著者 : 平岩弓枝
江戸から明治へ、ついに通算三百話到達! バーンズ診療所に投げ込まれた青い封筒に入った手紙。畝源太郎と妻の花世が相次いで誘拐された!? 大嵐で休業を余儀なくされた旅宿「かわせみ」が修復の後、再開され、お伊勢まいりから戻った面々。相も変わらず千客万来の中、奇妙な事件が起きるーー。 表題作の他、夫婦連れと思われた男女の宿泊客のもとに妹を名乗る女が押し掛ける、通算三百話目の「二人女房」など、全六編の明治篇最新刊。 解説 キーワードで読み解く「かわせみ」の魅力 島内景二
大雪に慌てる江戸。雪のために帰路を失った北町御番所の同心たちに振る舞われた酒に毒が盛られていた。さらに、北町御番所の前に置かれた雪だるまの中から遺体が発見される! 探索に出た新八郎だが、そこには賄賂の横行、大奥を足がかりにした私利私欲の政治に翻弄される旗本たちの姿があった。幕府の威信を揺るがす事件の陰にある2年前の哀しい出来事とは!? 表題作ほか5編を収録。大人気シリーズ堂々の完結! 江戸の盆踊り 郁江の危機 大口屋の三人娘 幽霊屋敷の女 江戸の狼 小町踊り
一生に一度は行きたい、「お伊勢まいり」。 大川端の旅宿「かわせみ」は、春の大嵐で屋根瓦が吹き飛び、休業を余儀なくされた。 そんな折、女主人のるいを、亡き畝源三郎の妻・千絵が、お伊勢まいりへと誘う。 品川宿に集まった一行は、東海道から箱根の関所、富士川と慣れぬ旅を続けるが、道中で次々と怪事件が起こる。 目的地・伊勢でるいを待っていたのは、思いも寄らない展開であった。 「御宿かわせみ」&「新・御宿かわせみ」シリーズ通算40巻目にして、初の長篇小説。
平岩弓枝の「御宿かわせみ」は江戸人情だけじゃない、ミステリも侮れない! 物理トリックに心理トリック、フーダニットにホワイダニット……「御宿かわせみ」には、びっくりするほど秀逸なミステリ作品が多い、と書評家・大矢博子が、トリックを切り口に七作品を厳選。 かわせみシリーズの傑作「矢大臣殺し」は、アガサ・クリスティへのオマージュか? 巻末の著者インタビューに、創作のタネあかし、あり。
大晦日、王子稲荷に現れた狐火。正月を迎え、三ケ日を過ぎた頃、王子稲荷近くで殺しが起こった。神主と巫女は、女が斬り殺されるのをたしかに見たのだという。探索のため現地に赴いた新八郎だが、肝心の女の亡骸が見つからない。不可思議な事件に、狐の仕業という噂まで広まるが……。南町奉行所内与力、隼新八郎が挑む怪事件。表題作を始め、人の世の情けと理、表と裏を活写する七篇。大人気シリーズ、堂々の第九弾。 王子稲荷の女 寒紅梅 里神楽の殺人 柳と蛙 夕顔観音堂 あやかし舟 虫売りの男
三河以来の直参旗本、森川家は金に困って遠縁に当たる山崎家から養子を迎えた。道楽者と評判の山崎直三郎は三十半ば、妻となる久代は急逝した先代・兵太郎の娘で、まだ十四歳だった。祝言を間近に控え、直三郎が一服盛られた!? ご存じ南町奉行の懐刀・隼新八郎が解きあかす江戸の怪事件。表題作をはじめ七編を収録した傑作短編集。 聖天宮の殺人 梅屋敷の女 春怨 根津権現 世間の噂 牛天神の女 秋風の門 老武士
旗本、本庄新兵衛が殺された。蔵前の札差、板倉屋の離れで、左胸に出刃包丁を突き立てられ、こと切れていたのだ。板倉屋の娘お栄は、本庄との祝言を目前に控えていた……。町奉行根岸肥前守の懐刀、ご存じ隼新八郎が鮮やかにさばく怪事件。表題作はじめ、珠玉の江戸捕物7編を収めた大人気シリーズ第7集。
「春月の雛を知っているか」根岸肥前守に呼ばれた内与力の隼新八郎はそう問われる。いま流行りの人形師・春月のつくった男雛を抱えて、二人の若い女が死んだという。肥前守は、「人形に魅入られたのではないか」というが、新八郎は腑に落ちない。肥前守の命により大久保源太と共に探索にでるが……。人気人形師・春月とは、そして人形屋の京橋屋との関係は。恋に迷う男女を描く表題作ほか、七篇を収録。傑作時代ミステリ、第六弾。 江ノ島弁財天まいり 狐火 冬の蛙 鶏声ヶ窪の仇討 春月の雛 淀橋の水車 中川舟番所 落合清四郎の縁談
明治に舞台を移した「新・御宿かわせみ」シリーズ第5弾・待望の文庫化! 婚礼の日の朝、千春の頬を伝う涙の理由を兄・麻太郎は摑みかねていた。 「かわせみ」の若者たちに訪れた転機と事件を描く。 表題作ほか、「宇治川屋の姉妹」「とりかえばや診療所」「殿様は色好み」 「新しい旅立ち」の全五篇収録。
下谷長者町の菓子舗永田屋が育てた捨て子は、大名家の姫君なのか? 美しい御中ろうが訪ねてきて、下谷では噂話が沸騰する。南町奉行根岸肥前守の命を受け、真相は探る新八郎。捨て子をめぐる人々の心の表裏に思いを巡らしながら、真実へと迫っていく。表題作「御守殿おたき」ほか七篇を収録。御奉行の懐刀といわれる新八が日々起こるさまざまな事件を解決する大人気シリーズ第五弾。 赤い廻り燈籠 御守殿おたき 雪日和 多度津から来た娘 男と女の雪違い 三下り半の謎 女密偵・お鯉 女嫌いの医者
東京・原宿の地元っ子の自慢といえば、原宿駅舎、欅並木に明治神宮。それに加えて、蕎麦屋「大正庵」のおかみ、という声も少なくない。大正五三子は心も身体も太っ腹、世話好きで、涙もろい、人呼んで“肝っ玉かあさん”。長男の嫁、孫育てに適齢期の娘…家族の悩みと喜びを、鋭くも軽妙に描く、これぞホームドラマの原点。
「鬼勘」と呼ばれる岡っ引きの勘兵衛の家に立ち寄った新八郎は、その娘・お初から奉公先の青木甲斐守の家で、次男の新一郎の命が狙われているという話を聞く。親譲りの気の強さで、お初は自分が新一郎を守るという。町方では手出しのできない大名家。同じ頃、南町奉行のもとに、堀田備前守から青木家の相続争いについて話が持ち込まれた。探索に乗り出す新八郎だが……。表題作「鬼勘の娘」ほか七篇を収録、人気シリーズ第四作。 「鬼勘」と恐れられる岡っ引きの勘兵衛の家にふらりと立ち寄った新八郎は、その娘・お初から奉公先の青木甲斐守の家で、次男の新一郎の命が狙われているという話を聞く。親譲りの気の強さで、お初は自分が新一郎を守るという。町方では手出しのできない大名家の問題。同じ頃、南町奉行のもとに、堀田備前守から青木家の相続争いについて話が持ち込まれた。探索に乗り出す新八郎だが……。表題作「鬼勘の娘」ほか七篇を収録。南町奉行所内与力・隼新八郎。御奉行の懐刀といわれる新八が日々起こるさまざまな事件を解決する大人気シリーズ第四弾。 箱根七湯 白い殺人鬼 御老女様の恋文 鬼勘の娘 お化け女郎 金唐革の財布 新堀川慕情 さいかち坂上の恋人
地震の続く江戸。刀剣屋又右衛門に持ち込まれた一振りの名刀をめぐり事件は起こる。怪士の跋扈する江戸を、ご存じ新八郎が斬る!大人気シリーズ、待望の第三弾。 江戸の竜巻 幽霊の仇討 狐斬り 河童と夕顔 狸の心中 又右衛門の女房 江戸の水仙 松平家の若殿
武勇に優れ過ぎたために妬みを買い、京の都を追われた、眉目秀麗にして堂々たる偉丈夫の源為朝。美しい鶴に導かれ、肥後の国は阿蘇の宮にたどり着き、最愛の妻となる女性と巡り合う。しかし、過酷な運命は、伊豆大島、四国、琉球と、悲運の英雄を更なる波瀾万丈の冒険の旅へて導いていく…。壮大なスケールで描かれた江戸時代最大のベストセラーが、より華やかに、より爽快に現代に甦る!
大嵐で屋根瓦を吹きとばされ、休業していた旅宿「かわせみ」。修理も終わり、一ヶ月ぶりの店開き、古くからの常連客が今まで通り戻ってきてくれるかと、不安を抱えていたるいだったが…。1700万部を超える国民的大河小説、いよいよ記念すべき第300話(「二人女房」)に到達。時代は変わっても、江戸の世から変わらぬ「かわせみ」の人々の絆。
“この頃、お江戸に流行るもの 地震、大水、船幽霊”本所、深川に貼られた怪文書の探索に出た隼新八郎。時同じく伊達藩の御用船が海賊に襲撃される。船上に幽鬼のごとき女を縛り、鬼火が舞っていたという海賊船。怪文書に込められた怨嗟、海賊船の正体とは?水路の町「江戸」に蠢く陰謀と新八郎の闘いは!?
南町奉行所内与力・隼新八郎は、女中だったお鯉の家からの帰路、辻斬りの現場に遭遇する。殺されたのは本石町鶴丸屋の当主・清兵衛だった。新八郎はすぐに下手人の探索を始めるが、今度は成子坂で首なし死体が見つかった。二つの殺しは、やがて大奥へと結びついていくが。人気シリーズの記念碑的第一作。
「秋色」とは、「心の中にある秋景色のこと」である。世界的に著名な建築家をめぐる三人の女性。京都の名家出身で二廻り年下の妻、三十年来の愛人である銀座の高級クラブのママと大学生になるその娘。シドニー、麻布、銀座、奈良、京都、伊豆山と舞台を移し、華やかにそして哀しく展開される、三人三様の愛のかたちと駆け引き。
有名建築家・今野良衛は、京都の名家出身の菊子と結婚、上流階級の仲間入りを果たすも、家では暴君であった。今野にはすべてを打ち明けている三十年来の愛人・寺田奈津江がいた。貞淑な妻・菊子だが、シドニー行きの機内で出会った女子大講師・椿井新八郎の人柄に惹かれていく。その椿井を慕うのが、奈津江の娘・世紀であった。