著者 : 石田夏穂
ミスター・チームリーダーミスター・チームリーダー
理想を求める中間管理職の奮闘に切り込む、シニカルなボディ・メイキング文学。勤務先で係長に抜擢された後藤は、ボディビルの選手でもあった。ある日、社内の人材の無駄に切り込み組織の代謝を上げると大会に向けて停滞中だった減量も進むことに気づき、身体を仕上げるべくチームの脂肪の除去に驀進し始める。肉体と組織がシンクロしたとき、たたき出されるのはベストパフォーマンスか、それともーー
我が手の太陽我が手の太陽
“お前は自分の仕事を馬鹿にされるのを嫌う。お前自身が、誰よりも馬鹿にしているというのに。”腕利きの溶接工が陥った突然スランプ。日に日に失われる職能と自負。異色の職人小説。第169回芥川賞候補作。
黄金比の縁黄金比の縁
顔の縦と横の黄金比を満たす者を選ぶと「入社三年以内の退職率」が上がる。(株)Kエンジニアリングの新卒採用チームの小野は、自身が辿り着いた評価軸をもとに、業務に邁進する。黄金比の「縁」が手繰り寄せたのは、会社の思わぬ真実だった…。
我が友、スミス我が友、スミス
ステートメント・ピアス、脱毛、タンニング、12センチのハイヒール、ハイビスカス色のビキニ…。U野は筋トレに励む会社員。Gジムで自己流のトレーニングをしていたところ、O島からボディ・ビル大会への出場を勧められる。筋トレと食事管理によって体は引き締まっていくが、大会で結果を残すには筋肉のみならず「女らしさ」も鍛えなければならなかった。世の常識に疑問を投げかける圧巻のデビュー作。第166回芥川賞候補作。第45回すばる文学賞佳作。
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