著者 : 新井素子
正彦さんが定年を迎え、さてこれからは、一緒に旅行を……と期待していた二人。しかし、折しも世の中はコロナで自粛中。そんな中で、新たなフェーズに入った二人の生活は? 俳句、骨董と、趣味の道をきわめる正彦さんと、二次元コードに苦しめられたり、日々のちょっとした生活の変化を楽しんだりする陽子さんの日常を綴る、シリーズ最新作。
常に転んでばかりのぶきっちょなあたし。 それでも「世界と人々を救う」仕事に乗り出しました! 仕事・恋愛・生き方、少し不思議なガールズエンパワーメントストーリー! あたし、高井南海は超能力者! 今までは階段やらアチコチで転ぶため、「粗忽姫」と呼ばれていたけど、実は転ぶことで、この空間の各所にある“ヒビ”を修復していたのだ! そのヒビを靄(もや)として検知できる御曹司の超能力者・板橋さんと組んで、 世界に存在する歪みを修復し、副作用で物体を治す力を利用する「修復課」を立ち上げて、世界を直し始めました!
「うぃやっ……地震?」56歳の大原夢路は将来が絶賛不安な元校正者、現在無職。両親の介護のために仕事をやめ、さらには認知症になった義父母の存在もがっしりとのしかかっている。そこそこに仲良しの旦那はいるけれど、そりゃもうストレスは満載。おかげで最近妙な夢を見る。地震で止まった地下鉄の中に閉じ込められ続けるのだ。親友の冬美と、袖すりあった見知らぬひとたちと、そしてもうひとり、人間の生気を喰らういきもの「三春ちゃん」と!! それぞれに問題を抱えたいい年の大人たちが、自分たちの生存と、たまたま居合わせてしまった子供たちの未来を守るために戦いを始める。初めはおずおずとコミュニケーションをとり、やがて奇妙な共闘態勢が。憧れるのは猫のごとき平和な日常、いつか手にしたら、絶対そこから動いてなんかやるものか。でも、それまではーー日本SFのレジェンドがおくる、最高の「ふつうの大人」の冒険小説!!
人を喰らう「神」の住む迷宮へ送り出された、いけにえの少女二人の闘いを描く『ラビリンス〈迷宮〉』。権謀うずまく争いに翻弄される、王族母子の苛烈な運命を描く『ディアナ・ディア・ディアス』--同じ世界を舞台にしたヒロイック・ファンタジーの傑作二編を収録。初期短編「週に一度のお食事を」「宇宙魚顚末記」を併録、新井SFの魅力あふれるシリーズがここに完結! 関連資料として、著者の才能にいち早く注目、デビューを熱烈に後押した星新一へのインタビュー、ホラー作家・友成純一による貴重な新井素子論を再録。そして、刊行済み2巻と同様、「既刊全あとがき」ももちろん収録、あらゆるファンを満足させる決定版コレクション。 ラビリンス〈迷宮〉 ディアナ・ディア・ディアス 週に一度のお食事を 宇宙魚顚末記 付録1 関連資料 ビッグ・インタビュー《星新一氏に聞く》デビューから現在まで、その豊かな才能万歳 新井素子の言魔術(評論) 友成純一 自作を語る 新井素子 付録2 既刊全あとがき あとがき 編者解説 日下三蔵
ある日突然異世界に飛び込んだ、三人の若き男女たちの縦横無尽の活躍に胸躍るファンタジーアドベンチャー『扉を開けて』、一癖も二癖もある住人ばかりが居住する第13あかねマンションの地下で繰り広げられる奇妙な戦いを描く『二分割幽霊綺譚』--コミカルな筆致の中にも、歴史や宇宙における「人間」の存在の意義について鋭い問いを投げかける二つの傑作長篇! また、『扉を開けて』の主人公三人によるスピンオフ短篇「斉木杳の憂鬱」を単行本初収録。巻末付録として著者自身のエッセイやインタビュー、さらに対談や新井素子論を収めるとともに、第1巻同様、単行本・文庫本など刊行の度に書かれた「著者あとがき」をすべて収録。かつてのファンから新しい読者までを満足させる、新井素子の魅力満載のシリーズ第2弾! 扉を開けて 斉木杳の憂鬱 二分割幽霊綺譚 付録1 関連資料 二分割千円札綺譚(エッセイ) 新井素子 二分割素子綺譚(インタビュー) イラスト・くりた陸 スペシャル・トーク(対談) 出崎哲×新井素子 扉を開けて、目を開けて(評論) 山本弘 新井素子インタビュー 聞き手・星敬 付録2 既刊全あとがき 編者解説 日下三蔵
夫・正彦さんだけでなく愛猫・天元までもが糖尿病予備軍と診断されて…。猫と夫のダイエットに奮闘する陽子さんの日々を綴った「ダイエット物語」二篇と「大腸ポリープ物語」に加え、書き下ろし「リバウンド物語」を収録。巻末に、夫婦対談「素子さんの野望」を付す。
迷子の赤ちゃんこと祥子ちゃんと、その祖父母夫妻が宙港を占拠したテロリストの人質に! 現場に急行する太一郎と所長。そして、何やら物騒なものを抱えて潜入を試みる真樹子と、それに触発され理性の意図が一本切れた麻子。ところが、テロリストたちの事情を知ると……。表題作ほか、この物語のその後のその後、『そして、星へ行く船』から18年後のある日を描いた書き下ろし短編「お帰りなさい」も乞御期待! 新装・完全版「星へ行く船」シリーズ、これがほんとの完結編!
田崎麻子の恋人で、火星の探偵事務所の所長、水沢良行は、ひどく取り乱していた。きけば、20年前に生き別れた日の弟が、突然、火星にやってくるのだという。彼の名は、山崎太一郎。さぁ、トラブルのはじまり、はじまり。--大人気!「星へ行く船」シリーズの番外編が新装完全版で登場! 表題作ほか、16歳だった頃の太一郎の様子がうかがえる書き下ろし短編「行ってらっしゃいませ」と新あとがきを収録。
ここは、あったかい異世界。ほのかに、はるかと、つながっているーー最新作8篇を収録。急死したおばあちゃんが私に伝えたかったことは何?……不思議なミッションを与えられて歩き続けた私は、辿り着いて意外なことを知る(「なごみちゃんの大晦日」)。十七歳での作家デビューから、独自の小説世界を創り続けて四十年。橋、猫、ケーキ、秘密基地、AI、碁盤ーー短篇+ショートショート+中篇、さまざまな味わいを楽しめるアラカルト作品集。
気まぐれでミステリアスな〈相棒〉をめぐる、豪華執筆陣による全八篇ーー新井素子×黒猫の独白、秋吉理香子×野良猫見守り隊、芦沢央×少年名探偵と仔猫、小松エメル×猫になりたがる妹、恒川光太郎×妖怪猫ケシヨウ、菅野雪虫×オッドアイと「死神」、長岡弘樹×高齢者とペットロス、そにしけんじ×探偵ニャンロックホームズ。 いつでもどこからでも手軽に猫を愛でることができる、バラエティ豊かな文庫オリジナルアンソロジー。
SF作家と人工知能学会がコラボレーション! この一冊で、「人工知能の現在と未来」が丸わかり。 日本を代表するSF作家たちが、人工知能をテーマにショートショートを競作。それをテーマ別に編集し、それぞれのテーマについて第一線の研究者たちがわかりやすい解説エッセイを書き下ろしました。 名古屋大学・佐藤理史先生プロデュースの〈AI作家の小説〉も掲載! 研究者の最新の知見と作家のイマジネーションが火花を散らす画期的コラボ企画が、文庫オリジナルで登場です。 【テーマ一覧】 ◎対話システム ◎自動運転 ◎環境知能 ◎ゲームA I◎神経科学 ◎人工知能と法律 ◎人工知能と哲学 ◎人工知能と創作 【執筆者一覧】 《作家》若木未生、忍澤勉、宮内悠介、森深紅、渡邊利道、森岡浩之、図子慧、矢崎存美、江坂遊、田中啓文、林譲治、山口優、井上雅彦、橋元淳一郎、堀晃、山之口洋、高井信、新井素子、高野史緒、三島浩司、神坂一、かんべむさし、森下一仁、樺山三英 《研究者》大澤博隆、稲葉通将、加藤真平、小林亮太、伊藤毅志、原田悦子、赤坂亮太、佐藤理史、久木田水生、松山諒平
新井素子の人気SFシリーズ・全5巻、完結! 憧れの女性レイディに拉致された、あゆみ。 ある仕事を依頼されるが成功すれば全宇宙の英雄、失敗すれば一生火星へ帰れないという極端なもので……表題作ほか、 後日譚「α(アルファ)だより」、 書き下ろし短編「バタカップの幸福」、 新あとがきを併録!
“私はあなたが嫌いです。”陰湿な手紙が届き、落ち込むあゆみ。心配した太一郎がレストランへ連れ出す。太一郎が席を外した隙に知らないおじいさんが近づいてきて…表題作ほか、書き下ろし「田崎麻子の特技」、新あとがきを併録。
森村あゆみ、19歳。“ちょっとした事情”で地球を捨て、火星へ家出中。無事に宇宙船が出航と思いきや、手違いで怪しげな男たちと同室に。男たちが関わるやっかいな事件に巻き込まれーあゆみと太一郎の物語の出発点。表題作ほか短編「雨降る星 遠い夢」、書き下ろし「水沢良行の決断」、新あとがきを収録。
火星にある水沢総合事務所ー「通称・やっかいごとよろず引き受け業事務所」に就職したあゆみ。“やっかいごと”解決のプロとなるべく修行中!ある女の子のボディガードをせよという依頼がくるがそれはあゆみ本人のことで…!?表題作ほか書き下ろし「中谷広明の決意」、新あとがきを併録。