著者 : 沼野恭子
私のいた場所私のいた場所
空を飛ぶ病身の女、キャベツの赤ん坊を育てる母親、身体を入れ替えられた妻、生の心臓を食べたがる娘、マッチを擦る黒いコートの少女ー。世界幻想文学大賞受賞の現代ロシアを代表する作家、待望の傑作短編集!
ペンギンの憂鬱ペンギンの憂鬱
恋人に去られた孤独なヴィクトルは、憂鬱症のペンギンと暮らす売れない小説家。生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたが、そのうちまだ生きている大物政治家や財界人や軍人たちの「追悼記事」をあらかじめ書いておく仕事を頼まれ、やがてその大物たちが次々に死んでいく。舞台はソ連崩壊後の新生国家ウクライナの首都キエフ。ヴィクトルの身辺にも不穏な影がちらつく。そしてペンギンの運命は…。欧米各国で翻訳され絶大な賞賛と人気を得た、不条理で物語にみちた長編小説。
魔女たちの饗宴魔女たちの饗宴
厳寒のベランダに裸同然で立ち自殺を図った私が、初恋の人に似た医師に出会い瀕死の病人を生き返らせてしまう「重心」。親友の夫と一夜を共にしてしまった女の子の不安と喜びを細やかに描く「鳴り響く名前」等。コメディタッチあり不倫あり、妖怪も出てくれば魔女も活躍する。不条理に迫り魂の奥を揺さぶりもする、魅力的な世界。10人の魔女たちが描くどきどきして、上質な小説集。
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