著者 : 羽田圭介
世間が抱くクリーンなイメージを維持するために、押しつぶされそうになる俳優。過去の失敗から、自らをコントロールすることに腐心する脚本家。不祥事を起こした著名人をSNSで弾劾し、恵まれない人生の憂さ晴らしをする会社員。親に黙って整形し、歌とビジュアルを武器に動画配信で荒稼ぎする女子高生。タブーに縛られ、タブーに魅せられた人生が交錯する先に現れたのは、「理想」の世界か、それともー?
物を捨てよ、心も捨てよ。ミニマリストの男が直面するSDGs時代の悲喜劇。必要最低限の物だけで暮らすライターの男。物だけでなく人間関係にも淡泊で、同志が集うサイトの運営と投資で生計を立て、裕福ではないが自由でスマートな生活を手に入れた。だがある日、その人生に影が差す。自分の昔の所業を知る人物が現れたのだ。過去は物ほど簡単には捨てられないのか。更新される煩悩の現在を鋭く描く。
外資系食料品メーカーの事務職として働く元地下アイドルの華美は、 生活費を切り詰め株に投資することで、 給与収入と同じ配当を生む分身(システム)の構築を目論んでいる。 恋人の直幸は「使わないお金は死んでいる」と華美を笑うが、 とある人物率いるオンラインコミュニティ活動にのめり込んでゆく。 そのアップデートされた物々交換の世界は、 マネーゲームに明け暮れる現代の金融システムを乗り越えゆくのだ、と。 やがて会員たちと集団生活を始めた直幸を取り戻すべく、 華美は《分身》の力を使おうとするのだが……。 金に近づけば、死に近づく。 高度に発達した資本主義、その欠陥を衝くように生まれる新たな幻影。 羽田圭介の新たな代表作。
編集者須賀は作家と渋谷で打ち合わせ中、スクランブル交差点で女の子を襲うゾンビを目撃。各地で変質暴動者=ゾンビの出現が相次ぐ中、火葬されたはずの文豪たちまで甦り始め…。デビュー10年目の極貧作家K、久しぶりに小説を発表した美人作家桃咲カヲル、家族で北へ逃げる小説家志望の南雲晶、区の福祉事務所でゾンビ対策に追われるケースワーカー新垣、ゾンビに噛まれてしまった女子高生青崎希。この世界で生き残るのは誰か? 編集者の須賀は作家と渋谷で打ち合わせ中、スクランブル交差点で女の子を襲うゾンビを目撃する。各地で変質暴動者=ゾンビの出現が相次ぐ中、火葬されたはずの文豪たちまで甦り始め…。デビュー10年目の極貧作家K、久しぶりに小説を発表した美人作家の桃咲カヲル、家族で北へ逃げる小説家志望の南雲晶、区の福祉事務所でゾンビ対策に追われるケースワーカーの新垣、ゾンビに噛まれてしまった女子高生の青崎希。この世界で生き残れるのは誰なのか!?
「じいちゃんなんて早う死んだらよか」。ぼやく祖父の願いをかなえようと、孫の健斗はある計画を思いつく。自らの肉体を筋トレで鍛え上げ、転職のため面接に臨む日々。人生を再構築中の青年は、祖父との共生を通して次第に変化してゆくー。瑞々しさと可笑しみ漂う筆致で、老人の狡猾さも描き切った、第153回芥川賞受賞作。
「あなた、まだ、自分が生きていると思っているんですか?」編集者の須賀は作家と渋谷で打ち合わせ中、スクランブル交差点で女の子を襲うゾンビを目撃する。各地で変質暴動者=ゾンビの出現が相次ぐ中、火葬されたはずの文豪たちまで甦り始め……。この世界で生き残れるのは誰なのか!? 芥川賞受賞で話題を攫った羽田圭介が現代日本を撃つゾンビ・サバイバル問題作! 「あなた、まだ、自分が生きていると思っているんですか?」 編集者の須賀は作家と渋谷で打ち合わせ中、スクランブル交差点で女の子を襲うゾンビを目撃する。各地で変質暴動者=ゾンビの出現が相次ぐ中、火葬されたはずの文豪たちまで甦り始め……。 デビュー10年目の極貧作家K、久しぶりに小説を発表した美人作家の桃咲カヲル、家族で北へ逃げる小説家志望の南雲晶、区の福祉事務所でゾンビ対策に追われるケースワーカーの新垣、ゾンビに噛まれてしまった女子高生の青崎希。 この世界で生き残れるのは誰なのか!? 芥川賞受賞で話題を攫った羽田圭介が現代日本を撃つゾンビ・サバイバル問題作!
すべての女は男の携帯を見ている。男は…女の携帯を覗いてはいけない!同棲する彼女の携帯を軽い気持ちで盗み見たことから生まれた、小さな疑い。だが、疑いは疑いを呼び、秘密は深まるばかり。引き返せなくなった男の運命は?話題の芥川賞作家による、驚愕の家庭内ストーキング小説。
その男には2つの顔があった。昼は高齢者に金融商品を売りつける高給取りの証券マン。一転して夜はSMクラブの女王様に跪き、快楽を貪る奴隷。よりハードなプレイを求め、死ぬほどの苦しみを味わった彼が見出したものとはーー芥川賞選考委員の賛否が飛び交った表題作のほか、講師と生徒、奴隷と女王様、公私で立場が逆転する男と女の奇妙な交錯を描いた「トーキョーの調教」収録。
僕が入社したのは、悪徳ブラック企業!?過酷な労働と精神的負担で営業部員は半年で辞めていく中、事務職の僕は無難に仕事をこなし二年目に。唯一の楽しみは、会社や駅のトイレでくつろぐこと。素性不明なトイレ常連メンバーたちと静かな個室争奪戦を毎日繰り広げる。しかし、ある電話がきっかけで、日常が一気に崩れ出す。限界に達した僕は、退職を決意するが…。芥川賞作家の話題作。
第153回芥川賞受賞作 「早う死にたか」 毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、 ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。 日々の筋トレ、転職活動。 肉体も生活も再構築中の青年の心は、衰えゆく生の隣で次第に変化して……。 閉塞感の中に可笑しみ漂う、新しい家族小説の誕生!
年上の彼女を追いかけて、おれは恋の穴に落っこちた…男子校に通う高1の遠藤は、女子校に通う高3の彼女と、年下であることを隠してつきあっている。二人の、SMならぬSSというおかしな関係の行方は?恋もギターもSEXも、ぜーんぶ“エアー”な男子の“純愛”を描く、各紙誌絶賛の青春小説。
授業をさぼってなんとなく自転車で北へ走りはじめ、福島、山形、秋田、青森へ……友人や学校、つきあい始めた彼女にも伝えそびれたまま旅は続く。二十一世紀日本版『オン・ザ・ロード』と激賞された話題作!
兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、選考委員を驚愕させた、恐るべき一七歳による第四〇回文藝賞受賞作。