著者 : 工藤政司
ハリウッド、ローマと映画界のきらびやかな世界に生きてきたジャック。中年にさしかかり実績を残し、煩わしいながらも平穏に結婚生活を送ってきた。ある日、仕事でヨーロッパを訪ねたジャックは旧友と会い、過去の記憶をたどっていく。過去は現在と重なり、魅惑的な恋物語を紡いでいく傑作恋愛長篇小説。
「おねがい、来て」留守番電話に吹きこまれた少女ポリーの声はリッチの助けを求めていた。彼は恋人のカリンと共に雪道をひた走り、ポリーの父親が経営する宿を訪れるが、娘は不在だと冷たくあしらわれる。不審に思ったリッチは、宿の一角でポリーが虐待を受けているのを発見。しかし、警官を連れて現場に戻ったとき、彼女の姿は消えていた。少女の身を案じるリッチの前にやがてアイネズと名乗る妖しい女が現われ、ポリーは実は悪魔に取り憑かれているのだと告げた。
悪魔に取り憑かれ、恋人カリンを惨殺したリッチ。兄のコナーは殺人罪で起訴された彼を救うべく奔走する。だが、悪魔払いも効果なく、惨殺事件の目撃者たちは次々と奇怪な死を遂げてゆく。悪魔の狙いは世界の注目を集める裁判で、おのれの力を誇示することにあった。悪魔の手が自分の家族にまで伸びたとき、コナーは絶海の孤島より霊力を持つ弁護士を呼ぶ決意をする。かくて法廷において悪魔対人間の凄絶な死闘が開始された。
エスキモーとヨーロッパ人捕鯨船員の共同生活が徐々に破局へと至る物語を通して、19世紀末エスキモーの独自な社会構造を、勇壮な狩猟生活を、おおらかな性を、詩情豊かに生き生きと描き切る。
純白のヴェールにおおわれた花嫁の喉元に、花婿ブラッドウイン少尉のサーベルが突き刺さり、血のしたたる切先が後頭部からのぞく。返す刀で参列者たちに切りつけたブラッドウインは、自らサーベルを呑み、身を投げて果てた!第2次世界大戦下のアメリカ陸軍士官学校で起きたこの陰惨な事件は、単なる前触れに過ぎなかった。やがて、ブラッドウイン一族の身の上に奇怪な事件が続発しはじめる。アフリカ奥地に伝わる淫蕩な蛇神の呪いが、生贄を求めて甦ったのだ!