著者 : 永井路子
茜さす(上巻)茜さす(上巻)
E女子大学4年の友田なつみは、夏休みに訪れた吉野で会社社長、泉と出会った。卒論・就職活動と忙しい日々の中、なつみの脳裏にはなぜか時折泉の姿が浮かぶ。妊娠を苦にした友人の自殺にあい、女性に厳しい就職の現状を経験したなつみは、万葉の時代を風のように駆けぬけた一人の女帝に目を向け始めた…。歴史と現代が交差する地点で女性の生き方を見つめる著者初の長編現代小説。
茜さす(下巻)茜さす(下巻)
大学を卒業し、編集プロダクションに就職したなつみ。生き馬の目を抜く世界で、女性が働くことの厳しさを知り始めた矢先、プロダクションが倒産、失業したなつみは、持統女帝の生き方に魅せられて、再び吉野へと旅立った。遺跡発掘に精出す充実した日々に、彼女がほのかな恋心を抱く中年男性、泉が現れる…。万葉びとの華麗な生きざまに現代女性の自立への道を探る、長編ロマン。
北条政子北条政子
伊豆の豪族北条時政の娘に生まれ、流人源頼朝に遅い恋をした政子。やがて夫は平家への反旗をあげる。源平の合線、鎌倉幕府開設ー御台所と呼ばれるようになっても、政子は己の愛憎の深さに思い悩むひとりの女だった。歴史の激流にもまれつつ乱世を生きぬいた女の人生の哀歓を描いた、永井文学の代表的歴史長篇。
波のかたみ波のかたみ
政争と陰謀の渦中から栄華をきわめた平家一門。やがて東国に興った平氏打倒の嵐に翻弄され、西海の藻屑と消え去るその足跡を、頭領の妻を軸に綴る。公家・乳母制度の側面から捉え直す新平家物語。