著者 : 橋本純
過去の日本を救うべく、令和から昭和に時空を繋げた科学者の田伏由佳。とはいえ、やりとりが可能だったのは、タブレットと情報のみ。限られた条件のなか、昭和日本は現代の最新鋭テクノロジーに近似する物を開発、兵器に組み込むことにより、国力で勝る米国を相手に互角以上の戦いを繰り広げる。起死回生の日本本土爆撃も阻止され、窮地に陥った米国であったが、なぜか日本は攻撃の進行をゆるめた。両軍が奇妙な停滞を見せ、ここぞとばかりに米国は最新艦を中心として艦隊戦力を増強させるや、ガダルカナル島上陸作戦を決行する。だが日本も、ただ沈黙していたわけではない…秘中の秘の新兵器が、ひそかに動き始める!
令和日本からの助けにより、史実とは異なる歴史を歩み始めた昭和日本であったが、それでも米国との力の差は容易に埋められなかった。過去の日本を救わんとする科学者、田伏由佳は、引き続きテクノロジーの提供など過去への干渉を続ける。そんななか、圧倒的な国力を覆すべく、未来からもたらされた人工知能は、ある作戦を導き出す。それは、米総司令官マッカーサーを捕縛するという、なんとも大胆不敵な奇策であった。一方、態勢を整えた米太平洋艦隊は、熾烈な反撃を開始。それに対し日本海軍は、無人攻撃機…いわゆるドローン部隊を投入し、戦局の打破を試みる。そしてついに最新鋭機「震電」が、B24大編隊と激突する!
令和日本の科学研究員、田伏由佳は、初歩的な電子計算機の知識や図面、タブレットを、時空間送信機によって昭和十五年の由佳の曾祖母、田伏雪乃に送る…すべては、雪乃とその恋人である鷹岳省吾を救わんとする窮余の一策であった。二人の運命を変えるということは、必定、太平洋戦争における日本の敗戦を避けることを意味する。雪乃と省吾は未来知識を武器に軍部での地位を固め、革新的な軍事兵器…人工知能による戦況予測を確立させる。未来技術により日本は米太平洋艦隊を手玉に取り、のみならず国家間の戦略すら優位に進めていくのだが…。令和の最新技術により、大和が無敵艦へと生まれ変わる!
徳川家康は南光坊天海ら密教僧に命じて、新たなる領地となった江戸を霊的防御都市とするべく開発、その力で豊臣家に成り代わって天下人たらんと目論んでいた。その動きに気付いた石田三成は、陰陽師半井を借り受け、家康の野望を粉砕するべく妨害工作を開始する。江戸と京都で繰り広げられる密教僧と陰陽師との法力合戦の勝敗はいかに!そして現代まで続く江戸ー東京の繁栄の源となった風水の秘密とは。
昭和十六年十二月八日の宣戦布告前に、マレー半島上陸を目前にした陸軍第二五軍の輸送船団が、英空軍の哨戒機に発見された。この情報により英極東方面軍司令官のマウントバッテン卿は、戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋艦レパルスを出撃させる。一方、米太平洋艦隊司令長官のキンメル大将も真珠湾に停泊中の戦艦群を洋上待機泊地であるハワイのラハナイへ移動させた。日本陸軍の輸送船団に迫るP・O・Wとレパルスに対し、井上中将率いる第四艦隊の戦艦群と水雷戦隊が急行する。一方、米太平洋艦隊には敵戦艦群の漸減攻激としての南雲機動部隊が、さらに打撃部隊の連合艦隊主力戦艦群が出撃した。
ペリーの率いるアメリカ艦隊の江戸進行を阻止しようとした浦賀奉行の乗った軍船が、その黒船に衝突され沈没した。その報告を聞いた幕閣と大名諸候は騒然となる。鎖国派の水戸斉昭や島津斉彬の提唱する黒船打払い方針に対し、開国派の井伊直弼や堀田正睦は明日でも下田に入港するロシア艦隊を利用すべきだと主張した。この抗争の中、一橋慶喜が幕府の軍船と船手組の指揮の委譲を申し出て、黒船との対決を計るが…。
毛利輝元と小早川隆景には秀吉の狙いが読めていた。四国の長曽我部攻略の際の大船団も毛利水軍を中核とさせ、九州の島津攻略にも参戦を強いられた。毛利の戦力を削ごうというのである。さらに小早川・吉川の両家を毛利から離そうと画策している…。毛利元就の天下統一の野望を実現させるべく、輝元と隆景は対秀吉、対家康への大知略戦を展開させる。
総力を挙げてレイテ湾突入を計る連合艦隊。その作戦をストップさせた第1戦隊の宇垣中将は、第2艦隊の栗田中将に故山本五十六元連合艦隊司令長官の遺書を見せた。そこには海軍として、この戦争をどう終決させるかというメッセージが記されていた…。この山本五十六の零号作戦にそい、連合艦隊は大決戦を挑むべく全艦出撃した。
ロシア極東地区で発生したクーデターを逃れ、ウラジオストクを脱出した20隻ほどの艦隊が日本の領海をめざした。政府は負傷者を乗せた艦の受け入れを認めたが、新潟西港に接岸した駆逐艦は主砲を回転させ、日本の巡視船をとらえた。上陸を開始したロシア兵は機動隊を掃討、さらに新潟県庁・県警本部・新潟空港を乗っとり、数多くの人間を人質にとった。政府は自衛隊三軍に対して防衛出動を命じ、陸上自衛隊の縮小改編にともなって結成された第一空中機動団が戦場に向け飛び立つ。双方が実戦に突入した頃、柏崎刈羽原発をロシアのヘリが襲い、プルトニウムの奪取に成功。待ち受けていた潜水艦に移され、日本海のいずこへと消えていった。一方、首相官邸では総理が服毒自殺をはかり、政府は責任者不在となり、混迷の度を増していた…。大好評の軍事シミュレーション、いよいよ完結。
ロシア極東地域で発生したクーデターを逃れ、ウラジオストクを20隻ほどの艦隊が脱出した。日本海に出た艦隊は針路を南に転じ、日本の領海をめざす。日本政府は負傷者を乗せた艦の受け入れを認めたが、新潟西港に接岸した駆逐艦の主砲が、突然回転を始め、埠頭に停泊していた巡視船をとらえる。発射の瞬間をテレビが放送し、およそ1200万人が、事件の開幕を目撃した。ロシア艦の甲板に続々と現われた武装兵士は上陸を開始し、機動隊員を一瞬にして掃討した。さらには、新潟県庁・県警本部、新潟空港の乗っとりに成功。事態を目のあたりにした政府は、ついに自衛隊に対し防衛出動を命じた。悪天候の中、空中機動団は戦場という未知の世界へ向けて飛び立つ。その頃、夕闇迫る原子力発電所近くに、一人の男の影があった…。豪雪におおわれた新潟を舞台に緊迫の攻防を描く、シリーズ第2巻。
1998年12月、大統領府へ向けモスクワの町中をリムジンが走り抜ける。国家情報相から大統領に、ロシア極東地域でのクーデターが報告された…。年が明けた、1月9日の日本。北関東地方は断続的に襲ってきた寒波によって山間部は積雪が徐々に増えつつあった。夜明け前の赤城山の北面道路の駐車場に、一機のヘリコプターが舞い降りた。それは陸上自衛隊の縮小改編にともなって結成された第一空中機動団に配備された新型機AH-3Fの訓練飛行だった。その頃、ウラジオストクでは反政府軍の反乱を逃れた巡洋艦・駆逐艦・強襲揚陸艦など20隻ほどの艦隊が流氷に閉ざされた港を脱出。日本海を南下し、日本政府に対し、救援を要請した艦隊は、平和という長い眠りにつく日本を無理やり覚ますべく新潟港を目指す…。
米、第7艦隊護衛空母群への戦艦大和以下、長門、金剛,榛名の主砲の一斉射が開始された。肉追する大和の艦橋で、第二艦隊司令長官・栗田中将は、残存する艦艇を、このままレイテ湾に突入させるつもりだった。だが、第一戦隊の司令官宇垣中将はそれを止めた。いぶかる栗田に宇垣は故山本五十六元連合艦隊司令長官の遺書を見せる。そこには海軍なりの戦争終結へむけたメッセージが記されていた。栗田中将の全艦突入を思いとどまらせたオペレーション・ゼロとは。