小説むすび | 著者 : 杉本ユミ

著者 : 杉本ユミ

忘れられた愛の夜忘れられた愛の夜

重い心臓病の娘のために、ベロニカは最後の手段に出ることに決めた。 今や億万長者となったかつての想い人ジョーダンに 手術費を援助してもらうのだーー娘の、父親として。 10年前、ジョーダンへの愛を伝えられずにいたベロニカは、 高熱を出した彼を看病した夜、初めて彼と結ばれ、幸せを知った。 ところが翌朝、ジョーダンが何もおぼえていないことにショックを受け、 のちに妊娠が発覚したときも、告げられぬまま月日が過ぎてしまった。 そして再会の時。彼はベロニカの唇を情熱的に奪い、喜びを表したが、 彼女の話を聞いたとたん、背筋も凍るほど冷徹な言葉を吐き捨てた。 「僕は君を抱いたことなどない。君はここまで身を落としたのか!」 愛し合った夜を忘れられてしまうという屈辱を味わい、泣く泣く身を引いたベロニカ。再会を果たすも再び傷つけられ、ジョーダンはわかっていながら娘の存在を否定したのではとさえ疑いますが……。大御所ルーシー・ゴードンが綴る珠玉のシークレットベビー物語。

伯爵と憂愁のシンデレラ伯爵と憂愁のシンデレラ

運命の伯爵がシンデレラに捧げたのは、 光り輝くガラスの靴ではなく……。 100万ポンドをわたしに? この人は本気で言っているの? ジャクリーンはイタリア人伯爵ヴィットリオの話が信じられなかった。 伯爵の父がまだ若かりし頃、彼女の亡父が賭で稼いだ大金を持ち去り、 酔って記憶が曖昧でそのままになっていたのを、彼が返しに来たという。 赤字続きの雑貨店を営み、貧苦のうちに逝った父を思うと胸が痛んだ。 店は人手に渡り、彼女はそこに住み込みで働かせてもらっているのだ。 伯爵の凛々しい瞳に心を奪われる一方、憤りもこみ上げた。 今さら何を言うの! 即座に受け取りを拒んだジャクリーンだったが、 ほどなく、思いがけない苦境に立たされることになるーー 彼女の決断に反対の店主に解雇され、路上に放り出されてしまったのだ! 世界で不動の人気を誇る作家ルーシー・ゴードンが描く、シンデレラ・ストーリーをお届けします! いきなり仕事も住む家も失ってしまったジャクリーンに手をさしのべたのは、なんと彼女が突っぱねたばかりの伯爵でした。一筋縄ではいかない恋の運命やいかに?

TOP