著者 : 柚野木菫
私を祭壇に置き去りにした憎い人。 なのに愛さずにはいられなくて……。 結婚式当日、花婿のイタリア富豪ヴィトは現れなかった── 伯父に強いられた政略結婚で、彼のことはよく知らないけれど、 いくらなんでも酷すぎるわ! フローラはドレス姿のまま、 彼のオフィスに押しかけた。だがヴィトから伯父が彼の両親を 破滅させたこと、そしてこの結婚は伯父への報復だったことを 聞いて呆然とする。伯父は8歳で両親を亡くした彼女を引き取った 恩人だが、一方で彼女の両親の遺産を強奪した悪人でもあったから。 帰る家もお金も頼れる人もなく、フローラはどん底に落ちた。 半年後、ヴィトは出先でウエイトレスとして働くフローラを見つけ 驚愕する。「ここで何をしている? いったい何があったんだ?」 支配的で強欲な伯父の操り人形として生きるしかなかったヒロインと、両親を死に追いやったヒロインの伯父を追いつめることに人生を費やしてきたヒーロー。二人の間に思いがけず芽生えた純愛を、大スター作家アビー・グリーンが情感豊かに描きます!
自分が養女だと知ったフローラは、ロンドンまで出向いて出生時の情報を入手し、愕然とした。母は麻薬依存症…。打ちひしがれて駆け上ったホテルの屋上で、青い瞳の世にも美しい男性と出会い、運命に導かれるように純潔を捧げた。素性はおろか、名前さえお互い告げないまま。6週間後、フローラが住む田舎の農場にヘリコプターが飛来し、降りてきたのはー二度と会えないと思っていたあの夜の男性。「やっと見つけた。きみは妊娠したかもしれない」強引に連れていかれた先は巨大なヨット。彼は巨万の富を誇る、シチリア大富豪だったのだ!
多忙で妻を顧みない夫ドメニコから逃げだして4カ月後、レイは彼の伯母の弔問のため、ヴェネチアの屋敷を訪れた。なんて愚かなの?出迎えた夫にうっかりときめくなんて…。翌日、ドメニコの親代わりだった故人の遺言が読みあげられ、レイは思わず耳を疑った。彼が屋敷を相続する条件として、2回目の結婚記念日を妻と共に迎えることが必須だという。「屋敷は絶対手放せない。半年間、夫婦円満のふりをしてくれ」ドメニコの懇願に屈し、レイは渋々“従順な富豪の妻”に戻るが、接触は頬へのキスまでというルールはすぐに破られて…。
王妃になっても幸せにはなれない。 彼が私の愛を拒み続けている限りは。 シドニーは30歳の誕生日に突然現れたハリールから求婚され、 動転した。学生時代、彼とは固い友情で結ばれていた。 引っ込み思案の彼女を異国の王子ハリールはいつも励まし、 勇気づけてくれた。やがて感謝の想いは恋心へと変わり、 5年前、王位継承のため帰国するハリールについに愛を告げた。 だがなぜか彼は冷たく拒絶し、絶縁を言い渡して去ったのだ。 まだあのときの傷さえ癒えていないのに……。 シドニーは求婚を一蹴するが、2週間だけ滞在してはと誘われ、 思わず心が揺れる──ハリールの密かな企みにも気づかずに。 大スター作家ダニー・コリンズ推しの方におすすめのスター作家、ジャッキー・アシェンデンが描く、ドキドキが止まらない熱いロイヤル・ロマンス! お互いが30歳になって独身なら結婚する──食卓のナプキンに走り書きした“誓約書”が本物になるなんて。
まさか、こんな場所で夫のジャックにでくわすなんて!友人の結婚式に参列したベスは愕然とした。便宜結婚だったとはいえ、彼から籠の鳥のように扱われ、たまらず家を飛び出して以来、10カ月ぶりの再会だった。離婚を申し出たベスに、ジャックは言った。「僕にはきみが必要なんだ。どうか戻ってきてほしい」今も彼を愛するベスは心を動かされ、情熱の1週間を過ごすが、夫の変わらぬ傲慢ぶりを垣間見て絶望し、再び姿を消した。数週間後、妊娠したベスの前に突然ジャックが現れて…。
イギリスから逃げるようにリネア王国へ移り住んで7年、クララは遠からず国王となるアラリックに仕えているーひそかな想いをずっと押しころしながら。だが、彼が資産家令嬢との政略的な婚約を破棄した夜、クララはほとばしる情熱を抑えきれず、身を捧げてしまう。5週間後、妊娠が明白になると、彼は非情な結婚を申し出た。「きみを愛せないが、子どもには王位を継がせたい」彼女は冷徹な言葉に傷ついたが、我が子のため求婚を受け入れた。ハネムーン先で恐るべき試練が待ち受けているとも知らず。
「君は独りで眠ればいい。押しつけられた花嫁を抱く気はない」ローマの教会でイタリア貴族チェーザレと結婚式を挙げた日の夜、アイダは夫となった男性が腹立たしげに放った言葉に絶望した。残忍な祖父が極悪非道な手段でチェーザレを脅迫し、私との政略結婚を強要していたとは!憧れの彼と愛情にあふれた家庭を築くという夢が崩れ去り、アイダは豪華ホテルのスイートルームから急いで姿を消した。4年後、偽名で貧困生活を送る彼女の前にチェーザレが突然現れ、傲慢に命じる。「君は今でも僕の妻だ。トスカーナの別荘へ来い」。