著者 : 越川芳明
西部劇、ミュージカル、チャップリン喜劇、『カサブランカ』、フィルム・ノワール、カートゥーン…。あらゆるジャンル映画を俎上に載せ、解体し、魅惑的に再構築する!ポストモダン文学の巨人がラブレー顔負けの過激なブラックユーモアでおくる、映画館での一夜の連続上映と、ひとりの映写技師、そして観客の少女の奇妙な体験!
マジックリアリズム、SF、純文学を越境する作家の最新作、本邦初訳!『ロサンジェルス・タイムズ』紙2012年最優秀作品賞受賞。作家ザンと妻ヴィヴは、エチオピアの少女シバ(ゼマ)を養子にする。少女の母親を探す旅に出るヴィヴ。作家の自伝的体験、人種問題、アメリカの歴史が交錯し、「小説内小説」とポップ・ミュージックが絡む独自の世界が全開!
完全試合達成まであと一人!スタジアムの期待と興奮は頂点に達するーユニヴァーサル野球協会はヘンリーが考案した野球ゲーム内の架空のリーグだ。試合展開を決めるのはサイコロと各種一覧表。毎夜ゲームを実施し、野球協会の仮想世界に没入するヘンリーだったが、ある日試合中に起きた大事件をきっかけに虚構と現実の境界が崩れ始める。現代の神話を創造するポストモダン野球小説。
ポール・ボウルズがモロッコの口承の物語群を聴き書き、編集・翻訳し、現代の物語として蘇らせた、新しい文学の冒険。幻想や恐怖に充ちた語りは、都市伝説や神話的ファンタジーの色彩をおび、現代の時空に潜む闇を照らす。物語や声の深い魅力を伝え、文学表現の可能性を問う、必読のアンソロジー。長年ボウルズを翻訳・研究してきた批評家・四方田犬彦の解説を付す。
北カリフォルニアでのカルト教団の集団自殺から逃れたクリスティンが、風俗店ひしめく歌舞伎町のホテル・リュウで行なう「メモリー嬢」という仕事とは?地下鉄サリン事件や、ロックスターの暗殺などカオス的な事件の日付から成る「アポカリプスのカレンダー」。その作成にとり憑かれた「居住者」の過去とは?現代アメリカ文学の鬼才が放つ最新作。
何だって上手くできそうで、何一つ上手くいかない16歳の夏。ニューヨークのハイスクールに通うビリーは倦怠感に苛まれていた。真面目一辺倒の教師達、始終セックスしているアホなクラスメイト。命令と質問しかできない疲れた両親。でも、年上の大学生アルフレッドだけは煌めいて見えた…。夏の匂いと、高まる皮膚感覚の中、同性愛という“至高の関係”を始めた二人の少年を描く。
パイオニアズのスーパー・ルーキー、デイモンがついに完全試合を達成。スタンドの熱狂は最高潮ーだがこれは、冴えない中年会計士ヘンリーの頭の中だけにある架空のプロ野球リーグ、ユニバァーサル野球協会の話。まじめ一筋の彼の唯一の趣味が、この精緻きわまる野球ゲームなのだ。しかし、そこで起きた大事件がヘンリーの人生を狂わせはじめる…。愛と優しさに満ちた現代のおとぎ話。
16歳の夏、性の目覚め、少年の若々しい筋肉、潮風の中に彼の匂いがした。水泳部のハンサムボーイと大学生の同性愛体験を鮮烈に、爽やかに描く青春小説の“新しい古典”。サリンジャーの伝統を受け継ぐ新世代作家登場。