著者 : 澤西祐典
もし『不思議の国のアリス』を日本の文豪が翻訳したら? そんな夢のような構想が現実となったのが、1927年刊行の『アリス物語』。 芥川龍之介と菊池寛による訳文は、アリスや不思議の国の登場人物たちがいきいきとユーモラスに描かれ、今なお色あせない魅力にあふれています。本書は、原書にあったいくつかの不足な点を補い、注釈や解説を付加して甦らせた『完全版 アリス物語』。アリスや芥川・菊池ファンの方はもちろん、『不思議の国のアリス』をはじめて読む方にもおすすめできる一冊です。 ◆はじめに ◆完全版 アリス物語 一章 兎の穴に落ちて 二章 涙の池 三章 コーカスレースと長い話 四章 兎が蜥蜴のビルを送り出す 五章 芋虫の忠告 六章 豚と胡椒 七章 気違いの茶話会 八章 女王の球打場 九章 まがい海亀の物語 十章 海老の四組舞踏 十一章 誰がお饅頭を盗んだか 十二章 アリスの証言 ◆注釈 ◆解説 本書の成り立ち ◆あとがき 文豪たちのアリスーー “お饅頭”はどこからやって来た?
鮮やかな手触りのあるディティール、突き詰められた奇想、重層的に拮抗する語りの構造に夢中になって読み耽りました。 酉島伝法 なぜ男は、このような島に、腹を裂いて横たわっていたのか? 第二次大戦後、世界から隔絶された南洋の島。生き残った兵士の家族の壮絶な生き様を描いた表題作ほか、奇妙で不思議な魅力あふれる短編3作を収録。 雨とカラス 氷の像 雨の中、傘の下 国際あなた学会
はじめにーー柴田元幸 The Modern Series of English Literature より 身勝手な巨人……………オスカー・ワイルド(畔柳和代 訳) 追い剝ぎ……………ダンセイニ卿(岸本佐知子 訳) ショーニーン……………レディ・グレゴリー(岸本佐知子 訳) 天邪鬼(あまのじゃく)……………エドガー・アラン・ポー(柴田元幸 訳) マークハイム……………R・L・スティーヴンソン(藤井 光 訳) 月明かりの道……………アンブローズ・ビアス(澤西祐典 訳) 秦皮(とねりこ)の木……………M・R・ジェイムズ(西崎 憲 訳) 張りあう幽霊……………ブランダー・マシューズ(柴田元幸 訳) 劇評家たちあるいはアビー劇場の新作ーー新聞へのちょっとした教訓……………セント・ジョン・G・アーヴィン(都甲幸治 訳) 林檎……………H・G・ウェルズ(大森 望 訳) 不老不死の霊薬……………アーノルド・ベネット(藤井 光 訳) A・V・レイダー……………マックス・ビアボーム(若島 正 訳) スランバブル嬢と閉所恐怖症……………アルジャーノン・ブラックウッド(谷崎由依 訳) 隔たり……………ヴィンセント・オサリヴァン(柴田元幸 訳) 白大隊……………フランシス・ギルクリスト・ウッド(若島 正 訳) ウィチ通りはどこにあった……………ステイシー・オーモニア(柴田元幸 訳) 大都会で……………ベンジャミン・ローゼンブラット(畔柳和代 訳) 残り一周……………E・M・グッドマン(森慎一郎 訳) 特別人員……………ハリソン・ローズ(西崎 憲 訳) ささやかな忠義の行い……………アクメッド・アブダラー(森慎一郎 訳) 芥川龍之介作品より 春の心臓……………ウィリアム・バトラー・イェーツ(芥川龍之介 訳) アリス物語(抄)……………ルイス・キャロル(芥川龍之介・菊池寛 共訳) 馬の脚……………芥川龍之介 おわりにーー澤西祐典 附 芥川龍之介による全巻の序文と収録作品一覧
温泉×遊園地=前代未聞の“湯〜園地”実現記念 別府大学の温泉研究会に属する明礬湯太郎。温泉道を極めるため留年を続ける、十三先輩に誘われ、「別府フロマラソン」に出場することに。各温泉郷に散りばめられた「当たり湯」を一日で探し当て、見事一番にフロマラソンを湯破したものは、願いが一つ叶うという。淡い想いを抱き、優勝を目指す湯太郎の行く手には、強力なライバルが…市内の温泉を駆けずりまわる過酷なレースを、湯太郎は完湯することができるのか!? 特徴 ○著者は、別府市在住で小説家・別府大学講師の澤西祐典! ○小説の舞台は別府八湯! 別府の温泉、名所などが多数登場します ○登場する温泉については「別府八湯温泉道名人会」および別府大学学生が注釈協力 ○カバー裏には別府エリアマップを掲載
詩人、小説家、女優、落語家、写真家、批評家……。異なる10の才能が描いた“辞書と言葉と想い”の小さな物語。 文月悠光「制服の神さま」 澤西祐典「辞書に描かれたもの」 小林恭二「或る騒動」 中川大地「レキシカントは言霊生命の夢を見るか?」 三遊亭白鳥「無頼漢、直治伝。」 藤谷文子「引っ越し前」 木村衣有子「やきとりらしさ」 加藤ジャンプ「辞書ラブ」 小林紀晴「触れる」 藤谷治「祖父のルーペ」