著者 : 西村京太郎
鎬を削るライバル企業の越後実業と甲州商事。上杉謙信と武田信玄を信奉し、「越後の龍」「甲州の虎」と呼ばれている両社の社長は、互いに後継者問題を抱えていた。そんな折、両社のキーマンの怪死事件が起きる。なんと一人は直江兼続の鎧の中で殺されていた。互いにライバル会社による凶行だと訴えるが…。十津川警部は事件解決の鍵を探るべく戦国時代の歴史を紐解き、そこに思わぬ因縁を見つける。
京都・宮津。建設会社社長中西は、“東京の病院で監禁されているので助けて欲しい”という手紙が結ばれた風船を発見。内容を信じた中西は、東京の探偵事務所に調査を依頼。都内病院を探るが進展のないまま、第二の風船が天橋立の展望台で拾われ…。やがて、疑わしい家が炎上、お抱え運転手が殺害される。この殺人と監禁の謎を解くため、十津川警部は、宮津へ。天橋立と東京を結ぶ驚愕の連続殺人に挑む。
日下刑事は、叔父・黒田信行のマンションを訪れた。彼の娘から、父と連絡が取れないと相談を受けたからだ。日下が部屋に入ると、そこには身元不明の死体が横たわっていた!現場に残された謎のアルファベットを手掛かりに、十津川警部は湖西へと飛ぶが、第2、第3の殺人事件も発生し…。-犯人の目的は?謎の文字の意味は?点が線へと繋がった時、恐るべき陰謀が浮かび上がる。傑作トラベル・ミステリ。
熟年雑誌の読者モデルをつとめる鈴木夫妻が失踪した。楽しみにしていたお伊勢参りの旅に出かける当日、乗車予定の「のぞみ」に姿を見せなかったのだ。それどころか、二人の名を騙り旅行を続ける不審な中年カップルが出現。夫妻に何が起こったのか?捜索願が出されるが、直後、隅田川に他殺体が浮かぶ。遺体は伊勢路に現われたカップルの女性と判明。捜査に乗り出した十津川は、鈴木家で厳重に保管された円空仏を発見する。木彫りの仏像と事件に関わりはあるのか?謎を追って、十津川は伊勢志摩に向かうが…。
氷雨の浅草寺境内で若い女性の全裸死体が発見された。太腿には、上品な顔立ちとは不釣り合いなバラの刺青が彫られていた。「被害者は岐阜市内の旧家の長女では…」という通報により、事件を担当する十津川警部は岐阜に飛ぶ。通報通り、被害者は3年前に家出した良家の娘で、イヴと呼ばれていたことがわかった。捜査を進めると事件の影に十津川の婚約者の存在が浮上し…。-女性の空白の3年間を追う、迫真のサスペンス。
財団法人“日本の自然と伝統を守る会”理事長が、十津川と名乗る男に殺された?!捜査に乗り出した十津川警部は、自らの名前が騙られたことに驚き戸惑いながらも奈良県十津川村へ向った。日本一の面積をもつ村、十津川村には世界遺産に指定された熊野古道が残り、全国に知られるようになった。現地に足を踏み入れた十津川警部の前に新たな殺人事件がー。全国津々浦々を駆けめぐり事件を解決してきた名警部十津川が、その名の由来となった十津川村を巻き込んだ事件に初めて遭遇した。数ある“十津川警部シリーズ”にあってエポックとなる作品、待望の文庫化。
平成元年、和倉温泉往きお座敷列車で若い女が不審死した。自殺か他殺かわからぬまま、15年以上経って、事件車両を買った高柳という男が、奇妙な掲示板を出す。事件当日、この車両に乗っていた人に話が聞きたい、謝礼に10万円払うという主旨だった。やがて、高柳のもとへ話をしに来た男が殺され…。時効を迎えた事件が新たな殺人を呼んだ!?東京・金沢を結ぶ推理行に十津川警部が挑む。
東京郊外で若手カメラマン誘拐事件が発生。しかし犯人からの要求はなく、三日後にカメラマンは無事保護された。十津川警部が被害者の身元を調べると、幼少時に河原で発見され養護施設で育てられたことがわかる。それ以前の彼の記憶は「SL、桜、二人の男女」という曖昧なものだった。十津川はこの記憶が事件に関わる鍵と睨み、捜査を開始する。その矢先、静岡の大井川鐵道で第二の事件が発生し…。傑作長編トラベル・ミステリー。
首のない他殺体が東京で発見、直後、京都、福岡でも同様の事件が起こった。現場には「正義之国王」という署名と、国宝「金印」の朱印の押された死刑宣告文が遺されていた。凄惨な連続殺人と「金印」につながりは?捜査に乗り出した十津川は、三つめの朱印が史書にしか記されていない女王卑弥呼の「もう一つの金印」であることを知る。本物か?古代史学界が騒然となる中、実物を発見したと主張する謎の団体「アドベンチャー・ジャパン」が、幹部の一人を連続殺人の犯人として告発した…。長編推理小説。
北海道、東北、山陰と舞台を変えて、“望郷の殺人者”を追う十津川警部班の捜査行に終わりはない。表題作をはじめ「十津川民謡を唄う」「北の空 悲しみの唄」「北への殺人ルート」の四編、珠玉の旅情ミステリーの傑作を一挙収録。西村京太郎ワールドを心ゆくまで堪能する待望の一冊、文庫化なる。
富士五湖の一つ、西湖のほとりにある巴屋旅館から一人の男が遺書を残して失踪した。西湖の近くには自殺の名所といわれる青木ヶ原樹海が広がっている。それから一年、その男の妻が東京で殺された。十津川警部率いる捜査一課が事件を担当するが、その間に第二の殺人事件が発生する。失踪事件との関連は?死体に残された桃の小枝の意味は?二転三転する十津川たちの推理。その先には驚くべき真相が隠されていた。
東京で女子大生連続射殺事件が発生、手際からプロの殺し屋の犯行と思われた。現場近くで目撃された車の持ち主の芸能プロダクション社長が、海外で不審死を遂げ、“一九三一”というメモを残す。一方、上海で日本人ジャズ歌手の扼殺体が発見される。十津川警部は、中国警察の協力要請を受け上海へ。やがて、双方の事件の類似点を掴むが…。複雑に絡んだ謎を追って、大陸を疾走する決死の捜査行。
湘南に住み湘南ライナーで通勤する三十代、独身エリートの五人の男達のまえにあらわれた、ふるいつきたくなるような美女。彼女の口から奇妙な申し出が…。週に一度、彼女のマンションでともに一夜を過ごして欲しい、という。ただし、セックスぬきの関係。五人の男達がそれぞれ月曜日から金曜日まで“一夜同棲契約”を結ぶ。男達は謎の女の意図をはかりかねながらも、その魅力の虜となってゆく。待つのは、禁断の蜜のるつぼか、はたまた逃れられない蟻地獄か…。セックス抜きのやりとりに耐えかねた男達は共謀して彼女を襲う計画を立て始める。なんの不足もない社会生活を営んできたエリートたちの周辺に波風が立ち始める。まるで、穏やかな湘南の海が様相を変え牙をむきはじめたかのように。男達の一人の周辺で殺人事件が起こり、男達の間に反目、諍いが起きる。殺人捜査に乗り出した十津川警部も頭をひねった謎の女の真の狙いとは…。西村ミステリー四〇〇冊の金字塔後の新境地。結末には、驚愕のどんでん返しが…。異色ミステリー長編。
末期ガンを患う西洋画の大家・篠崎源一郎が、入院先の病院から失踪した。三陸鉄道北リアス線のレトロ列車に乗って、久慈から、宮古へ。看護婦の田代由美子の献身的な協力を得て、生涯最後の大作を描くために、三陸海岸の名勝・浄土ヶ浜に向かったのだ。精力的な創作活動をつづける篠崎の前に現れた私立探偵が、東京で殺され、事件の真相を追って、十津川警部が、三陸へ飛んだ!篠崎の妻・昌子、モデルとなった美少女・亜里砂、そして、画商・花井久美ー。篠崎をめぐる女たちの怪しい行動は、なぜなのか?ロマンあふれる筆致で、人生の愛と裏切りを描く、巨匠の渾身力作。
ロスアンゼルス生まれの都会派探偵・左文字進は、十津川警部とともに西村作品の名キャラクターとして多くのファンを魅了してきた。そして本作ー。左文字の親友である若き私立探偵・川村が射殺される。川村の死の直前、共にいた女とは…。次々と起こる殺人を繋ぐ糸は何か?追跡行の途次、忽然と姿を消した左文字の愛妻・史子。都会の闇に蠢くハイテクを駆使した姿なき殺人者を前に窮地に陥る左文字。西村京太郎が生んだ華麗なるキャラクター、私立探偵・左文字進が、またも読者を虜にする長編推理小説、待望の文庫化。
十津川警部の旧友、原口が長崎・雲仙で死体として発見された。彼は生前、何かにひどく怯えた様子だったという。捜査が進むうちに、勤務先の音響メーカー・メディアX社に関するきな臭い噂が届く。原口は死の直前、出版社宛にメディアX社の所業を告発する手紙を出していたのだ。真相を探ろうとする十津川の前に立ちはだかる妨害の数々。そして十津川は何者かの手によって拉致されてしまうが…!?十津川警部、最大最悪の危機。
京都の旅館で中年女性が殺され、その知人が東京で殺された。双方の現場に残されていた「陰陽」の墨文字。連続殺人の狙いは何か?容疑者には、鉄壁のアリバイがある。そして、容疑者が参加した鎌倉・鶴岡八幡宮の流鏑馬神事で、「陰陽」のかけ声とともに起る驚くべき事件。十津川警部が大活躍する「祭り」シリーズ第四弾。
東京の地下鉄で男が刺殺された。男の身元は不明だが、死ぬ直前に「セコ」という謎の言葉を残し、伊勢で購入した赤福餅を持っていたことが判明する。伊勢市へ向かう十津川警部と亀井刑事。そこではカルト宗教団体の不可解な土地買い占め騒動が起こっていた。捜査が進むうちに、十津川は恐るべき陰謀が進行していることに気づき…。捜査一課史上最大の作戦が幕を開ける!超弩級サスペンス。
「三億円事件を再現してお見せしよう」真犯人逮捕のために大富豪が入念に計画した推理ゲーム。クイーン、ポワロ、メグレ、明智といった往年の名探偵たちは抜群の能力を競い合う。だがクリスマス・イヴに予想もしなかった殺人事件が!驚天動地のトリックが圧巻の西村ミステリー。綾辻行人氏との特別対談も収録。