著者 : 木内重子
こんなに不器用で醜い私を、 なぜあなたは花嫁に選んだの? 久しぶりに戻った自宅で、ミリーは夫の帰りを待っていた。 銀行家のレアンドロとは熱烈な恋に落ちて結婚したが、 彼が姉と浮気しているのを目にしてショックを受け、 そのまま家を飛び出した。あれから1年が経ち、姉が事故死したと 聞いて、まだ生まれたばかりの甥を引き取るため、 意を決して来たのだ。もしや赤ん坊の父親は愛する夫では? という疑いは消えず、とても複雑な気持ちだけれど……。 だが驚いたことに、レアンドロは美女を連れて帰宅しておきながら、 姉との浮気については頑として否定し、厳しい顔で告げた。 誓いを立てて結婚した妻を二度と出ていかせるつもりはない、と。 さまざまな疑惑に胸を痛めながらも、遺児の甥に無償の愛をそそぐヒロイン。スター作家サラ・モーガンが綴る、珠玉の夫婦再生ロマンスをお楽しみください。大スター作家レベッカ・ウインターズ好きにはとくにおすすめしたい、知られざる逸作です!
傷心のままミリーが夫レアンドロのもとを去ってから、1年。 夫の子を身ごもっていると姉に告げられたのも記憶に新しい。 だが、その姉も今は亡く、ミリーは遺された赤ん坊のことで、 久しぶりに自宅に戻り、銀行家の夫の帰りを待ちわびている。 姉が欲しかったのなら、姉と結婚すればよかったのに、 なぜ私と結婚したの……胸に渦巻く哀しみを消せないままに。 そこへ、以前と変わらぬセクシーさで現れた夫は、 ミリーが赤ん坊を引き取りたいと知るや、平然と答えた。 「子どもの母親になりたいなら、僕の妻としてここに留まるんだ」
侯爵の打算と善意から始まった結婚に、 やがて真実の愛と疑念が交錯し……。 大家族の長女として育ったセアラは真面目なしっかり者で通っている。 そんな彼女は先祖代々の土地と幼い弟妹たちを守るため、 借金のかたに変態的な趣味を持つ悪名高き准男爵に嫁ごうとしていた。 一方、そうと知ったエングルメア侯爵ニコラスは一計を案じた。 家政を取り仕切る能力に長けたセアラをこの自分がめとれば、 安定した家庭を礎に自由に暮らせるし、跡継ぎも手に入るというものだ。 薄汚い准男爵との暗い未来から不憫な娘を救ってやろうではないか。 気の利いた思いつきに、ニコラスは自尊心をくすぐられた。 だが、不遜な侯爵の計画に誤算が生じるーーたかが便宜結婚のはずが、 無垢な花嫁の口づけに、思いがけず心をかき乱されて……。 セアラとの結婚は跡継ぎをもうけるための絶好の機会ーーニコラスにとって、花嫁をめとることにそれ以上の意味などないはずだったのに、しだいに彼女の“過去”がちらつき、嫉妬の炎を燃やすことに……。リージェンシーの旗手J・ジャスティスの名作リバイバル。