著者 : 竹田真砂子
牛込御門余時牛込御門余時
牛込御門近くに建つ吉田御殿。ここで暮らす徳川秀忠の娘・千姫が、夜な夜な男をもてあそび、殺害するとの噂がたつが、その真相は…(「千姫と乳酪」)。家綱公の旗本、大久保彦六。雨中休業中の市松座を、直参の沽券で開かせたのはいいが…(「九枚の皿」)。茶屋の娘と孤老の武士のはかない交流、歌舞伎役者に入れ込む旗本の奥方など、牛込界隈を舞台にさまざまな人間模様を描く八編を収録。
桂昌院藤原宗子桂昌院藤原宗子
大奥で「玉の輿」として上りつめた五代将軍・綱吉の母の激烈な一生。京での幼きお玉時代から、三代将軍・徳川家光の側室となり従一位まで上りつめた桂昌院。女の嫉妬渦巻く大奥での真剣あいうつ駆け引き。波瀾の女人の一生を描く書き下ろし長編。
鏡花幻想鏡花幻想
神楽坂の芸者桃太郎との出会いは、新進作家泉鏡花の前途に大きな影響を与えた。絶対的権力をもつ師の尾崎紅葉がこの恋に猛反対した件は、のちに「婦系図」のお蔦と主税に投影される。だが桃太郎は結局鏡花の妻となり、苦難の鏡花を側面から支え続けた。耽美小説の祖泉鏡花の原点と生涯を精密に描く評伝。
信玄公ご息女の事につき信玄公ご息女の事につき
時は戦国時代。名将・武田信玄の三女にして、木曽義昌のもとへ嫁がされた“甲州御前”万里姫を、過酷な運命の数々が襲う。夫との不仲、姑との確執、そして、木曽家の凋落…。信長、秀吉、家康と、あいつぐ天下取りの荒波に揉まれながらも、誇り高く、気丈に生きた女の生涯を流麗な筆致で描いた歴史絵巻。
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