著者 : 星野智幸
アルカロイド・ラヴァ-ズアルカロイド・ラヴァ-ズ
咲子はかつて、人間が植物として存在している“楽園”の住人だった。掟に従い、何度も生まれ直しては恋を繰り返していたが、裏切りを働いたため、この世へと追放される。やむなく結婚情報誌のライターとして働き、区役所勤めの陽一と34歳で結婚。しかし咲子はなぜか猛毒アルカロイドを陽一に与え始める。それは楽園を追われた者の運命だった-。植物の毒と甘い蜜に彩られた恋人たちの物語。
毒身温泉毒身温泉
中庭には大きな欅とマンゴーの木、ブーゲンビリアとベゴニアの咲き乱れるアパートに、性を超え、年齢を超え、家族の枠を超えて、いま独身者=毒身者たちが集うー。新しい人間像を描く、鮮烈な小説群。
目覚めよと人魚は歌う目覚めよと人魚は歌う
女は壊れた愛の記憶にとり憑かれ、亡霊のように息を潜めていた。男は日系ペルー人の宿命に翻弄され、ぎりぎりまで追い詰められた。この地上に居場所を持てない2つの魂が、出逢い、触れ合った、世界の果ての3日間。