著者 : 桂望実
どんな部屋に住みたいか。 それは、自分の人生を見直すことでもございます。 片付けが、わたくしの使命ーー スゴ腕の整理収納アドバイザーが、 驚きのアイデアで散らかった部屋と人生を大そうじ! 人生の棚卸し小説。 夫に先立たれ一人暮らしのタカ子は、ついモノを買い込んで、気づけば家は散らかり放題。整理収納アドバイザーの中村真穂に片付けを依頼すると、棚の奥からタカ子の編んだ大量のセーターが現れた。タカ子は迷わず「捨てる」と言ったのだが……亡き夫の愛とタカ子の再出発を描く「買い過ぎた家」のほか、クセは強いが腕は確かな整理収納アドバイザーの、人生をも整えるお片付け連作小説。
離婚、クビ、収入ゼロ……。 もう、だめかもしれない。 そこからも、人生は続く。 日常に突如現れた落とし穴から、したたかに這い上がる! 『県庁の星』の桂望実が描く、アラフィフ女の低温地獄。 長年夫を支えてきたつもりだったのに、急に離婚を切り出された専業主婦。 新規事業を立ち上げて15年、働きぶりを否定された会社員。 ともにオリンピックを目指した教え子に逃げられたコーチ。 22年間続けたラジオ番組をクビになり、収入が途絶えたフリーアナウンサー。 どん底に落ちた女たちの、新たな人生の切り開き方とは?
自分が引退しても、我が子のように大切な会社には末永く続いてほしいーー経営者の願いも虚しく、中小企業の後継者不足が問題となって久しい。 二人の息子のどちらかに会社を継がせたい、洋菓子店の二代目社長。 社内に目ぼしい人材がいないとボヤく、ワンマンバッグメーカー社長。 社長の急な逝去により外国人オーナーのもとで働くこととなった、刃物メーカー社員。 会社の行く末に三者三様の悩みを抱える人々に、型破りな中小企業診断士・北川は、前代未聞の経営改革案を提示する。 『県庁の星』著者がおくる、痛快お仕事エンタテインメント!
都会の片隅で人目を忍んでひっそりと暮らすひとりの女。何かから逃れるように、誰にも気づかれないように、孤独で単調な日々を送る。パチンコ景品交換所、連れ込み宿の清掃、惣菜店の裏方、訪問介護の現場。自宅も仕事も転々とするのは何か理由があるらしい。実は彼女にも、かつて幸せな暮らしがあった。仲のよい友人、家族との時間。充実した日々は、ある違和感から少しずつ壊れていく。そして、ついにある事件を発端に、彼女の人生は破滅するー。秘密を抱えた女が決意する、愛憎の果てにあるものとは。
主婦の上田亜矢子は、疎遠だった弟・和也が消えていたと知り驚愕する。行方不明者捜索協会に依頼して、担当になった西山静香と、和也の行方を追うことに。和也と時間を共にした人たちから聞かされる話は、亜矢子が知っていた弟とは違っていて…(「第一話 弟と詩集」)。行方不明者捜索協会を訪れる依頼人と、そこで働く西山静香。消えた人の人生を「物語」と呼ぶには、ある事情があってー。捜索のはてに、彼らがみつけたものとは。感涙の連作集。
『県庁の星』の著者が贈る、超高齢化時代に必読の¨エンディング¨小説! ◆終わりに直面した人々の、それぞれの「終活」 1.鷹野亮子 五十五歳……独身・子無し・仕事一筋で生きてきたキャリアウーマンの「終活」 2.森本喜三夫 六十八歳……憧れの長兄が認知症になった後期高齢者三兄弟の三男の「終活」 3.神田 美紀 三十二歳……仕事と育児に母親の介護が重なり絶望するシングルマザーの「終活」 4.原優吾 三十三歳……突然のガン宣告で人生が一変した若き天才シェフの「終活」 5.三崎清 五十三歳……七十歳で貯金ゼロの未来予想図を突き付けられた終活相談員の「終活」
40歳以上限定の結婚情報サービス会社「ブルーパール」で働く桐生恭子は、婚活界のレジェンドと崇められている。担当する会員のカップリング率一位のカリスマ相談員なのだ。恭子の発案で、大邸宅「M屋敷」に交際中の会員を泊まらせ、一緒に暮らしてみるという「プレ夫婦生活」プランがスタートした。中高年の彼らは、深刻な過去、家族の存在、健康不安と、様々な問題を抱えているが…。人生のパートナーを求める50代男女の滋味あふれる婚活物語。
○著者の言葉「働く現場でしか学べないことがたくさんあると思っています。育った環境も、考え方も、年齢も違う職場の中で揉まれることが、人として成長させてくれると思っています。しんどいけれど喜びもある、それが職場。そこにある感動を小説にしたいと考えました。」桂望実 ○単行本時帯推薦文より 「一丸となって」でも「勧善懲悪」でもない感動的な人間ドラマがここにはある。まさに極上のエンタテインメントだ。松田哲夫(編集者・書評家) ○内容紹介 ある中堅ホテルを立て直そうと、外からやってきた変わり者の社長が提案したことは「総選挙」! そう、ホテル内の従業員の配置を“選挙”で決めるという斬新な人材シャッフル案でした。しかもそれだけに終わらず、管理職の選挙まで! 果たして従業員の反応は? 今の日本の働く環境の閉塞感を打ち破るお仕事小説。さまざまな年代の男女が抱え働く悩みに答え、働くことの意味、働くことで成長できる喜びを読書で味わえる、お仕事エンタメ作品。 解説 松田哲夫
人生後半戦を迎える男たちの、まさかの新しいステージは おじさんたちだけの社交ダンス!? 仕事じゃなくても輝ける、いつもの景色が違って見える でこぼこ道の人生を歩いてきた中年世代が 出会って励んで夢中になった! 今日もスタジオに彼らは集う。 社交ダンスを定年後のボランティア活動と位置づける田中。 モテたい一心の商社マン川端。 苦労人だが踊りは熱い工場経営者の大塚。 まるきり初心者の面々を指導する講師の米山は、 不思議なくらい無気力でーー。 笑えて、ビターで、ぐっとくる 桂望実の最新書き下ろし小説
僕が小学六年生の春、両親が離婚した。家を出たギャンブル好きの父ちゃんは、将棋の天才の姉ちゃんに賭け将棋をやらせて暮らしている。父ちゃんが「ご立派」と呼ぶ母ちゃんの元に残された「普通」の僕は、非常識で破天荒で、将棋以外何にもできないくせに、楽しそうに生きる二人を軽蔑しながらも、どこか羨ましいー読む人の心を激しくゆさぶる、おかしな家族の四十年。
無気力に生きるケータリング業者の水島健一。先輩の忠告も、派遣先で問われる不可解な薬の存在も軽く受け流してきたのだが、ある少年と出会い、それらと真面目にかかわらざるを得なくなるーー。少年が最後に下した決断に、水島はどう向き合うのか! 傑作感動長篇。
信じるよ、僕は。弟が母を殺すわけがない。 家族について、どれだけ知っているだろう。 母が殺されたーー葬儀の席で逮捕されたのは、僕の弟だった。 エリートサラリーマンの父、良妻賢母の母、両親に溺愛され育てられた弟。「理想の家庭」の中で、一人除け者のような存在の主人公・葉山和弘は、真相を求めて父と衝突を繰り返す。家族とは何か、なぜ犯罪が起こったのか。渾身の「魂のミステリ」。文庫解説・瀧井朝世
小学生になったばかりの沙恵は、学校帰りに母京子の勤務先に寄り一緒に帰宅する。スーパーに入った京子は、入口のベンチで待っていたはずの沙恵が、忽然と姿を消し狂乱する。そして数年が経ち、離婚した京子は今日もひとり、わが子の帰りを待ちながら、情報を集めてビラを撒く。失われた時間、果たせなかった親子の絆を求めて…。
あらゆることを犠牲にし、小説を書くことに全身全霊を傾ける作家・樺山ひろ江。秘書として支え続ける姪の明子だったが、気難しい性格のひろ江は、編集者たちに煙たがられる存在だ。六年前に出したデビュー作のドラマ化をきっかけに、状況は一変。作品は売れ、執筆依頼も殺到するのだが…。浮き沈みの中、絆を深めてゆく二人の女性の人生を濃密に描く、傑作長編。
いまいちやる気のない従業員で売り上げが落ちこむ中堅ホテル・フィデルホテル。 支配人の永野は悩みながらも改善策を打ち出せないでいた。 そんなある日、大学で社会心理学を教えていた変人教授が社長職に就くことに。 彼が打ち出した案は「従業員総選挙」。 落選すれば解雇もやむなしという崖っぷちの投票制度。 ざわつく従業員を尻目に、さらに管理職の投票も行われた。 混乱しつつもなんとか新体制が整い、徐々にそれぞれが新たなやりがいを見いだしていき……。 『県庁の星』の著者が描く、感動のエンタメ小説。
トランポリン競技でオリンピック出場を目指す五人がいた。少年の頃から勝利と敗北を繰り返してきた彼らに安直な仲間意識はない。夢舞台に立てるのは二人だけ。その現実が彼らの青春を息苦しいものに変えていく。自分との戦い、ライバルへの嫉妬、周囲の期待…選ばれるのは一体誰だ!懸命に生きる者だけが味わう歓喜と孤独を描いた傑作長編。
劇団を主宰する大輔と無性愛者の瑞穂夫婦は、母親の育児放棄のため児童養護施設で生活する10歳のひなたを週末だけ預かっている。そもそも里親をはじめたきっかけは、天才演劇少女のひなたを、少し変わった人材派遣業にスカウトするためだったが…。
母が殺されたーーその悲しみの葬儀の席で逮捕連行されたのは、弟だった。 大企業勤務のエリートサラリーマンの父、良妻賢母を絵にかいたような料理上手の母、幼いころから両親の期待を一身に背負い、溺愛されてきた弟、そして彼らのなかで、ひとり除けものであるかのように成長した主人公、葉山和弘。 遺棄死体となって発見された母親の被疑者が弟であったことで、父親は頑なにて弟の無実を信じ、反証を得ようとするのだがーー。