著者 : 西村京太郎
十八歳、小柄、子猫のようにしなやかな肉体と愛らしい顔ー共通する特徴の女性が長崎と東京で殺され、犯人は“子猫コレクター”と呼ばれることになった。そんなおり、十津川は鳥取県境港市で“猫娘コンテスト”が開催されることを知り、境港へ飛んだ。厳戒態勢のなか猫娘コンテスト優勝者が誘拐され、さらに犯人から「次は鎌倉で、可愛い子猫を誘拐する」との予告電話が!?長篇推理。
十津川警部の捜査ミスを煽る、容疑者のどす黒い策謀とはー。絶景スポットで、“海の宝石”を撮影した父は、なぜ殺されたのか。
雷鳥、はくたかなど多くの特急が行き交った“特急街道”北陸。越前一乗谷遺跡を買い取りたいと、戦国大名朝倉氏の末裔を名乗る麻樹という女が現われる。一方、東京で、人気ゲーム作家武井要の刺殺体が発見された。富山県高岡市にも姿を見せた麻樹が「タケイ」という相手に電話していたとの情報で、警視庁の十津川警部は富山に飛ぶ。だが、その矢先、新たな殺人が!
冤罪で実刑となったカメラマンの金井は、出所後、自分をはめた後輩を刺殺、故郷の函館へ逃亡する。心の支えは、ただ一人、服役中も慕い続けてくれた美人モデルのマリ子。しかし、二人が函館駅で再会を果たそうとしたその時、謎の男の拳銃が火を噴く。男は何者なのか?女の愛は本物なのか?傑作長編推理。
ルポライターが殺された。彼の恋人は轢き逃げに遭う。そして横浜で発見された女性の白骨体。3つの事件を解く鍵は、殺されたルポライターの寝台急行「天の川」乗車ルポにあるはず。列車に乗った十津川警部は、ある齟齬を見出す…。かつて上野ー秋田間を結び、今はなき寝台急行に懐旧の思いを込めた新装版。
東京で若い女性が殺害される事件が続いていた。3人の被害者には、ボウ・ガンで殺された以外に共通点は見つからない。しかし、十津川警部と亀井刑事は、「新宿」というキーワードを見つけて…(「夜ごと死の匂いが」)。私立探偵の秋葉京介の下に、歌手の浅井京子のボディガードの依頼が来た。渋々引き受けた秋葉だったが、事務所は爆破され、浅井も行方不明になってしまう。隠された真相に迫る(「危険なスポットライト」)。全7編。
婚約者の中原が飛び降り自殺した。傷心の井岡あや子は、中原が死の直前に乗車した「のと恋路号」に乗り、恋路駅のノートに中原が書いた文章を見つける。が、数時間後にその頁は何者かに破り取られてしまう。さらにあや子を尾行していた刑事が消息を絶ち、中原が泊まった旅館の従業員が絞殺される。そして十津川の捜査には上からの圧力が…。
豪華列車「ななつ星」に病気の母親を乗せるため、賀谷大三郎は悪知恵を働かせてツアーに潜り込んだ。ところが乗車直後、大三郎のもとに一通の脅迫状が届く。今回の悪事を見逃してやる代わりに、ある乗客の手帳を盗み出せというのだが…。さらに、乗車していた次期駐日アメリカ大使の女性が行方不明に。続発する事件の黒幕を追い、十津川警部が九州を走る!
「白い雪に、真っ赤な血…」それは何かの警告か?新婚の三田村刑事夫妻は、冬の北海道を満喫するつもりだった。だが、宿泊先の札幌やトマムのホテルに不吉なメッセージが届く。知らせを聞いた十津川警部には心当たりがあった。十津川が夫婦で行く予定の旅だったのだ。過去の事件の復讐なのか…(「石勝高原の愛と殺意」より)。旅情あふれる北海道ミステリー作品集。
十津川警部の妻・直子がゴールデンレトリーバーを飼い始め、愛犬家の会に入会した。会長の小原は、かつて犬のお伊勢参りがあったと知り、愛犬の茶々を伊勢へ向かわせる計画をたてた。茶々が出発した日、自由が丘で木村という男が刺殺される。現場付近で、茶々の目撃情報があったことに着目した十津川警部は…。東京と伊勢を結ぶ難事件に挑戦!有名観光地を舞台に描く傑作長編旅情ミステリー。
ファミリーレストランチェーン社長・岡崎秀明が誘拐された。犯人は身代金を要求せず、相応の請け負い料を支払えば、敵対する人物を消してみせると持ちかけた。白石検事に不正経理で告発されることになっていた岡崎だったが、一億円を振り込んだ直後、白石検事と部下が事故死した。その頃、特急「南風」に乗車中だつた岡崎には、アリバイがあった。その後、岡崎の弱みを握った誘拐犯から連絡が入る。それは甘言と卑劣な遣り口で人につけ込む、請け負い殺人グループのさらなる策謀の始まりに過ぎなかった!十津川警部は、奴らの正体をどうやって暴いていくのか?長編トラベルミステリー。
千葉県銚子の犬吠埼灯台崖下の岩場で、東京・成城学園に住む私立探偵・本橋哲平の他殺体が発見された。そして、本橋に融資していた消費者金融の野崎康幸支店長も、都内のホテルで殺害される。千葉県警の捜査に亀井刑事らが協力するなか、ついに十津川警部も捜査に乗り出した!事件の背後に見え隠れする甘い投資話…。謎の組織の存在も浮かび上がったが!?長篇旅情ミステリー。
十津川は捜査で疲弊した帰宅途中の電車で「お願いがある」と声をかけられた。明日、電話をと立ち去った翌朝、駆けつけた殺人現場で見た死体は、声をかけてきた、その女性だった…。十津川警部が自分の判断ミスを苦悩する「事件の裏で」をはじめ、犯人当て小説「私を殺しに来た男」、プロ野球を舞台にしたスポーツ推理など、ミステリー第一人者の魅力満載の傑作集。
今、京都にいる。僕は、間違いなく、ここで、あいつに殺されるー十津川班の西本刑事の友人・本田悟から手紙を受け取った恋人の白井みずえが西本に助けを求めてきた。しかし、西本が京都に着いたとたん、不可思議な殺人事件が起きた。被害者は本田のコートを着て、本田のキャッシュカードを所持していたのだ。そしてさらに、第二の殺人事件が…。十津川警部の活躍を描いた傑作集!
東京の銀行と大手企業にそれぞれ五億円と二億円を要求する脅迫状が届いた。送り主は“神戸の悪党”。十津川警部は犯人逮捕の罠を仕掛けるが、まんまと現金を強奪されてしまう。神戸へ向かった十津川は怪しいグループを発見するも、金融機関に新たな脅迫状が届く。十津川と知恵比べを続ける“悪党”が神戸で実現しようとする「夢の計画」とは!?
東京駅に到着した広島発「のぞみ号」車内で女性の毒殺体が発見された。被害者は沢田澄江、65歳。25年前に突然引退した女優であった。澄江の故郷である島根県日原は「岩日北線」で岩国と結ばれる予定だったが、岩国ー錦町間で計画は中止され、今は「錦川清流線」となっている。十津川は、澄江が岩日北線の全線開通を夢見て、資金集めに奔走していたことを知る。鉄道延伸に反対する者の犯行なのか。一方、澄江の引退時に黒い噂があったという…。岩日北線が運ぶのは、夢か殺意か?
名も知らぬ三人の女から「責任を取って欲しい」という脅迫電話を受けた実業家の中山憲之には、記憶の欠落があった。三人のうちの一人と思しき女が死体となって見つかると、十津川が捜査に乗り出す。中山も記憶を蘇らせるべく、鍵となる長野・別所温泉へ向かうが、そこにはどす黒い陰謀が待ち受けていた。
もしも、賎ヶ岳の戦いで柴田勝家が秀吉に勝っていたら、お市の方の運命はどうなっていたのだろうか…時代小説の人気作家・広沢は、新作の執筆を開始した。数日後、都内で広沢の妻の恋人が刺殺体で発見される。現場には「オイチ」と書かれたダイイングメッセージが残されていた。十津川警部は、被害者に恨みを持つ人物をあたるが、アリバイが成立しており、捜査は難航。小説と現実が入り交じった不可解な事件に、十津川が挑む。
細野新司は、金沢の女子大生竹内綾と遠距離恋愛中。北陸新幹線開業日に綾と東京から乗車する計画を立てる。だが、綾は待ち合わせ場所に現れず、細野は金沢の彼女のマンションを訪ねるが留守だった。やがて、江戸川で綾らしい女性の溺死体が発見されたと連絡が入る。捜査担当の十津川警部は細野の行動に疑惑を…。東京、金沢を結ぶ連続殺人に挑む推理行。有名観光地を舞台に描く長編旅情ミステリー。