著者 : 藤倉詩音
美しき花嫁とすり替わった私は、 がっかりされる花嫁……。 花嫁姿のドミニクは分厚いベールに顔を隠し、新郎ギデオンの隣にいた。 この2カ月間、ギデオンを陰からひっそり見つめるうち、 ドミニクは誠実そうで温かな笑顔の彼にいつしか恋をしていた。 だが今、彼女の心は落ち着かなかったーー本当に私がギデオンと結婚を? これは従兄弟が考えた悪ふざけの計画。彼女の貧しい母に家を与え、 一生涯年金も払うと約束され、やむなく計画に協力してしまったのだ。 一方、ギデオンの心は浮き立っていたーーついに愛しの女性と結婚した! 金髪に青い瞳の美しい彼女は、この2カ月間、僕を魅了してきた。 ギデオンはたまらなくキスがしたくなり、新妻の顔を覆うベールを……。 その瞬間、彼は驚きに声を失った。このこげ茶色の髪の女性は、誰だ?! 悪友に騙されて見知らぬ花嫁ドミニクと結婚してしまったギデオン。婚姻を無効にするつもりだったのに、彼は意地を張ってドミニクを連れて新婚旅行に出かけ、それだけにとどまらず、はずみで初夜を共にしてしまい……。リージェンシーの旗手サラ・マロリーの傑作!
地味で目立たぬ灰かぶり娘に、 突然求婚した伯爵の真意は……? 母が突然病死したあと、サラは父に引き取られて田舎にやってきた。 そこで冷ややかに迎えられ、彼女は物語を書いたり、 困っている動物を助けたりして孤独を紛らわすのが習慣になった。 今は父も亡くなり、まるで修道女のようにつましく暮らしていたある日、 人数合わせのために呼ばれた隣家の夕食会で、 黒髪に顔だちの整ったラングフォード伯爵セバスチャンと出逢う。 翌日、狐を助けようと危険を冒して増水した小川を渡っていたところ、 身を挺して救ってくれた彼に、サラは人生初の胸のときめきを覚えた。 すると彼が驚きの言葉を告げた。「君が必要ーーいや、結婚してください」 だがそれは、口のきけない娘の世話をしてほしいという意味で……! 亡妻の愛人に誘拐され、心を閉ざしてしまった娘のために便宜上の結婚相手を探しているヒーロー。次に妻になる女性には愛情を持たないつもりでいる彼に恋してしまった日陰のヒロインの運命は?!それぞれ傷ついた心を抱えた登場人物が織りなす、感涙必至の物語。
結ばれぬ運命と思っていたのに、まさか、 この身に二人の秘密が宿るとは……。 エリザは家を飛び出し、土砂降りの中、あてどなく彷徨っていた。 借金のかたに年寄り貴族に嫁がされそうになっていた彼女を救い、 結婚してくれた幼なじみの夫から、同性の想い人がいると告白されたのだ。 私は一生夫婦の喜びを経験できないし、子供も持てないんだわ……。 すると、そこを通りかかった馬上のたくましき青年ネイトに拾われ、 ずぶ濡れのエリザは雨宿りをするうち、彼に身の上を吐露していた。 そして、せめてこの瞬間だけはと夢のような一夜を過ごし、 互いに名前しか知らぬまま、翌朝、それぞれ元の人生へ戻っていった。 7年後、事故で夫を失ったエリザは、ロンドンで思わぬ再会を果たすーー あの雨夜に授かった愛娘の父親、今や侯爵となったネイトと! 7年間想い続けてきた男性ネイトとの再会に舞い上がるエリザでしたが、侯爵位を受け継いだ彼はどうやら別のレディと婚約間近らしいと聞かされます。そのお相手というのが、かつてエリザが借金のかたに嫁がされそうになった年寄り貴族の娘で……。
もしもこの子を奪われたら、 どうやって生きていけばいいかわからない。 母亡き幼いトビーを我が子のように大切に育てているリリー。 そろそろ高い教育を受けさせてやりたいと考えていたとき、 異国から戻ってきたばかりのハンサムなレオ・デヴェローと知り合う。 レオがトビーの家庭教師をしてくれることになったのを機に、 リリーは彼に友情を、いや、それ以上の好意を抱き始めた。 一方、レオには秘密があったーー7年前、美しい女性と恋に落ち、 父には言わずに結婚したが、すぐに引き裂かれて異国へ追いやられた。 そして最近になって、じつは息子が生まれていたことを知ったのだ! トビーが本当に我が子かどうかを確かめるために、 レオはテイン公爵という身分を隠して、ここへやってきたのだった……。 共感できるヒロインが魅力のシンデレラ・リージェンシーを描く、話題の作家サラ・マロリー! レオはトビーが我が子とわかった時点で、リリーに荷造りを命じます。しかし、愛しいトビーを奪われては生きていけないと、彼女は夜陰に紛れて逃亡し……。
愛娘が知らずになついた相手は、 かつて愛し別れた、娘の父親だったーー ハナにとって、一人娘のオリビアだけが生きがいだった。 5年前、娘の父親ジャックとは、彼に妻子がいることが発覚して別れた。 あとになって妊娠していると気づいたものの、 非情にも、それを知らせる手紙は未開封のまま戻ってきたのだった。 今、そのジャックが小児外科医として目の前に現れ、 ハナは幼い娘とのささやかな幸せをかき乱されまいと、 とっさに娘の年齢をごまかして別の人との子であるように装った。 やがて改めてお互いを知るうち、当時ジャックはすでに妻と離婚し、 しかも別れたあとに生まれた子供の存在を隠されていたことがわかった。 元妻の行為に憤る彼を見て、ハナは娘が彼の子だと言いだせず……。 ドラマティックな展開と心に染みる言葉で読み手を魅了する大人気作家アリスン・ロバーツの名作! ヒーローが知らなかった子供の存在が鍵を握る生粋のシークレットベビー物語です。運命の悪戯で別離していたふたりを隔てる壁は、はたして崩れるのでしょうか?
継母に虐げられる不遇な灰かぶりに、 人嫌い子爵が求婚したわけはーー? 意地悪な継母と異母妹たちの冷酷な仕打ちに耐えるカレンザ。 継母に1ペニーもドレスの仕立て代をもらえず、年頃になっても 社交界デビューもせず、病弱な父を支えてひっそり暮らしている。 ある日、オースターフィールド子爵が屋敷に滞在することになり、 現れた子爵の並外れた容貌に、邸内は色めき立つ。 妹たちは着飾って子爵の気を引こうと必死だ。 カレンザは古びた服で庭のばらを摘み、子爵に色目を使ったと 継母と妹たちに心ない言葉を浴びせられてもなんとかこらえた。 それを子爵に見られたのは、少し悲しかったけれど……。 翌朝、散歩をしているとオースターフィールド子爵が小道に現れた。 「僕と結婚してほしいんです。あなたを子爵夫人にしたい」 永遠の愛も誓わず、寝室も共にしないが、安定した生活を保証するーー戦争で顔と体に傷痕のある子爵に提案された名目だけの結婚。はたしてそこに幸せはあるのでしょうか? ジェイン・オースティンファンの著者ならではの卓越した描写力に引き込まれます!
どんなに望んでも、この恋は叶わない。 私は愛人にさえふさわしくないのだから。 両親の愛を知らずに育ったステンドグラス作家のインディゴ。 あるとき仕事先で、さる公国の皇太子ロレンツォと知り合い、 幼いころの境遇が自分と似ている彼に強く惹かれた。 しかし、来月、新しく王になるロレンツォは、 王侯貴族の女性と結婚する必要があった。 彼との未来を思い描いたところで、それは永遠に訪れない。 でも、せめて今だけは愛を分かち合いたい……。 切に願ったインディゴは、彼と期限つきの契りを結んだ。 やがてロレンツォが帰国し、愛を失った彼女はつらくてたまらなかった。 そのうえ、結ばれるはずのない彼の子を、おなかに宿していたーー すでに心から愛してしまったロレンツォと別れ、喪失感に苛まれるインディゴ。しかしそこへ、なんと彼から戴冠式の記念に宮殿にステンドグラスを作ってほしいという依頼が舞い込みます。思いがけぬ再会を果たしますが、彼女はおなかの子のことを言いだせず……。
メロディは生まれつき盲目で、非情な貴族の父親に疎まれてきた。このままでは今にも家から追い出されかねない。メロディの窮状を見かね、地中海の国の王妃となった姉が、国王の弟グリフィンとの縁談をお膳立てしてくれた。そうすれば、メロディは冷酷な父のもとを離れられるし、グリフィンも放蕩王子という悪評を拭い去ることができるから。初対面の時から陽気な王子に密かな想いを抱いていたメロディ。ところが、結婚式とそれに続く舞踏会が終わって初夜に臨む前、彼は言い放った。「後継ぎは必要ないから、体の関係も必要ない」
幸せな頃の夢を見させてーー 神様、もう一度だけ。 「覚えていないの? わたしたちはもう結婚しているわ!」 そのうえ今は別居中で、離婚手続きが進んでいるのよ……。 シャーリーはその言葉をのみこみ、負傷した夫を前に途方に暮れた。 マッテオには幸せの絶頂だった結婚式前日までの記憶しか残っていない。 事故で頭を強打し、部分的に記憶を失っている今の彼に、 さらなる衝撃とストレスを与えるのは厳禁だ。 仕事中毒のマッテオは医師に2週間の静養を言い渡され、 シャーリーは彼とともに新婚旅行で行くはずだったアマルフィを訪れた。 ただちに事実を告げて立ち去るべきだという理性の声には、 つゆほども気がつかないふりをして。 せめて、彼の記憶が戻るまでの間だけ……。背徳感を押し殺しながら、前回は途中で終わった新婚旅行の続きを魅惑的な夫マッテオとともに楽しむシャーリー。でも、幸せな結末をどれほど切望しても、運命はやはり残酷で……。うち捨てられた花嫁の、切ない片恋物語。
結婚も恋愛も、家族のために諦めた。 なのに、予期せず新しい命を授かり……。 病弱な母と車椅子暮らしの妹のため、医師になったエルスぺス。 あるとき上司の結婚式に列席した彼女は、浮かない顔をしていた。 エルスぺスの家族に理解のない冷たい婚約者と半年前に別れ、 いまだつらい思いを抱えている彼女に、見知らぬ男性が声をかけてきた。 フレーザーと名乗った彼も、親戚づき合いで仕方なくここにいるという。 意気投合した二人はいつしか式場を離れ、めくるめく夜をともにした。 けれども、婚約の破談後にもう恋愛は無理だと悟ったエルスぺスは、 翌朝ため息とともに彼のベッドからそっと脱け出したのだった。 一瞬、人生を変えられればいいのに……と思った自分を責めながら。 6週間後、彼女は妊娠検査薬を手に、バスルームに立ち尽くしていたーー 大富豪のフレーザーは貴族の家に生まれながら、不実な父のせいで、受け継ぐはずの称号も屋敷も捨てて母を連れて家を出た過去がありました。以来、愛を信じなくなった彼は、一夜の相手のエルスぺスから妊娠を告げられたとき、はたしてどう応えるのでしょうか?
デイジーは、初恋の男性で今や有名実業家のジャスティスと再会した。 事故で記憶の一部を失い、彼はデイジーを覚えてはいなかったが、 これまでの空白を埋めるかのように、二人は情熱を分かち合った。 その直後、ジャスティスは突如記憶を取り戻し、デイジーを責め立てた。 「君のせいで、僕の人生はめちゃくちゃになった!」 あの夏、若き二人は惹かれ合って一線を越えた。 それはデイジーの知らぬ間に、彼女の厳格な両親の知るところとなり、 ジャスティスは進学の夢もあきらめ、町を追われたのだという。 真実を知ったデイジーは罪悪感に苛まれ、逃げるように部屋を出た。 だが1年半後、彼女はジャスティスを訪ねるーー娘の誕生を告げるために。 〈閉ざされた記憶の扉〉と題して、記憶喪失ロマンスをお届けします。妊娠がわかった瞬間からジャスティスに知らせようと努力はしたものの、彼の居場所を捜し当てるのに1年半もかかってしまったデイジー。小さな娘の存在を知ったジャスティスの反応やいかに?
うち捨てられた花嫁は、 小さな命を守り続けた。 ついに見つかってしまった。でも、娘の存在は知られていないはず……。 辺境の地で馬上の夫と遭遇したロザリンドは、必死で動揺を押し隠した。 今や公爵となった夫アッシュは駆け落ちした8年前より魅惑的だが、 人が変わったように傲慢な口調で正式な離婚を要求してきた。 次は君とは正反対の、平凡で従順な妻を娶るつもりだと言って。 ロザリンドは手続きを進めることに同意し、大慌てで帰宅した。 しかし、愛娘のジェニーは遊びに行ってしまっていたーー よりによって、アッシュが泊まる宿の馬小屋に。 ひと目でジェニーを我が子と悟り、アッシュは前言を撤回した。 「あの子をとりあげられたくなければ、僕と一緒に暮らすんだ」 公爵領へ向かう道中、反発し合いながらも強烈に惹かれ合い、めくるめく夜を過ごすふたり。互いへの誤解は解けぬまま到着した領主館でジェニーが命を落としかけ、ふたりの心は急速に近づいて……。幼すぎたひたむきな恋が8年越しに昇華する、熱く切ない愛の軌跡。
憧れの人との忘れえぬ五夜。 授かったのは、幸せの証のはずなのに……。 初めて会った日からずっと、天才外科医マックスに憧れてきたエヴィ。 彼が1年間の海外任務に赴く直前に想いが通じ、結ばれた。 マックスの出発後、妊娠したことがわかると同時に持病が悪化し、 エヴィは闘病をつづけながら命がけで女の子を産んだ。 だが体調が急激に悪くなり、とうとう手術を受けることに。 そんなときマックスが帰ってきたが、娘の存在を告げられずにいた。 彼の両親に、息子の仕事に差し障ると、口止めされているから……。 けれども、手術の前に弱気になったエヴィは彼の励ましに胸を打たれ、 ついに娘のことを打ち明けたーーすると、マックスは豹変し、 エヴィをなじった。「きみはわざと妊娠し、ぼくを罠にかけたのか?」 やむなき事情で妊娠や出産のことをヒーローに告げられないヒロインを描く、“シークレットベビー”物語。本作はそんな切ないテーマをもとに、英国人作家C・ホークスが書き上げた感動ロマンスです。邦題はハーレクイン公式ツイッターの一般投票で選ばれました!
キーリーは16歳のとき、手ひどい失恋を経験した。 家によく遊びに来ていた兄の友人ザックに熱を上げ、 思いきって愛を告白したが、みごとに拒まれたのだった。 以後、ザックは二度とキーリーの前に現れなくなり、 彼女の心には癒やされない傷だけが残った。 8年後、研修医となったキーリーは指導医師を見て愕然とする。 今なお脳裏に浮かんでは胸を締めつけられるザックの姿がそこに! キーリーは恋心がまったく衰えていないことを確信するが、 彼は1年前に妻を亡くし、女性と真剣に付き合うつもりはないと知る。 もう傷つきたくない。この想いは絶対に隠し通さなければ……。 世界的人気を誇る作家サラ・モーガンが、初恋を踏みにじった男性と再会し、ふたたび“片思い”をこじらせるヒロインを描きました。ザックが2歳になる娘の世話に困っているのを見かねて、彼の家に住み込んで育児を手伝うことにするキーリー。秘密の恋の行方は?
乙女は決して忘れなかった。 愛することと、夢見ることを。 ロンドンにある親戚の屋敷に居候しているシャーロットは、 意地悪なはとことその母親に虐げられながら暮らしていた。 そんなある日、一家はシャルフォード伯爵邸に招かれる。 新伯爵アダム・ファントンが花嫁候補たちを一度に招待したらしい。 魅惑的なアダムを目で追わないよう、シャーロットは自らを戒めた。 伯爵夫人にふさわしいのは、はとこのような美人の令嬢。 持参金もない地味な私は、引き立て役にすぎないのだから……。 しかしアダムは信じがたい言葉を口にしたーー君は最高にきれいだと。 そして突然、情熱的なキスをした。貧しい娘と知りながら。 シャーロットは無垢な心を差し出した。叶わぬ恋と知りながら。 夢のようなひとときもつかのま、父の訃報によってシャーロットの暮らしは一変します。親戚母娘は悲嘆に暮れる彼女を使用人のようにこき使い、屋根裏部屋に追いやって……。本国の編集部と読者はもちろん、翻訳者も絶賛のRITA賞受賞作品をお読み逃しなく!
あれほど酷く傷つけられたのに 胸が高鳴るのは、なぜ? 7年前に離婚したジェニーは、今度こそ幸せな家庭を築きたいと決意し、 結婚当日まで相手と顔を合わせないマッチングサービスを利用する。 そして臨んだ結婚式。ジェニーは呆然としたーー 祭壇の前で待っていた新郎は……まさか、元夫のヴァレンティン? 大富豪の彼はあいかわらずハンサムで魅惑的だ。 同様に驚きながらも、またやり直せるかもしれないと言う彼に従い、 ジェニーは複雑な気持ちのまま、贅沢なハネムーンへと出発した。 ゆっくりと流れる、親密な時間。二人は惹かれ合う思いに抗えず、 再び激しく情熱を交わす。だが、未来に希望を見いだしたのもつかの間、 かつて離婚の原因となったのと同じ女性の影が……。 関連作『花嫁の孤独な寝室』にも登場したヴァレンティンが本作のヒーローを務めます。再び妻となったジェニーは、前回の離婚原因である女性がまだ彼と一緒に働いていることに気づいてしまいます。7年前に経験した、胸が潰れそうになる感覚が再び押し寄せ……。
独り残されたシンデレラは、 富豪一族の世界へいざなわれ……。 子供の頃からいつも社交的な姉の陰に隠れて地味だったハンナは、 ニューヨークで清掃の仕事をして暮らしている。 そんな彼女のもとへ、突然、カーター・ジェイムソンが訪ねてきた。 彼は巨大企業を経営する富豪一族の出身で、 ハンナが十代のとき、密かに想いを寄せていた相手だ。 けれど、もうジェイムソン家とはいっさい関わりたくなかった。 半年前、カーターと関係し身ごもった姉が、捨てられた末に命を絶った。 彼の父に渡された口止め料の小切手を破り捨てたハンナだったが、 今、10年ぶりに見るカーターはとてつもなく魅力的で、動揺してしまう。 だが彼の手には、父から預かった“封筒”が握られていてーー 叶うはずもなく胸の奥にしまっていた小さな恋が長い眠りから覚め、ハンナを思いがけない運命に巻き込んでいくーー栄えあるRITA賞を受賞した作家ヘレンケイ・ダイモンが描くシンデレラ・ストーリー! 『悪魔のキスに魅入られて』『貴公子に疑われた淑女』の関連作です。
どうか信じてほしい。 私の愛は偽りではなく、本物だと。 大富豪ジェイムソン家の次男、スペンスが帰ってきたと聞き、 アビーは動揺した。彼はまだ私を疑っているかしら? 数カ月前まで、アビーとスペンスは恋人同士だった。 だが悪夢のような出来事が、突然ふたりを引き裂いた。 あろうことか、スペンスの父親に無理やりキスをされ、 その場面をスペンスに見られてしまったのだ。 彼はアビーの話も聞かず、冷たく背を向け、街から姿を消した。 あのとき、どうして私のことを信じてくれなかったの? スペンスは心から詫び、変わらぬ情熱でアビーを包みこんだが、 彼女が身ごもったと知ると、とたんに表情を曇らせて……。 RITA賞受賞作家ヘレンケイ・ダイモンの、『悪魔のキスに魅入られて』に続くドラマティックなロマンスをお楽しみください。最愛の恋人に信じてもらえなかったばかりか、置き去りにされ、深く傷ついたヒロイン。彼女の心が癒える日は来るのでしょうか?
いまだ私の心は彼の虜……。 もう愛はないなんて、言えない。 ヘイリーは離婚届をたずさえ、ギリシアの小島に渡った。 そこで開かれる親族の祝いに夫が出席すると聞いたのだ。 かつて一目で恋におち、誰よりも深く愛したクリストス。 だが、流産という悲劇に見舞われたとき、夫はそばにいなかった。 結婚してすぐに就いた華やかな仕事の関係で、 彼は妻帯者であることを世間に隠していたのだ。 家を飛び出したヘイリーは、2年ものあいだ心の苦しみと闘い、 今ようやく別れを決意して、クリストスの前に現れたのだった。 ところが彼は、親族の手前、復縁したふりをするよう強いてきた。 だめ、この人をまた愛してしまったら、もとの惨めな私に逆戻り……。 引く手あまたの夫の帰りを、独り待つだけだった妻ーーそんな自分を変えたくて、もがいた別居期間。新しく生まれ変わったつもりで、離婚を決意したヘイリーは、サインをもらいしだい彼のもとを去るはずが……。ギリシア富豪と悩めるシンデレラの愛の再生物語。
もう誰も愛さないと決めたのに。 あの人は離さないーー私の瞳と、心を。 大公の婚礼を控えたヨーロッパの国へ出張に来たエイプリルは、 巨大企業のカリスマ的な経営者マーカスと対峙した。 ハンサムな億万長者である彼は大公の補佐役でもあり、 仕事で大公家の秘密に近づこうとする彼女を阻もうというのだ。 ところが、初対面の険悪な緊張感とはうらはらに、 今まで感じたことのない魅力を感じ、エイプリルの胸はときめいた。 もう誰も愛さないと決めたのに……。最愛の息子を失ったあの日に。 過去に悲劇を経験したことのある彼女は、恋愛に慎重だった。 なのに、やがてマーカスの魅力にとりこまれ、一線を越えてしまうーー めくるめく夜に紛れて我を忘れ、身ごもらぬ策もとらずに。 ハーレクイン小説の粋を集めたような本邦デビュー作『白鳥になれない妹』で話題をさらったニーナ・ミルン。ハーレクイン愛好家の母からそのDNAを受け継いだ作家が描く、過去の悲しみを乗り越えて幸せをつかむシンデレラ・ストーリーです。