著者 : 玉木亨
記憶を吸い取る“ポラロイドカメラ”を手にした謎の男が現れる『スナップショット』、森林火災が迫る町で起きた不可解な銃撃事件を追う『こめられた銃弾』、スカイダイビング中に不思議な雲に迷い込んだ男の追憶『雲島』、奇妙な雨が降り、あらゆるものが命を奪われていく『棘の雨』の4篇収録。デビュー作にしてブラム・ストーカー賞に輝いたモダンホラーの奇才が放つ、怪奇幻想文学中篇集。
愛妻を亡くし、ケンブリッジの図書館を定年退職したばかりのわたしのもとへ、ある日一通の奇妙なメールが届く。添付されていたフォルダには、突然失踪した姉をさがす男の手記と、その女性に飼われていた猫に関する信じがたい情報がおさめられていた。猫は人間の言葉をしゃべり、血も凍るような過去を語っていたー。わたしは好奇心に駆られて、真偽を確かめようと調査にのりだす。予測不可能な恐ろしい事態に巻きこまれるとも知らずに…。ミステリ、ホラー、文学への愛がたっぷり詰めこまれた、不死の猫をめぐる不思議でブラックな物語!
第二次大戦末期、敗色濃厚のナチス親衛隊 は全力を結集して、ある作戦を実行に移す べく実験を繰り返していた。作戦名「ニー ベルンゲン作戦」。実行者に選ばれたのは、 “狙撃の名手”の異名をとるドイツ軍武装親 衛隊のレップ中佐だった。彼が標的として いるのは誰なのか? 作戦の存在を探りあ てたアメリカ陸軍戦略事務局のリーツ大尉 と英国陸軍特殊作戦局のアウスウェイス少 佐は、その全容を明らかにしようと奔走す るが……。巨匠ハンターの鮮烈なるデビュ ー作、ついに復刊!(解説・関口苑生) Stephen Hunter スティーヴン・ハンター 1946年ミズーリ州カンザスシティ生まれ。68年ノースウェスタン大学卒業。71年ボルティモアサン紙に入社。書評担当などを経て映画 批評担当になる。96年ワシントンポスト紙に転じ、映画批評部門のチーフとなる。2003年ピューリッツアー賞(批評部門)を受賞。 〈扶桑社ミステリーの スティーヴン・ハンター作品〉 『極大射程』(上・下) 『ダーティホワイトボーイズ』 『ブラックライト』(上・下) 『狩りのとき』(上・下) 『悪徳の都』(上・下) 『最も危険な場所』(上・下) 『ハバナの男たち』(上・下) 『四十七人目の男』(上・下) 『黄昏の狙撃手』(上・下) 『蘇えるスナイパー』(上・下) 『デッド・ゼロ 一撃必殺』(上・下) 『ソフト・ターゲット』(上・下) 『第三の銃弾』(上・下) 『スナイパーの誇り』(上・下) 『Gマン』(上・下) ------------------ 『さらば、カタロニア戦線』(上・下) 『我が名は切り裂きジャック』(上・下)
「浜辺で踊る白い服の女の子を見た」そう話した翌日、女性はシェトランドのアンスト島で失踪し、ペレス警部たちが捜索を開始してまもなく死体で発見された。彼女はテレビ番組制作者で、親友の結婚式のため夫や友人と島を訪れていた最中の悲劇だった。彼女の見た“少女”と事件との関わりは……CWA最優秀長編賞の栄誉に輝いた現代英国本格ミステリの名シリーズ、新たなる傑作長編。解説=松浦正人
アルツハイマー病を患うジェニファーに殺人容疑がかけられる。殺されたのは彼女の親友で、なぜか死体の右手は4本の指が切断されていた。手を専門とする整形外科医だったジェニファーは重要参考人として事情聴取を受けるが、病気のせいで、体調次第では親友のことさえ思い出せない。彼女の曖昧な記憶や独白など、パズルのピースのように断片的な記述が描き出す衝撃の真相とは。
公営アパートで肘掛け椅子に座ったまま男性が凍死した。自殺の可能性が高いとされたが、取材に訪れた新聞記者のドライデンは疑問をおぼえる。死んだ男は金に困っていたが、部屋のコイン式電気メーターには硬貨が補充されていた。自殺する人間がそんな行動をとるだろうか?ドライデンの丹念な調査と明晰な推理によって、少しずつ解かれていく人々の秘密。端正な英国本格ミステリ。解説=若林踏
わたしはジェニファー。わたしは六十四歳。わたしは認知症。ノートにその日にあった出来事を書いている。ある日、貼ってある新聞の切り抜きを見つけた。「アマンダ・オトゥール(75)が不審死。右手の指が四本切断されていた」。アマンダは親友だった。彼女を殺した覚えはない。でも警察が会いにきたし、ノートからは事件当日のページが切り取られているー。親友の殺害容疑をかけられた、認知症を患う女性。彼女の独白とノートに書かれた文章、介護人や娘たちが記した伝言の断片で綴られた衝撃作!
わたしはジェニファー。わたしは64歳。わたしは認知症。ノートにその日にあった出来事を書いている。ある日、貼ってある新聞の切り抜きを見つけた。「アマンダ・オトゥール(75)が不審死。右手の指が4本切断されていた」。アマンダは親友だった。彼女を殺した覚えはない。でも警察が会いにきたし、ノートからは事件当日のページが切り取られているー。親友の殺害容疑をかけられた、認知症を患う女性。彼女の独白とノートに書かれた文章、介護人や娘たちが記した伝言の断片で綴られた衝撃作!
かつて捕虜収容所だった発掘現場で奇妙な骸骨が発見された。その男は脱出用と思われるトンネルを収容所に向かって這い進んでいたうえ、額を拳銃で打ち抜かれていたのだ。脱走兵にしては謎めいた殺害状況に、新聞記者ドライデンは調査を開始する。だが数日後、同じ現場で新たな死体を発見し…。過去と現在を繋ぐ謎の連鎖と緻密に張られた伏線が魅せる、英国本格ミステリの精華。
フツーの話にも、ヘンな話にも、 飽きてきたあなたへ。 絶妙にひねくれた短編12編。 特に「買いもの」は必読! ーー青崎有吾推薦 フランク・ヒューイットは芸能界の大スター。殺し屋の“わたし”は彼の殺害を依頼され……。二転三転するスター暗殺劇の意外な顛末を描いた英国推理作家協会短篇賞受賞作のほか、刑事の相棒に赤ん坊が採用され一緒に捜査を行う「マイロとおれ」、買いものリストだけで成り立つ異色作、ミステリ出版界の裏事情を語る一篇など多彩な12作。奇想とユーモアあふれる傑作短篇集です。解説=野崎六助
奇妙な噂がささやかれる映画館で隣に座ったのは、体をのけぞらせ、ぎょろりと目を剥き、血まみれになった“あの女”だった。4年前『オズの魔法使い』上映中に19歳の少女を襲った出来事とは!?(『二十世紀の幽霊』)。そのほか、ある朝突然昆虫に変身する『蝗(いなご)の歌をきくがよい』、ダンボールでつくられた精密な要塞に迷い込む怪異を描く『自発的入院』など……。デビュー作ながら驚異の才能を見せつけて評論家の激賞を浴び、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞、国際ホラー作家協会賞の3冠を受賞した怪奇幻想短篇小説集。
ホワイトハウスの腐敗を厳しく弾劾する無党派議員チャーリーは、国民の熱狂的な支持をえて大統領の座に向かって着実な前進を続ける。脅迫、買収、盗聴、謀略…あらゆる手を使って追い落しの罠をしかける保守派議員たち。卑劣な政敵との緊迫した闘いとワシントン政治の内幕を暴くポリティカル・サスペンス。