利春。不自然死死体を検屍する監察医だ。行く先々で殺人事件が発生するんで、“死神解剖医”なんて呼ぶ者もいる-。だが、今回は死体がおれを熱海へよんでくれた。身代り不動の極楽坂の梅の木に、若い美人がブラリぶらさがっていた。偽装縊死ではないかと考えた旧知の刑事チョウが、是非、解剖してくれと頼んできたのだ。ところが、待ってたのは死体一人じゃなかった。おれが行ったとたん、芸者の姐妓がやっぱり極楽坂に吊るされ、別の場所にももう一人。おいおい三人の首吊り人なんて、こりゃどうなってんだ。
高尾山中の白樺山荘が全焼との急報を受け、八王子分署の江頭検視官補はじめ国分部長刑事、百瀬刑事の三人が現場に急行した。異様な臭気に噎せ返る焼け跡から男五人、女五人の無残な焼死体を発見。事故か殺害かー。ほどなくして、当夜山荘に集まった男女のメンバー表が発見された。そこには男五人、女六人の氏名が記されていた。もう一人は何処に。八王子分署の個性的な刑事達の活躍を描く書下し長篇。
東京・新宿のネオン街で起った夜の女殺しに続いて、旅客機爆発墜落事件が発生…。捜査線上に浮かんだ、数年前の自殺事件。一見何の関係もないかに見えるこの二本の糸を、刑事の常道、運・根・勘と最先端の科学捜査力で解決に挑む、本格推理長編。
梅満開の熱海梅園で、暴走族のリーダー、安田の変死体が発見された。手には電話番号が記されたメモを握っていた。そしてその翌日、同じ梅園で安田の愛人でストリッパーの亜紀が殺された。さらに、動揺する熱海市民をよそに第三の殺人が…。連続殺人の謎を追う「週刊熱海」の北原は、驚愕の事実を暴く。推理文壇の大御所が奇想天外なトリックを駆使して描く。
総トン数一万二千トン、五ツ星の外洋豪華客船、洋華号はフィリピン内海をめぐるトロピカル・アイランド・クルーズに向った。ところがマニラ出航の翌日、ヌーディスト島に上陸した船客のうち、女子大生の松山美江子が全裸死体で発見された。ツアー・ディレクターの丸浜公一は、通訳の山本悠子の話から歓迎ディナーの深夜に美江子が売春ツアーに関った疑いを持つ。その後も奇怪な事件が…。長篇ミステリー。
南郷弁護士の助手・金丸京子のもとに、山で遭難死したはずの親友・宮川秋子から、パーティの招待状が届く。南郷とともに出掛けると、出席者の1人がまるで神隠しにでもあったかのように、突然いなくなってしまう。秋子と一緒に山に登った仲間たちも、その後、次々と消えてしまう。いったい死者が、何のために?幽霊を追う南郷の名推理と意外な真相。
東京・新宿のネオン街で起った夜の女殺しに続いて、旅客機爆発墜落事件が発生…。捜査線上に浮かんだ、数年前の自殺事件。一見何の関係もないかに見えるこの二本の糸を、刑事の常道、運・根・勘と最先端の科学捜査力で解決に挑む、本格推理長編。
おれは松平利春。不幸な死体を解剖して、検死する監察医だ。熱海の知人が結婚するというので来てみれば、またしても事件が待っていた。いきなり5カ月の胎児を解剖させられたのには驚いたが、これがどうやら腹の中の子だけを狙った殺人事件。数時間後、その母親も殺され、Vというダイイング・メッセージが残された。さらに、逢初橋にV字型に吊るされた裸女の死体が発見され、その後、次々とV字に関係ある殺人が続いた。一体、犯人はどんな野郎かと、メスの先に力を入れれば-。死体たちの声なき声が聞こえてきた。
犯罪発生件数が一番多い火曜日に事件は起った。東京着、6時57分の寝台特急“出雲”4号のA寝台個室1号室と2号室で、男と女の死体を発見。女は関西のストリッパー三条ひとみ、男は大学教授の西川太郎と判明。死亡推定時刻は男が死後4、5時間、女が死後10時間と微妙に食い違っている。鉄警隊の清村公三郎部長刑事は丸の内署の秋山刑事と組み独自の捜査に乗り出す。好評、鉄警隊シリーズ第2弾。書下し長篇。
考古学者の曽根辞郎が多摩古墳群の一角で、頭を割られ、無残な死を遂げた。高等学校の同級生で「少年タイムス」の編集長・津田は曽根直筆の告発状ともとれる謎の詩文を受け取った。同期の東京地検検事・原と共に現場に急行した津田は曽根の寄宿する酒匂家の異様な建物と、そこに住む生活者たちに疑いの目を向ける。エジプトの詩文を模した曽根の詩は誰を告発しているのか?長篇本格推理の名作。
おれの名は松平利春。不自然な死に方をしたホトケさんを解剖し、検死する監察医だ。口の悪い奴は、松平死後守なんぞと呼びやがる。だが、まぁ、こうもおれの出かけた先で事件が起きりゃ、それもいたしかたないか…。今回の事件は、いままで経験したなかでも1、2を争う凄惨なものだ。とにかく次々と人が死ぬ。まず伊豆スカイラインで、一服盛られた運転手のバスが衝突事故を起こして20人以上が死んだ。さらに老女が首を紋められ、若い娘は転落死…。さすがのおれも悲鳴をあげたくなるような、とんでもない展開になってきた。
「よう、外池の旦那、君の屍体が赤坂の十番ホテルで発見されたよ」-警視庁の部長刑事戸田老人から外池洋祐に奇妙な電話がかかってきた。自分の名前をかたってホテルで消された男の謎を追う洋祐。細菌兵器の機密をさぐる秘密工作員。彼らをめぐる女たち。そして事件の陰には、いつも青いサングラスの男がいた…。洋祐は、彼の名前をかたった男に化け、謎の連続殺人とスパイ網の秘密を暴く。長篇推理。
内外化粧新聞記者・外池洋祐は引揚者。旧満州・シベリヤの強制労働所から命がけで脱出、日本へ舞い戻った男だ。その洋祐のもとへ警視庁の警部から「謎の男、第三房氏の正体をさぐってほしい」という依頼。第三房氏とは品川署の留置場、第三房に留置されている身許不詳の男。男の目的は密貿易か、スパイか、思想工作か?第三房に潜入した洋祐は、男の謎を解明しようとこころみた…。長篇アクション推理。
関東芸術スタジオは、新春映画に「東海道中膝栗毛」の製作を発表した。弥次・喜多に人気漫才コンビ、ラッキー千歩・万歩、2人の女房と愛人役に美人女優を起用、スタッフ総勢10人で浜名湖にロケハンに出た。初日の朝に、弥次の女房役の室町花江の変死体が発見された。そして、第二の殺人が!好評ロケハン・シリーズ第3弾。