著者 : 折原一
『探偵Xからの挑戦状!』とは二〇〇九年四月一日より、NHK総合テレビ『EYES』(水曜深夜)枠で八回にわたって放送された番組。一話完結。放送日の一週間前から登録者の携帯電話に「問題編」のミステリー小説を配信、登録者は犯人を推理して携帯サイトに投票、「解答編」は放送日に番組内で紹介される。本書は同番組のために執筆された小説八作品を文庫化したものである。
持ちかけられた交換殺人に乗ってしまい、知人の夫を殺した罪で逮捕された友竹智恵子だが、警察の不手際で脱走に成功。顔を変え、身分を偽り、日本全国を逃亡し続ける。智恵子を追いかける警察の執念。時効の壁は15年。逃亡劇は驚愕の結末へ突き進む。
ミステリー界の大御所が、秩父の山荘で、十年ぶりの新作執筆に取りかかる。タイトルは『螺旋館の殺人』、本格推理ものだ。ある日、作家志望の若い女性が自らの作品を手に訪ねて来る。その後の原稿紛失、盗作疑惑…奇妙な事件の果てに待つものは?折原ミステリーの原点、精緻な多重トリックが冴える長篇。
埼玉県久喜市で新年早々、元校長の老夫婦とその長男夫妻の四人が惨殺された。十日後、再び同市内で老夫婦の変死体が発見される。そして一方、池袋で万引きと傷害で逮捕された男が、自分の名前を一切明かさぬままに裁判が進められる、という奇妙な事件が語られていく。この男は何者か?巧緻を極める折原ミステリーの最高峰。
東京・杉並区の連続殺人事件は、毎回死体の傍らに悪魔の絵柄のトランプが置かれることから“ジョーカー連続殺人事件”と呼ばれた。その容疑者・田宮は犯行を自供したものの、裁判では一転して冤罪を主張。同じ頃、息子を“ジョーカー”に誘拐されたと信じる母親は、息子を取り戻そうと孤軍奮闘していた。裁判を、そして母親を嘲笑う真犯人“ジョーカー”はどこに?驚愕の結末が待つ誘拐&法廷ミステリ。
「おおっ、これは不可能犯罪だ!」歓喜の雄叫びを挙げ、小躍りする熱狂的マニア・黒星光警部。あの名作、この傑作が走馬灯のように脳裏を駆けめぐるが…。折原ワールドの「企み」が満載!人気シリーズ、待望の最新刊。
湖畔の樹海に、新たな伝説が生まれようとしていた。奥深いその森に棲む一家の主が、家族を斧で惨殺し失踪。数年後、事件を究明するため、若者が一人で森に分け入り遭難。そして今、若者が遺した克明な手記『遭難記ー魔の森の調査報告書』を片手に、男女二人の大学生が樹海に足を踏み入れ、さらに…。過去と現在が恐怖に共鳴し錯綜する、驚愕のミステリー。
日照りに見舞われ、干上がったダム底から緑山中学校の旧校舎が不気味な姿を現わした夏。廃校で肝試しの怪談「百物語」を行った悪童たちは、とんでもない怪物たちを喚び出してしまう!あまつさえ殺人までも!荒れ狂う暴風雨の闇を動き回るスパルタ教師、連続婦女暴行魔、過激派の女闘士。息継ぐ間もなく襲いかかる悪夢、また悪夢。日本推理作家協会賞受賞作『沈黙の教室』につづく、入魂のダーク・サスペンス第2弾。
「百物語の夜」から20年後。ふたたび干ばつで湖底から現われた廃校に、かつての事件関係者たちが思い出を語り合うために集った。が、彼らを待ち受けていたのは、信じがたい悪夢の再現だった!クラスメートを一人また一人と屠っていく“復讐者”とはだれか、その動機は?“折原ワールド”の全ガジェットが総動員され、深まる謎。前作『沈黙の教室』を上まわる複雑極まりない叙述トリックが生み出す眩暈と戦慄の傑作。
ベッドの上に白くすらりとした脚が見える。向かいのアパートの201号室に目が釘付けになった。怪しい欲望がどんよりと体を駆けめぐる。あちら側からは見えないはずだー屋根裏部屋から覗く男と覗かれる女の妄想がエスカレートし、やがて悪夢のような惨劇が。折原ワールドの原点ともいうべき傑作長編。
日照りに見舞われた夏。干上がったダム底の廃校で肝試しの怪談「百物語」を行った悪童たちは、とんでもない怪物を呼び寄せてしまう!それから二十年、再び廃校に集った関係者たちを“復讐者”が一人また一人と屠っていく。犯人は誰か、その動機は?日本推理作家協会賞受賞作『沈黙の教室』から五年、叙述トリックの粋を凝らして恐怖と謎を紡ぎあげる入魂のダーク・サスペンス“教室シリーズ”第二部。
「お返事がないので、またお手紙を差し上げます」熱狂的な女性ファンから次々届くファンレター、断っても断ってもしつこく講演を依頼してくる図書館司書…謎の覆面作家・西村香をめぐって起こる怪事件・珍事件の数々。はたして作家は、男なのか、女なのか?年齢は?全編、手紙形式でつづる絶妙の連作推理集。
青葉ヶ丘中学3年A組ー悪魔のようなこのクラスを、担任教師が名づけて「沈黙の教室」。何者かが不気味な恐怖新聞を発行し、つぎつぎと粛清の対象を指名していく。そして行なわれる残酷ないじめ。やがて20年がたち、クラスの同窓会の告知が新聞に載った時、報復を誓う者による大量殺人計画がひそやかに進行しはじめた!めくるめく多重構造の謎と、じわじわと忍びよる恐怖。日本推理作家協会賞長篇賞に輝くサスペンス。
顔に白頭巾をかぶってひたすらワープロを打ち続ける男。行方不明だった推理作家・西田操は七年ぶりに帰還して、長編『覆面作家』の執筆にとりかかった。それが、増悪と殺意の渦巻く事件の発端だった。劇中の小説と現実が激しく交錯し、読者を夢魔の世界に誘いこむ、傑作ホラー。真相は覆面作家だけが知っている。
一見無関係に思われた三件の殺人事件。だが現場に残された口紅のケースが同じことから、同一犯の可能性が。鍵を握るのは犯行直後に目撃された喪服の女。そして新たな共通点も。最初の被害者は愛人と横領を働き、二人目は婦女暴行の常習犯、三人目は妊娠した愛人を捨てたという女性問題があったのだ。やはり犯人は喪服の女…。数日後、最初の被害者の妻が探偵事務所を訪れた…。