著者 : 睦月影郎
昭和二十年、敗戦色濃い横須賀。十九歳の島田紘治は徴兵検査を目前に控えて悶々としていた。脳裏に浮かぶのは女学校を出たての清楚な美少女、咲子の姿。なかなか想いを告げられぬ純情な紘治だったが、血気盛んな若い肉体は出征した夫の留守を守る貞淑な人妻たちを否応なく惹きつける。やがて訪れた恍惚の初体験。紘治は熟れた柔肌に己の全てを委ねる。エロスの巨星による渾身の性春賛歌!長編書き下ろし。
虹夫は、高校時代の恩師・由希子の招きで彼女の故郷を訪ねていた。その町では「蜃気楼を見て人魚と接触した男は性的パワーが増強」という噂だった。夕方、早々に蜃気楼を目撃した彼は、謎の美少女と出会って昇天させられ、以降、彼の女性運は急上昇。由希子の叔母、その娘ー他と関係を重ねていくが…。人気作家による書下し官能絵巻!
一度関係を持った女性に違和感を覚え、その源を探るべく、再びの逢瀬を約した男が性愛の深淵を覗き見ることになる「淫欲溢れてやまず」。恋人とベッドを共にしていても、少年の頃から憧れていた義姉の姿に思いを重ねてしまう男の情欲を描く「死んでもいい」など、第一線の人気作家による書き下ろし官能アンソロジー。
大学の先輩が女性向けの護身術の教室を始めることになり、道場の二階に管理人として住むことになった雄司。痴漢役で手伝うこともある、という話だったが、早速その女性師範から迫られ、童貞を失う。それを境に、「童貞」のふりをしつつ、美人大学講師、道場を貸している大家の妻たちと関係を持ってしまうがー。斯界一の売れっ子作家による書下し官能!
中学時代に書店で運命的に出会ってから、何度もオカズにした写真集『アリス館』の中の美少女・亜利沙。 そんな彼女と同じ大学の先輩後輩として出会った主人公・宇佐夫は、滾る想いを抱きつつも悶々と毎日を過ごしていた。 とある夏、同級の美女・真希からひと夏のアルバイトに誘われるが、なんと亜利沙の別荘でのリゾートバイトで……。 夢にまで見たアリス館で美女たちと過ごす夏。 館に常駐する美しいメイドに頼まれたのは、「お嬢様の純潔を、奪ってほしい」というものだった……。
単身赴任の徳永丈二は四十五歳。休日、趣味の剣道に稽古着姿で出かけ、妖しい黒い突風に巻きこまれた。気がつくとそこは文化年間の江戸、持っていた葵の紋の手拭いから水戸徳川家縁の者と誤解され、奇妙で艶めいた体験の日々が始まった(中編「とろり蜜姫」)。他に時代官能短編四編収録の睦月影郎満漢全席。
女占い師、由良子に「向こう一年は、人生で最大の女性運」と告げられた中田史郎の日常は激変した。次々と告げられる謎の言葉は、ことごとく的中し、史郎は美女たちとの悦楽の日々を堪能する。今日も結婚間近の部下、由貴子との思いがけないひと時が目前に迫っていた。週刊現代連載の連作官能短編10編収録。
母の死を機に、江戸へと単身やって来た正助。小間物問屋で奉公していると、豊満で魅力的な内儀・タキに快楽の味を教えられ、美しいわがまま娘の桃とも濃密なときを重ねる。そんな折、大名屋敷への遣いを頼まれる。そこで知った“正助はご落胤”という驚愕の事実!俄に殿様となった正助には、正室、側室、侍女と、豪華絢爛な美女を侍らせ三昧の日々が待っていた!
短いから、気持ちいい。「10分で読める」官能短篇集 長けりゃ、いいってもんじゃない。 小説現代に好評掲載された「10分で読める」短編官能小説集。勝目 梓「始末書」/阿部牧郎「水牛になった女」/西澤保彦「タイツの秘密」/睦月影郎「あによめ」/藍川 京「妖天女」/南 綾子「かえるのうたがきこえてくるよ」/大石 圭「隣室の客人」/蛭田亜紗子「さなぎのなかみ」/草凪 優「 スカートの中」/平山夢明「おまえのおふくろはべったべた」。短いから、気持ちいい。10人が贈る極上の競宴。 「始末書」 勝目梓 「水牛になった女」 阿部牧郎 「タイツの秘密」 西澤保彦 「あによめ」 睦月影郎 「妖天女」 藍川京 「かえるのうたがきこえてくるよ」 南綾子 「隣室の客人」 大石圭 「さなぎのなかみ」 蛭田亜紗子 「スカートの中」 草凪優 「おまえのおふくろはべったべた」 平山夢明
「SM小説は単なるポルノでは終わらせない、俺が文学にまで高めてやる」老いてなお盛んだった故・団鬼六氏の遺志を、その生前より受け継ぎ、男女の情愛と人間の業を、徹底的に肯定し、文学として昇華することを目指す書き下ろし官能文芸。 常識やルールに縛られない恋愛小説を世に問う裏には、妄想の復権という目論見もあります。あらゆる場所が閉塞感に満ち満ちている時代に、妄想力に溢れた情愛小説こそがなにかを突破していくと。 「悦」は一流の官能作家陣、賛同を得て越境してくる別ジャンルの作家陣、また、異能のエッセイストたちによって、ワンランク上の官能文芸を総合的に提供しています。
内藤新宿に店を構える薬種問屋『蓬莱屋』の三男・三吉は、姑の薬代が嵩み、困り果てた御家人の新造の加代から、何とか五十両を工面してくれないかと相談された。媚薬も扱う同業の『玉泉堂』の女将・泉から、加代の淫水や和合水を採ってくるなら五十両を用立てても良いと言われた三吉は…。好評書き下ろしシリーズ第七弾。
倉沢藩三百万石の下級武士・小森純吾は、伯母の厠を覗いたことが見つかり、強く叱責される。意気消沈したまま「天狗山」へと入っていく純吾。そこで不思議な美女と出会い、情を交わす。その後不思議なことに、純吾の異性関係がうまく行き始める。叱責された伯母、薙刀の師範、従妹、そして下女まで…。超人気作家による待望の時代官能書き下ろし。
鎌倉の実家の近くで今日介は、黒髪の甘い香りと長い睫毛が魅力的な和服の若妻、森下美佐子と知り合う。草履の鼻緒を直すため、誰もいない今日介の実家へ。そして、足のツボを診ることに。白い足袋を脱がし、素足の裏が露わになって…。官能の名匠が贈る新境地、その第1シリーズ完結編。週刊現代連載小説。
文具メーカーに勤務する与野今日介。ごく普通のメタボ中年だった彼に今、思いがけない女運の風が吹いていた。同業各社が集まるイベント、隣のブースのコンパニオン・早瀬彩乃は長身、ロングヘアの23歳。彼女と格闘技の話で親しくなり、そして部屋まで行ってしまう…。官能の名匠が贈る傑作。週刊現代連載。
知的で颯爽とした二十七歳の美人OL、松永夕香。「お願い、課長。お部屋まで…」酔った彼女をマンションまで送ったメタボ中年・与野今日介に衝撃の一夜が訪れようとしていた。だが、それは女房以外の女に触れたこともなかった彼に巡ってきた女運の序章に過ぎなかった。官能の名匠が贈る快作。
噂に聞いていた女剣士が洋之進の町道場にもやってきた。六尺ばかりの長身だが、髪を束ねて垂らした美しいその女の名は冴木澄香。江戸中の剣術道場に出没しているという。一方の洋之進だが実は剣術は大の苦手。やむなく気の進まない立ち会いをするが…、彼の毎日は一変していく。
幕末の嵐も間近の文久の頃、十八歳の若者、高原丈九郎は美しい兄嫁、美苗と旅路を急いでいた。兄を斃した長身美麗の武芸者、冴木澄香を仇と追っていたのだ。小藩の武家の九男坊で戯作者を夢見ていた丈九郎の、他家の養子にでもなるしかなかった人生が一転、めくるめく時を迎える。
「生身の女の方が、ずっと良いんだよ」春画の摺物屋で働く藤介は、未亡人となった美貌の女将、深雪にいきなり迫られ、頭のなかが空っぽになった。まして、手すさびの現場を見られた矢先のこと。憧れていたとはいえ、大恩ある亡き主の妻である。いまだ女体に触れたこともない藤介は、滾り立つ欲望に抗しきれず、やがて…。大好調!睦月時代官能、絶頂の最新刊。
長患いしていた薬種問屋の一人息子藤吉は、手すさびを覚えたことですっかり元気になった。おまけに女性の淫気の強弱がわかるという、奇妙奇天烈な能力が身についたのだ。ある日、病に伏すお武家のご新造を見て、原因は淫気の高まりと看破した藤吉は、按摩で気を解放させた。するとご新造が乱れだし…。好奇心旺盛な童貞と妖艶な美女たちの、めくるめく時代官能。