著者 : 折原一
失踪した息子の伝記を作り、自費出版したい-。ゴーストライター・島崎のもとにその話が舞い込んでから、彼は広大な館で残された資料の山と格闘することになった-。年譜、インタビュー、小説中小説、モノローグを組み合わせながら進行する、これは読者への挑戦状。
商社マン野々村省三は、銀婚式の旅に25年前に新婚旅行で訪れた能登を選んだ。妻・文恵との思い出を辿りながらの旅だったが、思いもかけぬ戦慄の旅行となってしまった。省三の突然の死を知った娘の万里子は、寝台特急で能登へと向かったが…。姿を消した母に夫殺しの嫌疑が。母の無実を信じる万里子は、両親の旅の足跡を追う。万里子の前に、ひとりの女の影と25年前の新婚旅行に秘められた驚愕の真実が。25年前に何があったのか。錯綜する過去と現在。読者待望のトリック・テラー久々の登場。書下ろし長編推理小説会心作。
精魂こめて執筆し、受賞まちがいなしと自負した推理小説新人賞応募作が盗まれた。-その“原作者”と“盗作者”の、緊迫の駆け引き。巧妙極まりない仕掛けとリフレインする謎が解き明かされたときの衝撃の真相。鬼才島田荘司氏が「驚嘆すべき傑作」と賞替する、本格推理の新鋭による力作長編推理。
満月の夜、白いマンションに住む美人が次々に殺される。僕は、悲鳴のあった部屋に飛びこみ、死体を発見したとたん、マンションの住人に目撃され、追われる身となった。しかし、疑いを晴らすために犯人探しに乗り出した僕が気になるのは、満月の夜、欲望が膨らみ記憶を失う僕自身のこと。期待の作家の傑作推理。
彼は、保険金のために妻を殺そうと思っていた。もちろん、彼に疑いがかからず、事故死したように見せかけるつもりである。妻には五千万円の生命保険を掛けていた。額としては、多すぎもせず、少なすぎもしない。さて、どのように料理するか。プランを練り始めた彼は、やがて妙案を思いついた。彼にはやりとげる自信があった。書下ろし長編ミステリー。
僕の名前は山岸陽介。26歳、独身。物書きになろうと奮闘しているがいっこうに芽が出ない。梅雨どきの蒸し暑い夜、白いマンションの二階から助けを求める声を聞いた僕は、その声のした部屋に入ってみた。一人暮らしの若い女性を狙う連続強姦魔のことが話題になっていたからだ。ところが、部屋の中で女性の死体を発見した僕は、とんでもない事件に巻き込まれてしまう。
起死回生の新作で存在を世に問うべく、秩父の山荘にこもった老作家のもとに美貌の女性が訪れる。書き上げたばかりのミステリーの原稿を持って…。すべての謎はここからはじまった。殺人、惨劇、犯人はおろか、見えかけた真相まで罠にしてしまう、驚倒の多重トリック。注目の新鋭、傑作長編ミステリー。
アルコール中毒の“のぞき魔”が見た悪夢と、“のぞかれた女”が見た地獄。2人の男女が接触をはかった時、彼らの周辺に恐ろしい事件が起こり始めます。やがて、信じられない結末が…。「五つの棺」の折原一、待望の処女長編。