著者 : 羽田詩津子
名探偵エルキュール・ポアロは友人であるミステリ作家のオリヴァ夫人から、田舎の屋敷グリーンショアに呼び出された。祭りの余興である犯人探しゲームで、何か不穏な事態が起こりつつあるようだ。なんとか事件が起きるのを防いでほしいー原稿が完成しながらもある事情から発表されず、近年になって発見された幻の中篇がついに登場!
念願叶って、ついにアガサはハンサムな隣人ジェームズとの結婚にこぎつけた。ところが式の最中に「中止しろ!」と叫ぶ声が。なんと、酒浸りでとっくの昔に死んだ(とアガサは自分に言い聞かせていた)はずの夫ジミー・レーズンが現われたのだ!赤っ恥をかかされた新郎ジェームズはアガサに激怒し、結婚式は即刻中止。アガサにとって悪夢のような一日が明けた翌朝、驚くべきことにジミーが村のはずれで遺体となって発見され、真っ先にアガサとジェームズが警察から疑われた。二人は嫌疑を晴らすため、やむなく協力して犯人捜しをすることに。皮肉にも「夫婦」と偽って潜入捜査しなければならない状況にもめげず、アガサたちはジミーがかつて出入りしていたという、彼には不釣り合いなほど高級な健康施設で手がかりをつかみ…!?
ロンドンで半年間の仕事を終え、カースリーの村にようやく戻ってきたアガサのもとに、初の探偵仕事が舞いこんだ。依頼人はハイキングクラブの女性。仲間が貴族の領地で殺された事件を調べてほしいという。さっそく手がかりを求めて貴族の屋敷を訪ねると、そこに待ちうけていたのは鼻持ちならない執事。「素人探偵」と一蹴され、いつも強気なアガサも上流階級の雰囲気のなかで調子がでない。そこへ助け舟を出してくれたのは、愛しの隣人ジェームズだった。夫婦と偽って捜査をすることになり、かりそめの夫婦生活を送るふたりに意外な心境の変化が訪れる。いっぽう、肝心の捜査は嘘つきだらけのクラブ仲間や貴族、くだんの食えない執事に翻弄されるばかりで!?
容姿も家事も完璧。ガーデニングまで得意な未亡人メアリーが引っ越してきて、小さな村の住人たちは美しい新参者に夢中になった。とくに、アガサの隣人ジェームズは彼女にご執心の様子。恋敵の登場で闘争心に火がついたアガサは、ガーデニング・コンテストで入賞して村のみんなをあっと言わせようと、苦手なガーデニングに挑戦することに。ところが、いつもの変な意地を張ったせいで、またもや「ズル」をしなければならない状況に追いこまれてしまい…。おりしも村では、自慢の庭が次々と荒らされる奇妙な事件が発生。人気を取り戻したい一心でアガサは犯人捜しに乗りだすが、そのときはこれが悲劇の幕開けとは夢にも思わず…!?人気シリーズ第3弾!
嫌われ者の老退役大佐が殺された。しかも現場が村の牧師館の書斎だったから、ふだんは静かなセント・メアリー・ミード村は大騒ぎ。やがて若い画家が自首し、誰もが事件は解決と思った…だが、鋭い観察力と深い洞察力を持った老婦人、ミス・マープルだけは別だった!ミス・マープルの長篇初登場作を最新訳で贈る。
カーステアズ家の子どもたち、14歳のダイナ、12歳のエイプリル、10歳のアーチーは、勇んで探偵に乗り出した。お隣りのサンフォード家の奥さんが射殺されたのだ。でもおかしい。銃声は二発聞こえたのに、被害者が撃たれたのは一発だけ。そしてサンフォードさんの旦那さんも姿を消して…ミステリ作家のお母さんを有名にするために、子どもたちの大活躍が始まった!ほのぼのユーモアたっぷりの本格ミステリ、新訳で登場。
これまで数々の難事件を解決してきた元新聞記者にして地元の名士クィラランと不思議な推理力を持つ飼い猫のココ。彼らの知られざる日常や、事件の裏エピソードを知りたくはありませんか?本書ではクィラランがつけている日記の一部をご紹介し、ココとヤムヤムの秘密や、登場猫紹介、ためになるココの格言など、クィラランの猫たちに対する愛情に迫ります。豪華イラスト入り、全22篇収録のシリーズ番外短篇集をどうぞ。
ピカックスに新しい住人セルマがやってきた。彼女は元ハリウッド女優の老婦人で、最近事故で弟を亡くしており、遺された甥と共に映画館を造るという。その舞台に地元の名士クィラランの飼い猫ココの出演が決まり、住民たちは興味津々。だが、セルマの周囲でペット誘拐など不審な出来事が相次ぎ、さらに、セルマの弟が殺害されたのではという疑惑が浮かぶ。ココは無事舞台を成功させ、なおかつ真実を突きとめられるのか。
もと新聞記者クィラランの親しい友人であるバンバ夫妻がブラック・クリークで宿屋を始めた。クィラランはココと共に陣中見舞に訪れるが、宿屋になっている建物が地元では幽霊屋敷として恐れられているという噂を耳にする。真相を暴こうとクィラランが調査に乗り出した直後、行方不明だった同宿の客が川で死んでいるのが発見され、宿泊客たちに容疑がかけられるが…混迷する事態にココの鋭い爪は真実を捕らえられるか。
クィラランの屋敷の近くに、アート・センターが完成した。開館直後、クィラランがココを連れてセンターを訪れると、複数の絵画が盗まれていることが判明した。さらに、センターの前に住む風変わりな老婦人コギンの農場が火事になり、中から彼女の焼死体が。死ぬ直前、彼女が土地を売って大金を手にしていたと知ったクィラランは、絵画の盗難事件と不審な火事の関連を探る…鳥と遊ぶシャム猫ココが導いた意外な真相は。
都会の片隅に生を享けた黒猫フーディーニ。ある日、一人の若い女性に拾われてから日々は一変、飼い猫としての目まぐるしい日常が始まった。同居人は、飼い主のカップル、赤ん坊、犬、世間知らずの子猫グレース。やがて妻となる美しく無邪気な子猫グレースに語りかける、彼の人生、彼の哲学。
犯罪心理学者のヘレン・ハドソンは、連続殺人鬼のカラムに命を狙われて以来、広場恐怖症になり、部屋に籠もって怯え暮らしてきた。サンフランシスコ市警の辣腕女性刑事モナハンは、再び起きた女性連続殺人を解決する糸口を探していたー。モナハンの要請で、連続殺人の手口を分析したハドソンは、不気味な事実に気がついた。誰かが過去の異常犯罪の手口をコピーしていることに…。
爆発は右前輪の真下で起きた。爆風は運転席を直撃し、彼女をばらばらに吹き飛ばした。助手席のドッグは声をかぎりに悲鳴をあげ、やがて気を失った…。十年前にIRAの爆弾テロで恋人を失い、自らも顔に醜い火傷を負ったドッグ・シセロ警部にとって、今回の誘拐事件は過去の苦い記憶を呼びさますものだった。ロムチャーチで幼児が行方不明となり、捜査の過程でIRAが連れ去ったとの見方が有力となったのだ。子供の父親オリヴァーはIRAのメンバーで組織の資金を持ち逃げした矢先に不審な死を遂げていた。どうやらIRAはオリヴァーの死を偽装工作と考え、子供を囮に彼をおびきだそうとしているらしい。美しい未亡人のジェーンとともに必死の捜索を続けるドッグ。しだいに彼女に心ひかれていった彼は、子供の救出のため仇敵IRAを相手に捨身の勝負に出るが…。冒険サスペンスの名手が、男の孤独な闘いを描く最新作。
巨万の財産とCIAで身につけた殺人技術を武器に闘う謎の美女トモコ。国籍を失ったために巻き込んだのは、対照的な風俗ギャル智子。ふたりだけで日米複合秘密組織が牛耳る米軍、情報部、警察、ヤクザと対決し、アメリカ大統領記者会見の場へたどり着けるのか?日本を戦場と化すハードボイルド長篇。
あの時わたしが力をかしていたなら…。荒れた手に銀の指輪をした彼女の面影が、今も頭から離れない。紛失したグリーン・カードを見つけてほしいと言い残して姿を消したマヌエーラという女性が、死体となって発見されたのだ。カードと殺人には何か関係が?調査を始めたわたしの前に、やがて不法移民を食いものにする犯罪組織の存在が。私立探偵兼タクシー運転手のカーロッタが人情味溢れる活躍を見せるシリーズ第二弾。
この光景は以前にも見たことがある。女子大生のリネイは、部屋の鏡に残された血痕を見たとたん、遠い日の記憶をかすかに取りもどした。腕から血を流している母の姿ーだが、あの時いったい何が起きたのか?忌まわしい記憶の断片に苛まれるリネイのもとに、やがて血染めの脅迫状が…。現在と過去の二つの悪夢が交錯する、気鋭女性作家の心理サスペンス。
ワシントンの超高級ホテルの一室で、情事中の大統領首席補佐官が急死したー。FBIは極秘調査を進め、大統領も新任の補佐官を選ぶべく早急に準備を始めた。やがて、候補者として三人の名前が新聞紙上を賑わすと、セカンドレディを夢みる妻たちは、虚々実々の駆け引きをし、ホワイトハウスの虚栄をさらけだす。三人の華麗な女性を魅了するワシントンの甘き誘惑を描いたロマンス。
どんな町にもはきだめのような場所があるだろう。このボストンでいえば、歓楽街コンバット・ゾーンがまさにそうだった。わたしはそこで、暴力事件の証人である脚に蛇の入れ墨をした売春婦を探していた。少年に頼まれ、金持ちの家出娘の捜索を引き受けたのはそんな時だった。のちに人生の暗い深淵をのぞき見ることになろうとも知らずに。私立探偵兼タクシー運転手、赤毛のカーロッタの人情味溢れる活躍を描く新シリーズ。