著者 : 越智月子
いつだって、ここからが始まり。 心もお腹も満たされる、 淹れたてのコーヒーと賄いパスタあります。『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』、待望の続編。 鎌倉の古い洋館でシェアハウスを始めた香良。 個性豊かな住人たちと楽しく穏やかに暮らしていたが、そんな日々も永遠には続かない。 シェアハウス「おうちカフェ」の住人たち 尾内香良 男出ひとつで育ててくれた父が亡くなり、カフェを引き継ぐことに。人付き合いが苦手なシャアハウスのオーナー。 林三樹子 香良の大学時代からの親友。離婚して家を飛び出し、今では共同経営者のよう。 藤村里子 ちょっと神経質。愛犬「ツン」といつも一緒。三樹子と大喧嘩をするも今では仲良し。 道永あゆみ コーヒー豆の焙煎を勉強している。絶賛、片思い中。 加藤千恵子 大事に育てた息子とその嫁に嫌われ、自分の家から追い出されてしまう。 倉林美佐緒 隣人・グラディスさんの愛娘。フランスから帰国し、「おうちカフェ」の新しい住人に。
誰かと生活することは、めんどくさいけどあたたかい。鎌倉駅から徒歩8分。木々と小鳥に囲まれたシェアハウスには、今日もカレーとコーヒーの香りがいっぱい。まだ空室アリ〼。男手一つで育ててくれた父が死んで、鎌倉のカフェを引き継いだ香良。ある日離婚した親友が押しかけてきて、いつの間にかシェアハウスをはじめることに! 次々やって来る入居者たちは、みんなちょっとワケあり。慣れない他人との共同生活に、イラっとしたり文句を言ったりもするけれど……。家族だから言えない、家族だから甘えられない。そんなひとりぼっちになった住人たちが見つけた新しい形のきずなに、あたたかい気持ちになる1冊。
独身の阿紗は、ひょんなことから、隣に住む謎の老婆・八重の部屋の片づけを手伝うことになる。 過去の経験から得た掃除テクニックを八重に教えながら片づけを進める中で、明らかになる八重の過去。そして阿紗も、母子家庭で荒れ果てた部屋に閉じ込められていた幼少期の記憶が蘇ってきてーー。 人生で背負いこんだ荷物と厄介ごと。一つ一つ片をつける中で、八重と阿紗が選んだ道とは。切なくも心温まる感動傑作。
騙して脅してしらを切る、日本一やばい女 この小説は、今、この時代に読んでこそのエンターテインメント! 現実と物語が頭の中で撹乱され、とてもエキサイティングな読書 時間を過ごしました。 きれいな爆弾は恐ろしくて美しい。 小泉今日子 初の内閣入りを果たした福永乙子は、就任会見の場で一席ぶった男社会への歯に衣着せぬ発言が話題になり、一躍時のひととなる。 総理経験のある政治家の養女として、3回目の当選での初入閣。メディアからは「美しすぎる奇跡の46歳」として大きくクローズアップされた。 しかし、彼女は、様々な後ろ暗い部分を抱えていた。高級コールガールや新興宗教の謎の教祖だった過去、構成員7000人といわれる反社会勢力トップとの接点。永田町に跋扈する政敵を前に、しかし、彼女は冷然とこの国の頂へ向けて、階段を昇っていく。 戦慄と衝撃の悪女エンターテインメント。
愛されたいのに、消えてほしい。お母さん、いい娘になれなくてごめんね。私はもう、あなたの“人形”にはなれない。絆か、呪縛かー赦し合えない母と娘の葛藤を描く作品集。
62歳になる父から突然聞かされた再婚話。14年前に母が若い男と駆け落ちした後、結婚して早々に家を出た長女・橙子(39)、代わりに家庭を支え続けた次女・柊子(36)、引きこもりの三女・桐子(31)、空気より軽い四女・楓子(29)が一堂に会した姉妹会議の場に、再婚相手が現れて…。
「モンスターU子の嘘」作者の悪女小説 「演じること。それがわたくしのすべてです。女優・清宮朝子も藝の神様が与えて下さった役だと思い、一生懸命演じております。わたくしに素顔なぞいりませんーー」 誰もが目を奪われ、憧憬の眼差しを向ける銀幕のスタア・清宮朝子は、数々の名作を残すも、突如、姿を消してしまう。 それから、月日の流れた平成二十五年春。ある保険会社のテレビCMを機に再燃した清宮朝子ブームを背景に、彼女を大伯母にもつ女優・清宮凜子、そして彼女の母で元女優の清宮祥子は、某テレビ局の開局六十周年記念のドキュメンタリードラマ「清宮朝子を捜して」の製作記者発表会見に臨んでいた。伝説の女優を係累に持つ凜子が、再現ドラマで朝子を演じるという話題性で、多くの報道陣が詰めかけていたのだ。 半世紀を経て、謎の失踪を遂げた朝子の狂気の第二幕が今、上がる。
本邦初、〈アラカン〉小説誕生‼ かつてグループサウンズに熱狂した少女たちは60歳を間近に控え……。 都内の名門私立女子中高に通っていた仲良し五人組。厳しい校則をくぐりぬけてひたすら追っかけていたのは超人気のGS〈ジ・エンジェルス〉だった。Wボーカルのハリーとジョニーの美しいルックスと甘い歌声で、昭和40年代当時一世を風靡しつつも、あっという間に解散してしまった人気アイドルグループが半世紀ぶりにまさかの再結成! 60歳を目前に控えた〈アラカン〉の彼女たちの時が再び動きはじめた。 久子(チャコ)……平凡な結婚をして安定生活を送るも、義父にまさかの恋愛問題発覚中。 真理(まりっぺ)……夫の会社の倒産で自らもパートに追われる日々。救いは店長の優しさ。 留美子(るみ)……アラカンに見えない美魔女だが、シンデレラの魔法が解ける瞬間もある。 京子(お京)……東大卒で県庁勤めの息子がまさかの引きこもりに。原因は母親の自分に? 君子(ケメ子)……家庭の事情で中3で転校。シングルマザーとして娘・由布子を育てる。 それぞれにもはや若さは失われ、長年の友人にも言えない家庭の事情をかかえている。けれど、武道館で行われる〈ジ・エンジェルス〉の復活が、そんな女たちに奇跡と幸運をもたらすのかーー夫、恋人、親、子供、そして転校以来会えずにいる君子との関係も含め、久子、真理、留美子、京子たちは、エンゼルスの歌によって救われ前に進んでいく。アラカン世代に向けた人生と友情の讃歌が、読者の心に温かな光を灯すハートフル連作集。
昭和六十三年。ゲーム機賭博で数億円の荒稼ぎをしていた赤坂の喫茶店経営・石山詩子が、常習賭博の現行犯で逮捕された。フリーライターの蒲田は拘置所で詩子と面会する。旧友で亡くなった刑事の寺本から「あの人のことを頼む」と墾願されていた。家庭を壊し、刑事という立場も顧みずして死の直前まで意識野にのぼらせ続けた女は、一方、寺本のことなどまったく意に介す様子を見せなかった。その後、巻き込まれるようにして蒲田は政財界の中枢をになう人物たちと会う羽目になり、詩子との不可思議な関係を目の当たりにする。そして平成元年を迎え、物語は動き出す。超弩級の悪女エンタテインメント文庫化!