著者 : 志茂田景樹
時は明治初年、新しい国のかたちが定まらないころ。四人の若者が、マグマのような熱い情熱と石清水のような清冽な理念を胸に、この国の未来を創ろうともがいていた。わずか数年前、新政府軍と幕府軍に分かれて戦っていた彼らが、なぜアメリカに渡ったのか、なぜ日本で大学を創ろうとしたのか。時代が人を産み、人が新しい国を育てる。本書は壮大なボーイズ・ビー・アンビシャスの物語である。
強引な捜査と拷問による犯人デッチ上げで、江戸庶民の怨嗟を集める火付盗賊改役の藤掛伊織。彼は寺社奉行から若年寄への出世コースを目論んでいた。この藤掛に対し、浪人で伊達者を気取る風流人の土岐綾部は、身近に火盗改による冤罪人が出るに及び対決することに…。吉原炎上の陰謀を暴くべく、綾部の極真一刀流が舞う。
文政年間、爛熟をきわめる大都会江戸に、怪異な事件が頻発した。地蔵が深夜涙をながし、突如起こった怪風が、女体を天に舞い上がらせる…。超常の現象に対応するため、時の老中は四人の男女を集めた。勝手御免の特命与力と同心達である。身分を隠し、あらゆるところに潜入して謎を追う四人は江戸を救えるか。
桶狭間に長嶋巨人軍が乱入。精神鍛練の一環として自衛隊の演習に参加した長嶋巨人軍は、突然の地殻変動に襲われ永禄3年(1560)の桶狭間にタイムスリップ。今川義元の首をとった織田信長は、異様な風体をした集団の巨人軍に興味を持ち、尾張領内の居住を許可した。長嶋と信長は、半ば友好関係を保ちながら理球というスポーツを楽しみ、一方で巨人軍の武器戦力を借りつつ、着実に美濃攻略を進めていく。
日本の傀儡国家から真の独立を謀る関東軍参謀の石原莞爾。彼は“最終戦争論”を称え、日本、満州、中国の三国が協力したとき、米国との戦争は可能だと説いた。そのため経済基盤と軍備を拡充すべく人口流入政策をとり、中国人、満州人、朝鮮人、そしてユダヤ人にも登用の場を与えた。だが日本軍部は満州の独立を阻止するため、新京と奉天の爆撃を宣言する。この緊迫する日満の隙を狙い、ソ連軍はソ満国境に軍隊を集結させた。北と南に敵を迎える石原莞爾の背水の作戦。
一九六七年、高度成長の最中の日本はいまだ米国の頚木の下にあり、真の独立を勝ちとっていなかった。状況を憂い民族独立を標榜する航空自衛隊の中島二尉は12機のF104Jとともに隊を離脱、ベトナムの米軍に一矢報いるためにトンキン湾を目指す。だがその行く手に突如出現したのは小沢提督率いる旧帝国艦隊の幻の空母『信濃』だった。最強の母艦を得た中島は日本帝国独立艦隊の直属飛隊として部隊を再編成、ヤンキーステーションにひしめく米第77機動部隊壊滅作戦を開始した。
PKO軍団がタイム・スリップした幕末の世は、断末魔の獣のように、不気味にのたうっていた。争乱の世を、晋作が駆ける、龍馬が吠える。PKO軍団は、あの恐るべき餓狼の集団・新選組と遭遇。沖田総司が伊達軍団長に挑み、土方歳三ら隊士はPKO軍団に襲いかかる。やがて-血気に逸る新選組は、池田屋において、尊皇討幕の志士たちを惨殺した。その悲報は、長州藩を激昂させた。復讐の念に燃え、諸隊は続々と京を目指し、包囲して突入の機を窺う。PKO軍団もその近くに野営、一触即発の危機が迫る。歴史の荒波に翻弄されるPKO軍団、彼らは何処へ。筆者渾身の傑作第二弾。
ふくろう隊こと特別自由捜査室で発砲事件発生。メンバーの一人・大門太郎が殺されたといって銃を手に駆け込んできたのはAV女優の早舟まほ。なんと大門と共演していたというのだ。勘違いだと分ったものの、彼女は別の殺人事件を目撃していた。三国銀行の女子行員の愛人で、友愛銀行の支店長がひき殺されたのだ。両銀行に合併の噂があることを知ったふくろう隊は捜査を開始する。長篇ユーモアミステリー。
これから裁く。神に代わって、警察に代わって、検事に代わって、俺が裁く。俺を人間と思うなよ。俺は深い悲しみの果て、言いようもない憎しみをこの胸に膨らませることができた。その憎しみが、俺を野獣にした。地獄の鬼にした。
慶長十八年五月。伊達政宗の軍事力をバックに、豊臣方に反旗を翻した下総佐倉城主・松平忠輝(家康六男)は、猪鼻城後詰めに一万二千の軍を送った。手薄になった佐倉城は、宮本軍に属する猿飛佐助、霧隠才蔵の働きで落城。武蔵は西上をはじめた政宗を討ちとるが、それは影武者だった。泰然自若と猪鼻城に拠る忠輝。後手に回った宮本・真田幸村連合軍は、猪鼻城の強固な出城、堅牢な砦を攻めきれず苦戦を強いられる。さらに江戸湾には伊達水軍が…。
日中は低血圧でちとニブイが、夜になると本領発揮。袋田飛彦、三十五歳。通称“ふくろう警視”。同期はとっくに警視正に出世しているのに、勤務中のいねむりがたたってオチコボレ。でも、無能ではない。犯罪の匂いをいち早くキャッチし、隠れた事件を暴くため特設された特別自由捜査室のキャップなのだ。今回も〈日の出〉のダイイング・メッセージを残して息絶えた銀座の画廊経営者をめぐって大活躍。
箱根山中で白人女性の白骨死体が発見された。その直後、お寺の副住職で警視庁特命警部でもある鳥居快海のもとに、「手掛かりはヤマナシ。カゲキに聞け」というタレ込み電話があった。カゲキとは、男とも女ともつかない過激な衣装を纒った作家の志茂田景樹だろうか?快海は早速、テレビに出演中の作家に会うべくスタジオ入りしたが、そこで意外な手掛かりが。
1992年9月、海上自衛隊呉基地に輸送艦『みうら』ほか2艦が集結した。PKO(国連平和維持活動)によるカンボジア派遣部隊の出港である。ところが、巨大津波が『みうら』を直撃。衝撃波で『みうら』は天下分け目の関ヶ原合戦直前にタイム・スリップ。異常事態に、伊達進助一尉はPKO軍団を結成、生き残り戦に挑む。佐々木小次郎らを配下に、抜群の破壊力を誇示し、桑名城攻略戦に…。そして、武器・弾薬に限りのあるPKO軍団は関ヶ原にある策略をしかけた。最新兵器と圧倒的物量の激突。関ヶ原合戦の行方は?伊達は家康の本陣を目指すが…。大迫力の書下ろしスペクタクル巨編“大逆説シリーズ”第7弾。
江戸を制圧した石田三成は、小田原城主に宮本武蔵を据えた。慶長18年関東が豊臣氏の版図になってから、天下は一見静かに見える。だが、奥州の地で渦巻く炎のような勢いでのし上がっている武将がいた。独眼竜の若き大名、伊達政宗である。徳川の残党は柳生一族の力を借り、幼君家光を沼津城より伊達領に脱出させ、新たな巻き返しを謀ろうとしていた。天下に再び戦乱の禍が…。
聳え立つ北アルプスの峰々に囲まれた安曇野で、つかの間の休暇を楽しむ孔雀警視こと扇野笙子。ところが、なぜかそこに居合わせた笙子の父の権兵衛が、何者かに拉致された。続いて発砲事件が…。これらの事件と錯綜する22年前の殺人。謎が謎を呼ぶ事件の解決に挑む笙子。穂高神社の秋祭りの夜、事件はクライマックスを迎える。お待たせ、孔雀警視シリーズの最新刊。
慶長5年9月、美濃関ヶ原で東西決戦が始まった。徳川家康対石田三成の覇権争いである。西軍優勢のまま闘いは推移するが、小早川秀秋の東軍への寝返りによって、石田勢は劣勢に追い込まれる。だが、突如怒涛のごとく小早川勢へ急襲をかけた軍がいた。宮本武蔵率いる武装軍団である。形勢は逆転し、小早川隊は潰滅。徳川家康は関東へ引き上げるが…。書下ろし長編歴史スペクタル。
丞相・孔明の率いる北伐軍は長安へ向けて進軍を開始した。その中核は趙雲子竜、蜀漢帝国を支える歴戦の猛将である。緒戦の勝利も束の間、度重なる戦乱の疲労は、ついにこの老将の命をも奪い去ろうとしていた。孔明自身、最後の大決戦に残り僅かな生命を賭けるが、蜀の運命は…。歴史巨編堂々の完結。
隻眼の勇者、伊達政宗が秀吉に反旗をひるがえし、南下を開始した。天下平定を目前にした秀吉の喉もとに政宗の牙が迫る。かつてない大激戦が日本国を揺るがす。江戸、関ヶ原、山陽道を血に染めて、秀吉が逃げる、政宗が追う。天下統一を狙う独眼竜の野望。ベストセラー作家、志茂田景樹がその激烈なタッチで書下ろす歴史if長編。戦国ファン待望のシミュレーション・ウォー、ここに実現。