著者 : 川副智子
米国発、LGBTQ+青春小説の金字塔! 1987年の夏、メキシコとの国境に近い町エルパソ。両親と暮らすメキシコ系の15歳の少年アリことアリストートルは、自分にも家族にもまわりの世界に対しても、正体のわからない違和感と苛立ちを覚えていた。そんなある日、苦手な水泳の練習のために訪れたプールで、同い年のメキシコ系の少年ダンテと出会い、泳ぎを教えてもらうことに。独特の感性も臆さず、屈託なく自分をストレートにぶつけてくるダンテと、お互いの愛情を素直に表現し合う彼の家族に驚きつつも、アリは彼らに惹かれ、友情を育んでいく。そしてさまざまな「事件」や「別れ」を通して、アリはダンテとともに「宇宙の秘密」--この世の真実に気づいていく…。 ラムダ賞、ストーンウォール賞他数々の文学賞を受賞、タイム誌の選ぶオールタイムベスト100冊(YA部門)選出、2023年9月には全米映画公開。十代から親世代まで、すべての人に今だからこそ読んでほしい、限りなく美しく瑞々しいLGBTQ+青春小説の金字塔! 【編集担当からのおすすめ情報】 本作がアメリカで最初に刊行されたのは2012年。YA小説と位置づけられますが、主人公アリとダンテだけでなく、彼らの両親の成長も丁寧に描き、世代を超えて広く読まれてきました。90万部を超えるベストセラー(2023年春現在)となり、YA小説、LGBTQ+小説の定番として現在も読み続けられている名作です。2021年に刊行された続編もNYタイムズベストセラーリスト1位となり、今年9月に映画版が全米で公開されるなど、今もなお大きな話題を振りまいています。 本国での出版から10年以上経った今、邦訳出版が叶いました。日本では今も法的に同性婚が認められていません。制度が十分とも、差別が無くなったとも言えません。それでも年々LGBTQ+に対する意識、特に若い世代の意識は変わってきています。そんな中で、本書が読まれた方の中に小さくても何らかの変化をもたらしてくれることを願ってやみません。
ぶつかりながらも無罪に向けて二人は準備を整えてきたはずだった。しかし、隠された「ある嘘」が、誰も予期せぬ展開と、感動の結末へと導いていくーー。 私達が目をそむけてきて、私達が向き合わなければいけない「世界の現実」に挑んだ衝撃作、待望の日本上陸! <刊行までの編集者の裏側話はこちらで公開中> https://note.mu/poplar_bungei/n/n72f2d454ab58 <著者プロフィール> ジョディ・ピコー Jodi Picoult 1992年「Songs of the Humpback Whale」で作家デビュー。2004年刊行の『私の中のあなた』は大きな反響を呼び、ベストセラーとなった。03年にはニューイングランド地方を舞台に活躍する作家に贈られる、ニューイングランド・ブックセラー・アワードを受賞。 川副智子 Kawazoe Tomoko 早稲田大学文学部卒。主な訳書に『マジック・キングダムで落ちぶれて』『サーカス象に水を』『19分間』『私の中のあなた』『晩夏の墜落』『ジェーン・スティールの告白』『ビール・ストリートの恋人たち』など多数。
冤罪で収監された恋人ファニーを救うため、彼との子を妊娠中のティッシュは奔走するが……若き恋人たちを描いたボールドウィンの名作が新訳で登場。アカデミー賞受賞作「ムーンライト」のB・ジェンキンズ監督により映画化。解説:本合陽(東京女子大学教授)
幼くして孤児となり艱難辛苦のうちに育ったジェーン。罪に手を染めることも辞さない彼女は、ある企みを胸に、田舎の屋敷に家庭教師としてもぐりこむ。しかし屋敷の当主には何か秘密があるようで……『ニューヨーク最初の警官 ゴッサムの神々』著者の話題作!
霧にけぶる八月の海にプライベートジェット機が墜落した。乗り合わせていた画家のスコットはからくも死を免れ、救助した男の子とともに泳いで生還を果たす。連邦の調査チームによる墜落原因の特定が難航する一方で、死亡したとみられている乗客の中に米国有数のメディア王や訴追直前の富豪が含まれていたことから、全米を過激な陰謀論が飛び交うことに。はたして偶然の事故なのか?加熱する報道の矛先は生存者であるスコットへと向けられ…アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を射止めた迫真のサスペンス!
メディア界の要人がチャーターしたプライベートジェット機が大西洋上に墜落。この惨事に巻き込まれた画家のスコットは救出した男の子とともに夜の海を命がけで泳ぎきり、奇跡的な生還を果たす。世間から英雄視されるスコットだったが、落下原因の究明が難航するなかで次第に疑惑の目が向けられ始め…その飛行機にいったい何が起こったのか?人気ドラマクリエイターによるアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
米国有数のメディア王や訴追直前の富豪が乗る飛行機が墜ちたのはただの偶然の事故なのか?意図的な事件なのか?惨事をめぐる報道は日増しにエスカレートし、死者たちが秘めていた過去はさらなる疑惑を生み出していく。メディアからの攻撃にさらされたスコットはある決断を下すが…。幾重にも連なる墜落以前/以後の物語。その決着とは。現代アメリカを舞台に、卓抜なるストーリーテラーが紡ぐ至高のサスペンス巨篇。
「畑から謎の骨を発掘し困っている」昔馴染の老人から助けを求められ、故郷に戻ったジェーン。 ところがその夜、真っ暗な畑で彼女が目にしたのは……踊るかかし!? いや人間の死体だ! 平和な田舎町でいったい何が? 孤独な老人たちが、屋根裏や地下室にそっと仕舞いこんできた思い出や秘密に耳を傾けるうちに、 ジェーンは事件の手がかりをつかみ……!?
罪を犯して追放された王子パトロクロスは、身を寄せた国で半人半神の王子アキレウスに出会う。当代随一の戦士になると予言された、輝けるアキレウス。当初は反感を持ったパトロクロスだったが、徐々に二人の少年は強い絆で結ばれていく。しかし、16歳のある日に勃発したトロイア戦争は、二人の運命に不吉な影を投げかけたー神々が人間に干渉するギリシア神話の世界を舞台に、英雄アキレウスとその無二の友の生涯を、鮮やかに描き上げたオレンジ賞受賞作。
アンティーク雑貨の蒐集に夢中になるあまり、かわいい息子が楽しみにしていた学校行事を台無しにしてしまったジェーン。心を入れ替えて母親業に専念しようとした矢先、オー刑事から緊急の連絡が入った。妻クレアが逮捕されてしまったので、捜査に協力してほしいというのだ。クレアといえば、プロのアンティーク・ディーラー。そんな彼女が古い屋敷で見つけた、この世に二つしかないと言われる幻の「ひまわり箪笥」を、同業者の男が「偽物」と糾弾したのち刺殺されたため、真っ先にクレアが疑われたらしい。ジェーンは拾い屋に母親に探偵ー三役も無事にこなせるのか不安に思いながらも、事件の手がかりを追ううちに、奥深くて奇妙なアンティーク業界の裏側に迷いこんでしまい…!?
13歳のアナは、白血病の姉ケイトのドナーとなるため、遺伝子操作を経て生まれた。ケイトの病状は一進一退を繰り返し、ついには腎臓移植が必要となる。しかし、アナは腎臓の提供を拒み、両親を相手取って訴訟を起こす。もう姉のドナーになりたくない、自分の体を守る権利がほしい、と。娘の突然の行動に戸惑う両親だが、アナの決意は固い。そして両親とアナは法廷で争うことになるーニック・カサヴェテス監督映画の原作。
臓器提供を拒否する姿勢を崩さないアナ。弁護士の資格を持つ母サラは、長女ケイトの命を救うために、次女アナと法廷で対決することを決意した。一方、アナの弁護士キャンベルも万全の備えで裁判に挑もうとしていた。戸惑い、悲しみ、無力感ーさまざまな思いを抱えつつ、家族は裁判の行く末を見守る。はたして、法廷で明らかになる真実とは?姉妹を待つ運命とは?家族の絆のあり方を真摯に問う感動作、話題の映画化。
ディーリア・ホプキンズ、32歳。幼いときに母親を亡くし、以来父親の手ひとつで育てられた。父の深い愛情に包まれ、何不自由ない少女時代ではあったが、やはり母のいない寂しさは埋めようがなかった。母が生きていてくれたら、とことあるごとに夢見ながらおとなになった。ところがある日、衝撃的な出来事が起こる。父の逮捕。容疑は28年まえの幼児誘拐。被害者はなんと、当時4歳だったディーリア自身。離婚した妻のもとから彼女を連れ出して、28年間、身分を偽り、真実をひた隠しにして生きてきたのだった。ディーリアは激しく動揺する。愛する父が犯罪者?母は生きているの?わたしはほんとうは誰なの?幻のように消えてしまった自分の過去を探る彼女は、やがて苛酷な真実と向き合うことに…。誘拐、アルコール依存、親子関係など、答えの出せないさまざまな問題を読者に突きつける意欲作。
アナ・フィッツジェラルドは13歳。白血病を患う姉ケイトのドナーとなるべく、遺伝子操作によってデザイナー・ベイビーとして生まれてきた。それ以来彼女は、臍帯血の提供にはじまって、輸血や骨髄移植など姉の治療のためにさまざまな犠牲を強いられてきた。ケイトの病状は一進一退を繰り返し、両親はついに残された最後の手段である腎臓移植を決意する。だが、アナはこれを拒み、弁護士を雇い両親を相手取って訴訟を起こす。「もうこれ以上、姉の犠牲にはなりたくない。自分の体に対する権利は自分で守りたいの」と。突然の娘の反乱に戸惑う両親。しかし、アナの決意は変わらない。はたして前代未聞の裁判の行方は?そしてケイトとアナの姉妹の運命は…!?全米の紅涙を絞った感動と衝撃のベストセラー、ついに日本上陸。
1960年代、ウェールズ。港町カーディフのイタリア系移民地区に住むガウチ家は、食べる物にもことかく貧しさに喘いでいた。父フランキーは賭博に溺れ、自分勝手で家庭を顧みない。妻メアリと6人の娘たちはその理不尽な暴力に抵抗するすべを知らなかった。幼い末娘のドロレスは誰にも世話をしてもらえず、生後まもなく家族の不注意による火事で左手指を失っていた。姉たちの心がすさみゆく中、懸命に生きるドロレスがただ一人打ち解けられたのは四女フランだけだった。しかし、炎に異常な執着を持つフランは、廃屋に火を放ち矯正施設に送られてしまう。そんな崩壊寸前の家族にとって、長女チェレスタと裕福な商人との結婚話は、経済的にも幸福の兆しとなるはずだった。しかし結婚式の夜、ついに事件は起こった…ドロレスの無垢な目を通して、絶望の底にいる人間の弱さと哀しさを静かに、鮮烈に映しだす衝撃のデビュー作。
久しぶりに再会した昔の恋人ロビンの話を聞き、医学生のジェレミーは愕然とした。最近死亡した国防長官は実は彼女の父親で、死因に不審な点があるので検屍記録を調べてほしいというのだ。調査の結果、伝説の科学者が開設した最先端の遺伝子研究所が浮かび上がる。やがてジェレミーとロビンは何者かの襲撃を受けた。真相を究明すべく彼は研究所に潜入するが、そこでは驚くべき陰謀が…壮大なスケールの遺伝子サスペンス。
次々と急患が運びこまれるペイシェンス地域病院の救急治療科。そこに勤める女医アビーにとって、毎日が目のまわるほどの忙しさと緊張の連続だった。アビーがこのカリフォルニアの田舎町にきたのは、恋人のジョシュが巨大企業コルスターの工場に再就職したためだ。しかしコルスターに勤務するようになってから、ジョシュは原因不明の頭痛や倦怠感を訴え、ふさぎこむようになった…『沈黙の病棟』につづく医学サスペンス。