著者 : 金井真弓
酒に酔った美女の嬌態が招いた悲劇。何気ない日常に潜む恐怖と暴力を冷静な筆致で綴る傑作ミステリ! --絶妙に配置された登場人物の動きと、その背景と事情によってそれぞれが追い込まれていく心理ドラマとしての面白さは、当時はもとより現在の読者にも充分に保障されているように思われる。(ミステリ評論家・横井司) 夏の窓辺は死の香り 訳者あとがき 解説 横井司
児童作家のアグネスと親友のポリーには、80年にわたる思い出、お互いに理解できない男たちへの愛憎、心の奥底で分かち合う秘密があった。そこへ若い女性編集者のモードが現れたとき、二人が長年沈黙し続けてきた、この岬で暮らす人々の過去が明らかになる。
プロメット村の村長、スペランツァは困っていた。七万ユーロを用意して水道管を直さないと、村の水道が止まってしまうというのだ。だがこの村にはそんなお金はない。金策に走るため、映画スター、ダンテ・リナルディがプロメット村で映画の撮影を始めるという噂を広めてしまう。ちょっとした小さな嘘だったはずが、村のみんなは勝手に乗り気に。そしてついに村長は本当に映画を撮影する羽目にー。監督も素人。俳優も素人。機材はおんぼろ。みんなの愛され村長が村のためについた小さな嘘が、今、村に奇跡を起こす。イタリアが舞台のくすっと笑えるハートウォーミング小説。
心霊現象研究協会の調査員ミス・レーンは、ある事件を機に職を捨て故郷ロンドンへ。「求む、諮問探偵の助手」の広告に惹かれ訪れた先で迎えたのは、少年のような風貌だが博識のジャスパー・ジェスパーソンだった。二人は原因不明の夢遊病に悩む紳士から依頼を受けるが、その最中、霊能者たちが次々と失踪する怪事件に直面する。ヴィクトリア朝の英国を舞台に、良き「相棒」の探偵二人が活躍する、オカルト・ミステリの怪作ここに登場!
夜毎、霧深いロンドンで開かれる降霊会。公演を控えながら消えていく霊能者たち。諮問探偵と助手は徐々に、夢遊病と連続失踪事件を結ぶ人物に迫っていく。だが、ミス・レーンが何者かに誘拐された!相棒の救出に焦操するジャスパー。ミス・レーンの、そして霊能者たちの運命は?『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者、G・R・Rマーティンが「コナン・ドイルも認めたに違いない」と称賛する、オカルト・ミステリの快作!
戦争で顔と身体の右半分にひどい火傷を負い、許嫁にも去られたアシュベリー公爵は、切実に跡継ぎを欲していた。そこに貧しいお針子のエマが現れる。ふたりはそれぞれの思惑から便宜結婚をした。愛情は必要なし、キスも御法度と、機械的な子作りだけを要求する公爵に、エマはあの手この手で心を通わせようとするのだが…。二度のRITA賞受賞など、華麗な受賞歴を持つベストセラー作家が贈る、ロマンス版“美女と野獣”!?
婚約者ピアズの帰りを待ち続けて8年。クリオはついに、婚約を破棄して自分の道を生きると決めた。彼の弟レイフに手続きを頼むが、拒否されたうえ、レイフはあの手この手でクリオの気持ちを結婚に向かわせようとする。彼にはある思惑があったのだ。一方、幼馴染でもある二人の再会は、互いの胸にある懐かしい思いを呼び起こして…。様々な壁を越えて、クリオが選択した道とはーセクシーで人間味あふれる最上級ロマンス!
有名作家の父を亡くし無一文になったイジー。そんな彼女に突如、城が遺贈されたとの知らせが…!?その城を訪ねると、目が不自由な公爵が世捨て人のように暮らしており、城を譲った覚えはないという。城はいったいどちらのものなのか?行くところのないイジーは心を閉ざした彼と、城の権利を争いながら、奇妙な共同生活をおくることに…イジーの父の代表作をこよなく愛する人々の活躍も見どころの、RITA賞受賞作!