著者 : 片岡忠彦
明治19年、薩摩出身の有馬四郎助が看守として赴任した北海道・樺戸集治監は、12年以上の受刑者ばかりを集めた、まさに地の果ての獄だった。監獄で次々と起こる奇怪な事件に巻き込まれた四郎助が目にしたものとは
空知集治監に滞在する四郎助は、看守長・高野襄と共に監獄を騒がす怪事に遭遇してゆく。ある日、監獄教誨師・原胤昭が命を狙われていることを知り…。薩長閥政府の功罪と北海道開拓史の一幕を描く圧巻の明治小説。
ついに天下を取り、お市の忘れ形見・ちゃちゃ姫を手に入れた秀吉。彼女を籠絡すべく、秀吉は男女の秘戯を見せつける。老醜な権力者のあらん限りの欲望が明らかとなり…! 英雄・秀吉の真の姿を暴く山風版・太閤記。
初代警視総監川路利良を先頭に近代化を進める警視庁と、元江戸南町奉行たちとの知恵と力を駆使した対決。綺羅星のごとき明治の俊傑らが銀座の煉瓦街を駆けめぐる。風太郎明治小説の代表作。
文明開化の世に次々と起きる謎の事件。それに挑むのは、紳士探偵・結城新十郎とその仲間たち。そしてなぜか、悠々自適の日々を送る勝海舟も介入してくる……世相に踏み込んだ安吾の傑作エンタテイメント。
聖遷暦一二一三年、偽りの平穏に満ちたカイロ。訪れる者を幻惑するイスラムの地に、迫り来るナポレオン艦隊。対抗する術計はただ一つ、極上の献上品「災厄の書」。それは大いなる陰謀のはじまりだった。
主婦というよろいをまとい、ラプンツェルのように塔に閉じこめられた私。28歳・汐美の平凡な主婦生活。子供はなく、夫は不在。ある日、ゲームセンターで助けた隣の12歳の少年と突然、恋に落ちたーー。
ハーヴァード大の図像学者ラングドンはスイスの科学研究所長からある紋章について説明を求められる。それは十七世紀にガリレオが創設した科学者たちの秘密結社〈イルミナティ〉のものだった。
ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。死体はグランド・ギャラリーに、ダ・ヴィンチの最も有名な素描〈ウィトルウィウス的人体図〉を模した形で横たわっていた。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を求められる。現場に駆けつけた館長の孫娘で暗号解読官であるソフィーは、一目で祖父が自分にしか分からない暗号を残していることに気付く……。
館長が死の直前に残したメッセージには、ラングドンの名前が含まれていた。彼は真っ先に疑われるが、彼が犯人ではないと確信するソフィーの機知により苦境を脱し、二人は館長の残した暗号の解読に取りかかる。フィボナッチ数列、黄金比、アナグラム……数々の象徴の群れに紛れたメッセージを、追っ手を振り払いながら解き進む二人は、新たな協力者を得る。宗教史学者にして爵位を持つ、イギリス人のティービングだった。
ティービング邸で暗号解読の末、彼らが辿り着いたのは、ダ・ヴィンチが英知の限りを尽くしてメッセージを描き込んだ〈最後の晩餐〉だった。そしてついに、幾世紀も絵の中に秘され続けてきた驚愕の事実が、全貌を現した! 祖父の秘密とその真実をようやく理解したソフィーは、二人と共に、最後の鍵を解くため、イギリスへ飛ぶーー。キリスト教の根幹を揺るがし、ヨーロッパの歴史を塗り替えた世紀の大問題作!
就職活動中の櫂は、耳の不自由なバイオリニスト、沙絵と出会う。同じ大学の3人を加え、5人で「オレンジの会」を結成。忘れられない青春の日々は、友情が恋に変わる季節でもあった。ドラマノベライズ。
「僕があなたを恋していること、わからないのですか」昭和27年、国分寺。華麗な西洋庭園で行われた夜会で、彼はまっしぐらに突き進んできた。庭を作る男と美しい人妻。至高の恋を描いた小池ロマンの長編傑作。