著者 : 栗本薫
東京、北海道、沖縄…各地で起こる奇怪な連続殺人。血を抜き取られた死体は、バラバラにされ、あるいは皮をむかれていた!そして、少女たちの間でひそかに流行する「ゾディアック・カード」とは?世紀末の都会の闇に、「魔物」がひそむ-。
才筆、栗本薫が描きつくす色と欲の浮世の真実。好色極まる人気俳諧師、井原西鶴は、遊女夕霧と深くなじむ。彼女は恋人・世之介と心中して生き残り、遊女になった女だった。交わりの最中、その世之介の影が浮かび上った…。
「モンゴール軍・クム軍二万が、ケイロニア軍より三モータッドのラインに到着しだい、時をうつさずエルザイムの砦に総攻撃をかける」グインはついに決断を下した。誘拐されたシルヴィア皇女を救出するためには、目の前に立ちはだかるエルザイム城砦を、完膚なきまでに叩きつぶさねばならない。焦燥を内に秘めて、豹頭の戦士は黒竜騎士団精鋭の先頭に立った。シルヴィア姫の行方は?今ふたたび運命の変革の時が迫る。
モンゴールに滅ぼされたパロが見事な復活をみせた頃、この大戦争のさなか北方諸国を旅していた、豹頭の戦士グイン、傭兵イシュトヴァーン、吟遊詩人マリウスの三人は、ようやく中原の大国ケイロニアにたどりついた。だが、そこで彼らを待ちうけていたのは、ケイロニア皇位をめぐる複雑怪奇な陰謀だった。美貌の剣士イリス、皇女シルヴィアなど、のちの本篇を彩るキャラクターたちが総登場する、第4部放浪篇。
サイロンは一年でいちばん美しい季節、北国の短い夏をむかえていた。隣国ユラニアとの戦乱もおさまり、ケイロニアの人々は平和を満喫していた。黒竜将軍グインにとっても、それはひさかたぶりの平穏な日々だった。だが、ひとりの舞踊教師が宮廷を訪れたとき、ケイロニアを震撼させる大事件が巻き起こるのだった!たぐいまれなる美貌を持つこの男の正体とは?-ケイロニアに舞台を移し豹頭の戦士グインの活躍を描く。
吟遊詩人マリウスは、最愛の妻オクタヴィアを連れて、彼の第二の故郷ともいうべきトーラスの居酒屋〈煙とパイプ〉亭を訪れた。そこに腰を落ち着け、新婚生活を送るつもりだったのだ。しかしそのマリウスに、居酒屋の息子のダンは、偶然知って胸を痛めていたイシュトヴァーン将軍の秘密を語り聞かせたー。イシュトヴァーンとマリウス、かつて幾多の冒険をともにしてきた二人の運命は、ふたたび深く交差していくのだった。
中原全土を巻き込んだパロ=モンゴールの戦いは、人々の運命を大きく変えた。パロの遺児リンダとレムスは、辺境の地で出会った豹頭の超戦士グインに守られ、無事草原の国アルゴスにたどりついた。しかし、風雲急を告げる中原情勢は彼らを離れ離れにしてゆく。一方パロの都クリスタルでは、美貌の公爵アルド・ナリスがパロ奪回の計略を着々と進めつつあった。-未曽有の大河ロマン、グイン・サーガ。第3部戦乱篇ここに登場。
クムの桎梏を逃れてあらたな歴史を踏み出した新生モンゴール。だが四囲の情勢は予断を許さず、クム軍はいまだモンゴールとの国境をうかがう。そして、救国の英雄イシュトヴァーンがその掃討のために派遣された。一方、イシュトヴァーンの軍師アリは、クムとの調停を順調に進め、和平はすぐさまにでも成立しそうに思われていたがー。前線からの報を待つトーラスにもたらされたのは、意外にも突然のクム軍の奇襲だった。
腰まで届く黒髪に、かかとの太いハイヒール、日本人の血をひきながら血を吐くようにファドを歌い、熱く激しくフラメンコを踊る炎の女、カルメンシータ・マリア・ロドリゲス。失踪した恋人アンジェリータを追い、マドリから東京にやって来た彼女がスペイン・コネクションがらみのヤクザ抗争に巻き込まれる…。魅惑的なキャラクターがやさしく謎を解いていく、栗本サスペンスの新境地。
パロ=モンゴールの戦いのさなか、辺境の森に忽然と現われた豹頭人身の超戦士グイン。その出現は、古代王国パロ、尚武の国ケイロニア、新興モンゴール、草原の国アンゴス、そのほかの群雄が割拠する国々に、また人々に大いなる波紋をもたらすのだった。現代の語り部栗本薫が全百巻という壮大な構想のもとに繰り広げる大河ロマン、グイン・サーガ・シリーズ。第二部陰謀篇愛蔵版、ここに登場。
両親の死後離ればなれになった紫音と綺羅。17年後、紫音は日舞の天才舞踊家となり、綺羅は若社長として…やっと邂逅った二人に陰惨な殺人事件が待ち受け…。栗本薫と俊英五人が創造する耽美大河リレー小説。
心を許し合った二人の再会は、野心野望の渦巻く大人の世界で翻弄され、狂った運命の歯車は、また彼等にこのうえない試練を強いて、さらなる事件の渦中へと…。究極の耽美大河リレー小説、満を持し完結する。
イシュトヴァーンの鬼神の如き戦いぶりに加えて軍師アリの策略、人々の蔑みに耐えつつ機をうかがっていた忠臣メンティウスの活躍、またモンゴール復活を願う市井の人々の身を挺しての働きによってトーラスはクムの桎梏から解き放たれた。辛酸のはてについに念願のトーラス入城を果し、またあらたな恋を得て幸福の絶頂にあるかに見えるアムネリス。だが、しょせんは成り上がりの者のイシュトヴァーンにとって、情勢は必ずしも楽観できるものではなかった。しかも、アリの謀略はさらにおそるべき運命へと、この野性児を導いていくのだった。