著者 : 新田一実
灼熱の砂漠地帯ーワニの化石発掘作業を手伝うことになった古生物学者の秋一郎。ある晩、星空に魅せられてテントを抜け出した秋一郎は、精悍なベドウィンの鷹匠の青年、ジル・ジーにいきなり組み敷かれ、熱烈に口説かれてしまう。俺のこと何も知らないのに…!?だが、褐色の獣の手管は巧みで…。その頃、政情不安を抱えるこの地で、発掘を巡り怪しい動きが…。バーニングLOVEアドベンチャー、書き下ろし。
東洋の血を引く青年、仁は英国侯爵エドモントン卿の次男。狩猟犬サルーキのトップブリーダーである父の命を受け、砂漠の遊牧民ベドウィンのキャンプを単身目指した仁だったが、苛酷な地で迷子になり…漆黒の髪と力強い眼をもつ黒衣の美丈夫に助けられる。彼こそが優秀なサルーキの飼い主で、若き族長のサルウィンだった…。砂の大地に咲いた愛は束の間のもの…?灼けつくスリリング・ロマンス書き下ろし。
三角関係がバレて女のもとを追い出されたヒモ男、海翔ー。たまたま別れの現場を見ていた新進気鋭の日本画家、櫛形に拾われ、モデル兼ハウスキーパーとして彼の広大なアトリエにひと冬の居候を決め込んだのだが…。指一本触れないと言いながら、オトナの魅力で海翔の心と身体を弄ぶ櫛形にたちまち籠絡され、雪に閉ざされたアトリエは、蕩けるような悦楽の檻へと変わる…。
「最高の脳味噌に最低の中味を入れて、最高の顔を貼りつけた男」…それが名門私立青嶺高校イチの有名人、浅野朝水につけられたキャッチフレーズ。そんな“伝説のスケコマシ”先輩とうっかり知り合ってしまった1年生の真紀。気の強い美人3姉妹に囲まれて育ったせいか、浅野の意外な素顔に、案外いいヤツかも…と懐いてしまったが運の尽き。気がつけば、お家騒動に巻き込まれ、抜き差しならないカンケーに…。
豪商ガストーネ家の後継ぎレオナールは、ある夜の宴で高名なジプシーの女占い師ミュカレから思わぬ言葉を告げられる。『世界を左右する運命の持ち主』だと。すなわち、太陽が死ぬ…。熱を失い二度と天に昇らない。それを食い止めるためには、レオナールと二つの宝“双頭の蛇の剣”“太陽の涙”が必要なのだ。この変事に関わるミュカレの弟子アローラとリュート弾きのアデスはレオナールに選択を迫る。半信半疑ながらレオナールは退廃した貴族社会を捨て、宝を求めジプシー達と共に旅立つ。