著者 : 海堂尊
医学生ゲバラは友人ピョートルとオンボロバイクにまたがり、南米大陸を駆け巡る。放埒な人妻、偉大な詩人、抑圧された人々、病に苦しむ患者と接し、次第に目覚めていく…。没後50年(2017年)、生誕90年(2018年)にゲバラを、キューバ革命を、そしてラテンアメリカを書き尽くす4部作の第1弾!
とんでもない医療格差が出現した近未来の日本。売れない作家の終田千粒は「ランクC病院」で銀行のATMに似たロボットの診察しか受けられない。そんな彼に「ランクA病院」潜入取材の注文が舞い込む表題作。“日本一の健康優良児”を目指す国家プロジェクトに選ばれた男の悲喜劇「健康増進モデル事業」など、奇抜な着想で医療の未来を映し出す傑作短篇集。
浪速のインフルエンザ騒動は、まだ終わっていなかった。今度はワクチンが狙われて、市民が危機に瀕することに。異端の医師・彦根新吾は事態打開のため、欧州に旅立つ。医療の未来を切り開く海堂エンタメ最大のドラマ開幕!
閉鎖を免れた東城大学医学部付属病院。相変わらず病院長の手足となって働く“愚痴”外来・田口医師への今回の依頼は、誤診疑惑の調査。検体取り違えか診断ミスかー。国際会議開催の準備に向け米国出張も控えるなか、田口は厚労省の役人・白鳥とともに再び調査に乗り出す。「バチスタ」シリーズ真の最終章!豪華特典として書き下ろしエッセイ「放言日記」と桜宮市年表&作品相関図も収録。
桜宮市の終末医療を担っていた碧翠院桜宮病院の炎上事件から1年後。東城大学の劣等医学生・天馬は課題で「日本の死因究明制度」を調べることに。同級生の冷泉と取材を重ねるうち、制度の矛盾に気づき始める。同じ頃、桜宮一族の生き残りが活動を始めていた。東城大への復讐を果たすためにー。天馬は東城大の危機を救えるか。シリーズ史上最大の因縁がいま、解き明かされる。メディカル・エンタテインメント、驚愕の到達点!
財政破綻した極北市の市民病院。再建を図る新院長・世良は、人員削減や救急診療の委託を断行、非常勤医の今中に“将軍”速水が仕切る雪見市の救命救急センターへの出向を指示する。崩壊寸前の地域医療はドクターヘリで救えるか?医療格差を描く問題作。
医療界を震撼させたバチスタ・スキャンダルから1年半。東城大学の劣等医学生・天馬大吉はある日、幼なじみの記者・別宮葉子から奇妙な依頼を受けた。「碧翠院桜宮病院に潜入してほしい」。終末医療の先端施設として注目を集めるこの病院には、黒い噂が絶えなかったのだ。やがて潜入した天馬の前で、患者が次々と不自然な死を遂げる!天馬、そして厚生労働省からの刺客・白鳥らが、秘された桜宮の闇に迫る。傑作医療ミステリ!
桜宮市に新設された未来医学探究センター。日比野涼子はこの施設で、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年の生命維持業務を担当している。少年・佐々木アツシは両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために5年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する。人間の尊厳と倫理を問う、最先端医療ミステリー!
美貌の産婦人科医・曾根崎理恵、人呼んで冷徹な魔女。彼女は母に問う。ママ、私の子どもを産んでくれないー?日本では許されぬ代理出産に悩む、母・山咲みどり。これは誰の子どもか。私が産むのは、子か、孫か。やがて明らかになる魔女の嘘は、母娘の関係を変化させ…。『ジーン・ワルツ』で語られなかった、もう一つの物語。新世紀のメディカル・エンターテインメント第2弾。
「医療小説」は人のこころの深淵に根ざしている。松本清張はその分野の嚆矢であったー海堂尊。ときに人を救い、またときに人を殺す「医療」と「医学」。人が持つ根源的な聖性と魔性を浮き彫りにした名編は、現代社会に今なお警鐘を鳴らす。最前線の医療現場を描く編者が選んだ6つの作品。
覇者は外科の世界で大成するといわれる医学部剣道部の「医鷲旗大会」。そこで、桜宮・東城大の“猛虎”速水晃一と、東京・帝華大の“伏龍”清川吾郎による伝説の闘いがあった。東城大の顧問・高階ら『チーム・バチスタ』でおなじみの面々がメスの代わりに竹刀で鎬を削る、医療ミステリーの旗手が放つ青春小説。