著者 : 江戸川乱歩
人気シリーズ「乙女の本棚」第42弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・まくらくらまのコラボレーション!小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
あの中絶作を書き継ぎ完結させる!そして物語は更なる仕掛けへ…。江戸川乱歩が昭和8年に鳴り物入りで連載開始した「悪霊」は、傑作となるはずだった。謎めいた犯罪記録の手紙を著者らしき人物が手に入れ、そこで語られるのは、美しき未亡人が異様な血痕をまとった遺体で発見された密室殺人、現場で見つかった不可解な記号、怪しげな人物ばかりの降霊会の集い、そして「又一人美しい人が死ぬ」という予告…。期待満載で幕を開けたこの作品はしかし、乱歩の「作者としての無力を告白」した宣言で途絶した。本書は、乱歩がぶちあげた謎を全て解き明かすと同時に、なぜ「悪霊」が未完になったかに迫る超弩級ミステリである。
ミステリだけではないホラーだけではない。江戸川乱歩の魅力が凝縮された珠玉の18篇。全作品けんごによる解説付き!
思想としての本格指向と、資質としての変格嗜好に引き裂かれる部分を持ちながらも、双方を排斥しあうことなく交錯し蝕知させる作品群。オリジナル・アンソロジーで再発見。
作家である佳子に届いた1通の手紙。「奥様」と始まるその文章には、ある椅子職人の生活が綴られていた。江戸川乱歩の『人間椅子』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られる大人気イラストレーター、ホノジロトヲジによって鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第18弾が登場。全イラスト描き下ろし。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
素人探偵河津三郎はある闇夜、挙動不審な男を発見しあとをつける。男と同じ鞄を購入し同じ旅館に泊まった河津は、隙を見て鞄をすりかえた。気づいた男は恐怖をきたし、持っていた紙幣を燃やして、上野公園の五重塔で首を吊ってしまう。調査を始めた河津に、あの鞄の中身を売ってほしいと言う美女があらわれる。河津が断ると女は自殺しようとまでする。鞄の中身と奇妙な事件の謎とは…。ほか「恐怖王」と幻の中絶作品「悪霊」を収録。
古くから娯楽の中心として発展してきた映画は推理小説と相性が抜群で、『第三の男』『オリエント急行殺人事件』『薔薇の名前』『犬神家の一族』『砂の器』など、ミステリー小説が原作の名画は枚挙にいとまがない。そんな映画の世界を題材に描かれた短編を集めたミステリー・アンソロジー。十二人の名手たちによる映像を超える傑作ドラマが開幕!
有名な実業家の息子で法科の大学生である相川守は、妹の珠子とその家庭教師、殿村京子とレストランで食事をしていた。読唇術のできる京子は、近くの席の男たちが犯罪の打ち合わせをしていることに気づいた。彼らの話から示された空き家では、女優の春川月子が惨殺される。現場と女優の肩には赤いサソリが描かれていた。守、次の標的と狙われる珠子、老探偵三笠竜介、珠子の友人桜井品子、みな次々と殺人鬼の罠に翻弄され…。ほか「湖畔亭事件」収録。