著者 : 越前敏弥
ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。死体はグランド・ギャラリーに、ダ・ヴィンチの最も有名な素描〈ウィトルウィウス的人体図〉を模した形で横たわっていた。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を求められる。現場に駆けつけた館長の孫娘で暗号解読官であるソフィーは、一目で祖父が自分にしか分からない暗号を残していることに気付く……。
館長が死の直前に残したメッセージには、ラングドンの名前が含まれていた。彼は真っ先に疑われるが、彼が犯人ではないと確信するソフィーの機知により苦境を脱し、二人は館長の残した暗号の解読に取りかかる。フィボナッチ数列、黄金比、アナグラム……数々の象徴の群れに紛れたメッセージを、追っ手を振り払いながら解き進む二人は、新たな協力者を得る。宗教史学者にして爵位を持つ、イギリス人のティービングだった。
ティービング邸で暗号解読の末、彼らが辿り着いたのは、ダ・ヴィンチが英知の限りを尽くしてメッセージを描き込んだ〈最後の晩餐〉だった。そしてついに、幾世紀も絵の中に秘され続けてきた驚愕の事実が、全貌を現した! 祖父の秘密とその真実をようやく理解したソフィーは、二人と共に、最後の鍵を解くため、イギリスへ飛ぶーー。キリスト教の根幹を揺るがし、ヨーロッパの歴史を塗り替えた世紀の大問題作!
死者の名を刻む手帳。失踪した女優。連続する謎の死。隠棲する新聞蒐集家。闇に閉ざされた映画館の小部屋。嘆く神父。雨に沈む納骨堂。街の地下を吹きぬける雨の匂い。さまよう探偵小説作家。夜の抒情と都市の憂愁をこめて巨匠が贈る最新長篇小説。
内容に登場する絵画や紋章、地図や写真など140点をふんだんに盛り込みました。小説の世界により深く接するための豪華カラー版。
ひとり暮らしの年老いた父親と、正直であろうとするあまり大切なものが見えない、若くはない息子。ボヤ騒ぎをおこした父を息子が引き取り、そのふたりが、ひとつ屋根の下に暮らす…。これは「あなた」の物語です。だから、じんわりとくる。誰しもが戸惑う永遠の愛を、父が息子に伝える切ない物語。